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『中世ドイツ、近未来のシンガポール、そして現代日本。3つの世界を行き来する少女の正体とは?』みたいな惹句に惹かれて買ってみた。
第1部、中世のドイツ。小さな街の人々とそこに起こった魔女狩りを、作者独特の雰囲気で克明に描いて読ます。そして、その街並みに現れる異物、現代の日本の女子高生。このパートは、何が何だか分からねど、良く出来た映画の一部分を見ているようで、ばら撒かれた伏線めいたものを回収してしまう長編で読みたいような余韻あり。
第2部、舞台変わって近未来のシンガポール。既に男と女の役割が変化している時代に、それを背景に小難しい性や世代に関する考察が入る。ちょいと小難しく思わせ振りな割に、今ひとつ、ノペッとした話。
第3部、2007年の日本。どういう風に落ちるのかと思っていたらこういうことだったとは分かるけど、これまで蒔かれた謎は謎のまま、その意味は語られること無く、読む人に委ねられて閉じる。
ドイツもシンガポールも、それぞれの意味で「少女」が存在しなかった時代に、時空を飛ばされてしまった2007年の少女が現れたことで詳らかになった〈存在〉と〈繋がり〉、みたいな話と思うけど、お話全体としては設定が深すぎて未消化に終わった印象。
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最初の半分はわくわくどきどきの展開でこれからどうなるだろうと期待をふくらませたが、途中から期待に反して物足りない展開になってしまった。また、結末ももう1つ理解できず、中途半端な終わり方になってしまった。でも、私が読んだ桜庭一樹の初めての作品となった。
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時を超えて世界を旅する事になってしまった、17歳の女子高生と、彼女を追う、世界の「システム」の時空管理官たち。
3つの世界で共通するパスワードは、「ブルースカイ」。
第一の箱庭。
舞台は、1627年のドイツ。城壁に囲まれた町、レンスの外れにある水車小屋で、祖母と二人でひっそりと暮らす、珍しい黒髪の少女、マリーが主人公です。マリーは10歳ですが、5歳以前の記憶がなく、また、祖母には何か秘密がある様子。
実は、祖母は「システム」にアクセス出来るのですが、二人はやがて吹き荒れる魔女狩りに巻き込まれ、窮地に陥ります。
そんな時、マリーを救ったのは、突然空から降ってきた女子高生でした。
祖母の正体には、驚きました。後、マリーの両親の名前が気になります・・・。
第二の箱庭。
2022年のシンガポール。
情報漏えいを防ぐ為、外界からはたった1本の橋を通ってしか入れない、セントーサ島で、グラフィックデザイナーとして働く、24歳のディッキー。
彼やその仲間達、何処か中性的な男性達は、同世代の女性達から、「青年」と呼ばれています。
仕事で中世ヨーロッパが舞台のゲームを手掛ける事になったディッキーは、AIを搭載された、黒髪の少女のキャラクターと接するうち、絶滅した「少女」について考えます。
そんな彼が、3Dで昔の映画を観ていると、突然、「少女」そのものの女子高生が降ってきます。
何となく、開発途中のゲームの中の世界が、第一の箱庭っぽい感じがします。
そこがリンクして、「システム」にアクセスしてしまったようだし・・・。
昔は、少女という時期がなく、子供から突然大人になる為、少女というものは近代に生まれた、という話は、前に何処かでも読んだ事があるけれど、面白いです。
第三の箱庭。
2007年の鹿児島。
17歳の女子高生、青井ソラは、平凡に生きている、筈でした。
でも、突然起こった、未曾有の大噴火が、運命を変えてしまいます。
その瞬間、携帯を使用中、即ち、システムにアクセスしていた10代の少年少女たちは、時空の穴に飛ばされてしまいます。
3人の主人公がそれぞれのラストシーンで感じたのは、「繋がり」。そして見たものは、頭上に広がる青い空。
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中世でメソメソしていた姿と、現代の冷めた姿がどうしても一致しない
何にしても、蒼井そらが頭に浮かんで仕方なかった
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時空を飛び越えて彷徨う少女の物語。
めっちゃ消化不良。タイミングが悪いっていうか・・・
とにかく、今の気分では無しな感じ。
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ううう~
だらだら長くて辛かったようう
初期だから仕方ないけど全然進まなかった…
あと表紙はハヤカワ文庫の一面青がよかった。
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高校生の少女が時空を司るシステムに入り込み、魔女狩りが行われていた中世ドイツとテクノロジーが発達した近未来シンガポールに迷い込むお話。
なんていうのか難しいけど、老いとか子供から大人に移り変わる時期をテーマにしている。
中世ドイツでは女の子から直接大人の女性になり、そしてすぐに母親となる。
近未来シンガポールでは、青年は体だけ大人になり心は少年のままである。
現代日本ではそれらの中間(?〕。
桜庭一樹は初(ゴシックは読んだことあるようなないような…)だけど、女性だってあとがきで知った。
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魔女狩り、近未来、現在と1人の高校生がとびまわるお話。
確かに疾走感はあったかも…良い意味でも悪い意味でも。
ちょっと消化不良かなぁ、と。
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それぞれの時代の話をぜひじっくり読んでみたい。ドイツの話も、シンガポールの話も。
それぞれの話が気になるだけに、時をかける少女の存在が中途半端に感じてしまう。
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3つの箱庭、謎の少女、アンチキリスト・・・
1つめの箱庭の舞台や人間像はとても詳細に描かれ、若干長いなーというダラダラ感はあったものの、色々な想像をかきたてられながら楽しめました。
2つめの箱庭は主人公はおろか文体も一変。これはこれで、展開に期待できるなぁと読み進めました。
1つめの箱庭と2つめの箱庭の関連性にこれからどうなる!?謎の少女は!?と期待できるポイント多数。
しかし、最後はなんだか残念な終わり方でした。
もしかして作ることに飽きてしまったのか?と感じてしまうほど、だんだん描写が薄くなっていきます。
期待感を煽るのが巧みゆえの代償としては仕方ないことなのかもしれないですが、読み終わりの感想としては☆2つ。
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たしかになんか尻切れトンボですね。
第1部をあれだけしっかり書いているなら他の話もしっかり書けばもっといい気はする。
っていうかいっそ3冊くらいの分量にしてもいいんじゃない。一部一巻で。
でも個人的にはレベルは高いと思う。
否定する要素はたくさんあるけど、同時に「傑作」であるというのは納得できる。こういう小説が書ける人には期待してしまいたくなると思う。
桜庭さんにこの作品をもう一度構成し直してほしいなー
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表紙惚れしたのと、私が気になってる「GOSICK」シリーズの著者・桜庭一樹さんの作品だったから読んでみました。
1627年のドイツ、2022年のシンガポール、そして2007年の鹿児島と、3つの場所と時における少女の物語。
不思議な読後感でした。
解説を読んで、はあなるほどって思ったけど、桜庭さんのテーマはどうやら「少女性」みたい。
正直、「これがこーしてだからこーなった」みたいなハッキリしたエンディングを求める人にはおすすめできないかな。
私もけっこうそういう傾向があって、「マリーはどうなったの?」とか、「黒尽くめの彼らについて詳しく!」とか気になっちゃう。
けど、こういう不思議なかんじ、きらいじゃないかも。
…若干消化不良感が残るけど。
1部と2部が微妙にリンクしているようで、偶然のようで。
3部で「少女」のなぞがちょっとだけ明かされるような明かされないような。
1部だけの長編が読みたいなー。
あ、あと。中世の「子ども→大人」については以前東大入試の現代文(何年だったかなあ…)で見た文章を思い出してなつかしくなったので引用させていただきました。
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今までの桜庭さんとはちょっと違う感じがします。
女子高生が過去、未来、現在を旅するような
でも
あんまよくわかんなかった!!
すません!
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一気に読んでしまった。ハッピーエンドではない。
考え方は非常に面白かった。
でもブルースカイの少女を思うとなんとも言えない気持ちになる。かつて自分も通った時代を思い、そこで終わることをかわいそうだと思えるとは、何だかんだで私もいい人生を送っているのかもしれない。
まぁブルースカイの少女本人は受け入れているので…いいのかな。いや、よくないか?でも…
という感じ。
面白かった。
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早川書房版を読んだのはいつだったろうか。高校生の時か。その時は、この作品だけは桜庭一樹の中で、理解できないというか、好きになれなかった。
今、文春文庫版を手にとって。やはり人の感性はかわっていくのだなぁと改めて感じた。
特に第二部、ディッキーの終末、崩壊に対する思索は、多分に桜庭一樹本人のものが投影されている。少女性についてもだ。無力だからこそもがき、カルチャーを生み出す時代のクリーチャー。近代の産物。桜庭一樹の根本を理解する上では良質なテクストだ。
再びこの本に出会えて良かった。青い空を探したこの本に。