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内容(「BOOK」データベースより)
久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町…。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃!旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ご存じ、写真のエイゾー君と、讃岐のディープなうどん紀行には、安西水丸画伯も飛び入り、ムラカミの旅は続きます。
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春樹の紀行文集。
高校時代に読んだが、今、一章だけ読み直す。
「讃岐・超ディープうどん紀行」という章をね。
そういえば、春樹は小説しか読んだことがないという方。
彼の紀行文は秀逸です。僕は彼を日本一の紀行文の名手だと思っています。
一度読んでみてください。
文章一つ一つから染み出てくる旅情に浸るのはとても気持ちいいです。
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▼2008/08/02ブックオフ堀之内店にて購入。
【2008/09/12編集】
▼イースト・ハンプトン、からす島(山口県)、メキシコ、香川県、ノモンハン、アメリカ大陸、兵庫、などにまつわる文章。
▼村上春樹作品の背景、というか、「村上春樹というテクスト」に少し触れられたような気がする。
▼例えば、表面的なところからいうと、からす島における全裸での日光浴(p.34)は『海辺のカフカ』において主人公が真っ裸で日光浴をするシーンそのものだし(文庫版、p.321)、そもそも『海辺のカフカ』の舞台として四国が出てきたのは香川県にうどんを食べに行ったからじゃないかとさえ思う。僕の中にあった「小説てどのように書くんやろ、どうやってその描写を行うんやろ」という、ほとんど答えは出ていたけれど確信までにはいたらなかった疑問が解決された気がする。自身が経験したことのある事象を織り込むことで、文章全体の説得力が増すのではないか。想像だけで書かれた部分と、実際の経験が混じり合うことで、文章全体の説得力が増すのではないか。
▼表面的なところではなく、内面的なところについても言うと(「内面的」は「表面的」の対義語ではないと思うが)、この本が書かれたころ(この原稿が書かれた頃)、村上春樹の中に「暴力」といったテーマがあった、なんてことを読んだりすると、いま読んでいる「ねじまき鳥クロニクル 第1部」なんかもその味が出てくる。それと同時に、「はいはい、わかったってば」という気になりさえもする。
▼今回の村上春樹の事例に限った話ではないが、作者に触れるという行為が作品に触れる行為にひどく影響するということを学べた。
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この本を読んで、「うどんツアー」がしたくなりました。
とってもうどんがおいしそ〜に書かれている。
読んで企画した当時、サーズがはやって四国にいくツアーが企画倒れとなりました。
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やっぱり旅行記はいい
旅に出たくなる♪
村上春樹がバッパーだったとは知らなかった
メキシコやモンゴルの話はもちろんのこと、
香川の讃岐うどんの旅はディープだ
まだまだ見てないものがいっぱいあるなぁ
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普通の旅行なのに本当におもしろい。
奇をてらった、秘境の旅本を見るよりも、普通に旅している中で拾い集めた出来事って、
なんと面白いのだろう。
メキシコ。
バス移動の5、6時間だかの間に僕の耳に入ってくるのは、
ちゃんちゃかちゃんちゃかちゃんちゃかちゃんちゃか、テキエーロ、ミアモール、ちゃんちゃかちゃんちゃかちゃんちゃかというあの果てしなきメキシコ歌謡曲ということにあいなったのだ。
ほかにも讃岐うどんや、中国など、
村上春樹のもっている感受性や観察する力を存分に発揮しているみたい。
思わずにやっとしてしまう。これが本を読む楽しさのひとつだ。
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写真との組み合わせが大変良い。
友達が少ないとあちこちの本で読むが
息の合う人を見つけるのが上手なのだろうな
と思う。
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友達が「春樹のは小説より旅行記の方が俄然おもしろい」ですと。だよねー。
この夏は旅の計画なんか立てなかったけど、色んな意味で旅みたいになってしまった。ほんとに。
最近本読まない。去年は100冊も読んだのにね。だからって、「今年も100冊や!」とか言って本を読むってことはしたくないけど。
でも読まないことでいろいろ気づくこともある。ひとつは、それまでの本の読み方(向き合い方)が、〈本を読む〉というところに至っていなかったかということである。何か読んでるというよりかは、ただどうやって字を追うかとか、どうやって理解していこうかとか、そういう読書法のようなことばかりに意識が行って、肝心の読書がおろそかになっている感じ。それはそれで、おもしろいことを思いついたりするわけだけど、よけいなことに気をとられて頭でっかちになりがちである。本を久しぶりに読むことで、そのような違和感を感じ得た。
ギターを一年やって、ようやく体を動かすだけじゃギターは弾けないということがわかりだした。体を動かすことは演奏にとって重要なことだけど、そこが先に立ったら行けない。感性だとか言うものを中心にして、音の響きだらなんだらを創造すべく、然るべき体の動きを編み出すのだ。本を読むこともそれと同じで、感性を中心に、然るべき読みを行うのだ。
でもそれは成長の段階として当たり前の事だ。改めて痛感した。まずは体を型にはめてみなければ感性も行き場を失う。こういう事を考えるにいたったのだって、体を必死に型にはめてきた故だ。型について考えたら、型のないものについても考えたくなる。「物理的なことであると同時に心的なことなのだ。というか、心的であると言うことはそのまま物理的なことなのだ。(P289)」みたいなね。
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香川において、「うどん」は
イベントの花?であり、飯のたねであり、話のたねでもあるのだ。
他県の人に言わせれば、
「ほかに自慢するものないのか?」
「じゃあ食べに行こうじゃないか」と話がまとまり
2泊3日の「うどん三昧の旅」の旅行記を書いているのが
『辺境・近境』(村上春樹著 新潮文庫)
この本に収められている他のタイトルが
「イースト・ハンプトン」
「無人島・からす島の秘密」
「メキシコ大旅行」(他4点)などだから、それに匹敵するほどの未開拓地
としての「讃岐うどん文化」と捉えればいいのか。
最初に入ったうどん屋。
「店に入るとまずおろし金と長さ20センチくらいの大根が
テーブルに運ばれてきた。」
やっぱり、初めての人はびっくりするかも知れない。(笑)
まんのう町にあるこちらのお店・・・
普通だけどなぁ。おいしいけどなぁ。(笑)
『讃岐・超ディープうどん紀行』の旅はこうして始まった。
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メキシコや、モンゴル、無人島に神戸、リックを背負っての7つの旅のエッセイです。
村上春樹からちょっと離れていた時期があって、「ねじまき鳥クロニクル」と「スプートニクの恋人」を割と間をおかずに読んだんだけど、その時になんか変わったなと思った。で、これを読んでなんとなく変わった要因みたいなものを感じた。
「僕らは今、何故このように深く、そして絶え間なく、暴力の影に晒されているのだろう?」という疑問というより感慨は、結局どこに行っても付きまとうのだ。そして、それにはサリン事件と神戸の地震が、深く影響している。
全てにきちんと向き合っていこうとする姿勢が、相変わらずで私は好きだ
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「無人島・からす島の秘密」
このエッセイを読んでいるときに、ちょうど無人島バーベキューの企画を立てていたので、日が落ちた後の虫の描写は背筋が凍りました(笑)
「讃岐・超ディープうどん紀行」
ひたすら中村うどんへの夢が膨らみます。
「神戸まで歩く」
ここでの「世の中には故郷にたえず引き戻される人もいるし、逆にそこにはもう戻ることができないと感じ続ける人もいる。」の一節に、数年前、幼少時代に住んでいた神奈川の土地と家をフラリ訪ねたときのことを思い出しました。
そこで変わっていたのがアパートの外壁(塗装)程度で、ちょっぴり安心したのも束の間、友人の経営していたお店が取り壊されるわけでもなく、廃屋になっていたのはちょっぴり心に突き刺さるものがありました。
ま、わたしだけじゃあないのよね。ということで。
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-いわば「いくぶん非日常的な日常」として旅行を捉えるところから-
讃岐うどんを食べ続けることも、神戸に歩いていくことも、メキシコのド田舎にいくことも、ノモンハンにいくことも、ニューハンプトンにいくことも、同じレベルで、淡々と、「え、これって作家さんじゃなくて普通の人の旅日記?」みたいな軽さで書かれていて・・・親しみやすいなあ。この親しみやすさでついつい興味のない場所への旅も読んでしまうし、旅にでたくもなる・・・。
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しょんぼりな無人島、香川のうどん旅が好き。
メキシコ編は読みながら思わず拳を握ってしまうくらいハラハラ。
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ごめんなさい、アメリカ横断のくだりからとばしとばし読みました。
メキシコのバスの中でいきなり警備兵が乗ってきたり
作家の土地に訪れたり(この話はすき)
香川にうどん食べにいったり(うどん食べたくなった)
無人島にいったり(無人島って大変なのね…特に虫。)
どれも普通の旅行記ではない印象。
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昔読んだことがあるんだけど、あまり覚えてなくて、もう一度。
旅行記です。
アメリカ横断、メキシコ縦断、瀬戸内海無人島滞在記、讃岐うどん食べ歩き、などなど。
阪神大震災の2年後、故郷である神戸を歩いた話も印象的です。
やりたかったことがことごとくダメになっていく、無人島滞在記が実はいちばん面白かった。