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設定や世界観はいいし、キャラもワトソン、アリョーシャ、ヘルシングなど有名なキャラが多く出ててそれだけでワクワクする。
だけど、いかんせん読みづらいと感じた。
造語や専門知識なんかが多く出てくるので多少は仕方ないこととも思うが、戦闘シーンなど盛り上がるはずの場面でもわかりにくい描写が多くなんだか素直に楽しめなかった。
私がSFを普段あまり読まないせいかとも思うけど…うーん文体が私には合わないのかもしれない。
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これは伊藤計画ではないだろう。しかし、伊藤計劃の書きたかった可能性が集まったような一冊だった。
この物語ふうに言うのであれば、本というものは真にありとあらゆる情報が物質化したものではないだろうか。紙の上に走るまっすぐや曲線こそが私たちの見えない世界を見せる未知のXであるかのようだ。
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文学•映画作品を時代設定に織り交ぜた構成に、すごい!と前半は感動。
残念ながら後半からイマイチ入り込めず。特に、私は戦闘シーンが消化不良を起こし、すごくもったいない感じ。
遺作のコンセプトを引き継いだためか?それともこの作者の文章に慣れていない私の責任なのか?
とりあえず、作者の別作品を購読しようと思う。
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※暴力及び流血描写、性表現の含まれる作品です。
【印象】
復活する"存在しなかった19世紀末"。
煙に巻かれたい人へお薦めします。
【類別】
小説。歴史改変、オカルト的ファンタジー、人物/事物引用、少しSFでスチームパンクの要素。
史実と虚構、その両方に取材しています。故に実在と架空の区別無く、過去の人物や組織その他がふんだんに盛り込まれています。
【構成等】
序章と終章を除けば三部。各部で別の地域を訪れます。
荒唐無稽な点へ後々に多少の論理が与えられたりもします。
【表現】
地の文は一人称視点。
表現は主として平易であり、専門知識は不要です。
【備考】
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』をはじめとして様々な古典作品の内容と関連付けられています。それらの"ネタバレ"を含んでいるとも言えます。
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フィリップ・K・ディック特別賞を日本人として初めて受賞しながら夭逝した偉才・伊藤計劃の遺稿を、同じく2人目の受賞者であり盟友でもある円城塔が完成させた珠玉の大作。SFでありながら過去の時代を描いており、当時を舞台とした著名作品のキャラクターや実在の人物も出てくるパスティシュ的な世界観が独特です。
舞台は屍者復活の技術が全欧に普及した19世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となりアフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワン(フランケンシュタイン)を追い求めて世界を駆ける…というなかなかぶっとんだ内容。
すごく面白くて、著者の伊藤氏へのオマージュも強く感じる素晴らしい作品。原作者は常に生と死をテーマとして考察を重ねる作風だけど、この作品ももれなく根底に深い命題が流れており、円城氏はよくぞここまで仕上げてくれたと思いますわ。でもひとつだけ、ひとつだけ不満があるの。それはね、ワトソンとあの女性まで登場させておきながら、ホームズさんが出てこないこと。シャーロキアンとしては期待しちゃうじゃんかチクショウ!
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地名や専門用語などがバンバン出てきて読みづらいけど、面白い。映像化したらわかりやすいと思ったら、されるのか。
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2013年の本屋大賞ノミネート作品。
私には難しかった……。
物語が頭の中に全然入って来ないし、追いついて行かない。
設定が19世紀末って所が惹かれたけれど、内容が頭に入って来ないから全然楽しめなかった。
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「言語」に関する問いは『これはペンです』を想起した。聖書の引用が多い。宗教関連の知識があれば、引用の巧みさや比喩を深く理解できるだろう。屍者の利用は物語としては面白いが、現実にはあり得ない。気味の悪さが先立つ。屍者は屍というより人体を模倣したロボットと捉えると現実味が湧く。ワトソンの結末は物語の連続性を生かして『屍者の帝国』と『シャーロック・ホームズ』を繋げたと推測した。前者のワトソンは、最後の決断により上書きされ後者のワトソンへと成ったかXがつくる後者の文脈の世界に組み込まれたのかもしれない。
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労作ではある。しかし良くも悪くも円城塔氏の小説であって、伊藤計劃氏の書く類いものではなくなっている。帯には合作とあるが程遠い。こういうペダンティックな作りは嫌いではないが。
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ー屍体()
虐殺器官、harmonyと物語を繋いで、なぜ伊藤計劃が3作目にこの話をもってきたか。
明らかに文体が変わる。
文字通り屍体。
全て読み終え、少し理解できた
会いたかった、もう一度
これは円城塔から伊藤計劃へ贈る物語
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SFを楽しむには予備知識が必要であることを思い知らされた。よくわからない部分もあったのでまた、しばらくして読み返したい。
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ちょっと難解な部分もあったが面白い作品だと思う。
着眼点が何とも良い。「たられば」だがオリジナルが出来ていれば、どんな作品になったのだろう。
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2015年6月27日読了。
プロローグ部分まで執筆した伊藤計劃氏の後を受け継ぎ、円城塔氏が書き上げた小説。19世紀末のイギリス・日本・アメリカを舞台として繰り広げられる冒険活劇小説といった感じか。しかし、そこには「屍者」という産業革命のような技術革新が有り、世界は変貌している。つまり、歴史のifを扱っている小説でもある。
途中、レビュアーの事情で、読書を中断していたのだが、少しずつ読み進めてやっと読了。
これで、「虐殺器官」「ハーモニー」ともに3冊読み終わったので、アニメ映画が楽しみである。
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広義にはアンドロイドとロボットは同じものを指すのだという。本書に登場するのは屍者であるが、屍者とアンドロイドではどちらが先に実現するだろう。
冒頭を書いたところで早世した伊藤氏はどんな構想をもっていたのだろう、円城氏が引き継いで上梓にこぎつけた本書は、歴史やSFの知識動員的小説となっており、読者にそれなりの教養を求めるのかもしれない。
伊藤・円城氏の作品には、本作で初めて接したのだが、事前知識があったほうがよかったのかもしれない。
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イマイチだった。文体が大げさでクドく、引用が多すぎて冗長(特に前半)。
ザ・ワンの目的が奥さんの復活だったのでは、とか、無駄に壮大な話が持ち上がった後になんかスケール小さくてがっかり。
一番なんかなあと思ったのは、SFならではの世界観や舞台装置のディテールが荒かったこと。霊素という情報媒体の具体的な説明がないのや、魂=菌株の結晶を「ある特殊な方法で作った」で片付けのは白けた。
唯一おもしろみのあった「人間は言葉という菌株の触媒であり解読機関」という発想も、バロウズの「ノヴァ急報」とかで見たことがあるし、とりあげるなら発想の提示だけじゃなく考察を掘り下げて欲しかった。