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「ただ飯」という言葉から、福祉事業、とか、生活に困っている人たちのために行っている何かの事業だろうか、と思いながら手に取った。
むしろ、そういうものを超えた、いろいろな人の“ふつう”をふつうに受け止めるための場所づくりの本だった。小林せかいさんはこれを「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」と呼ぶ。そして小林さんはそれを食堂、という形で実現しただけだと。
ものすごい偏食だったこと、高校時代の家出のこと、SEとして働いていたことなどの経験とかなんとなく感じた違和感を突き詰めて考えて解決策を考える姿勢とかがしっかりした軸になっていてすごい。
「誰もが受け入れられる場所」なんてビジネス的にはありえない、と言われて、この「誰も」の基準を強い人ではなく弱い人に合わせて食堂の運営に組み込んでしまう、というところに共感。図書館もそうでなくてはいけないと私は思う。
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タイトルに興味を持って読み始めましたが、想像以上に面白かった!まかない、ただめし、あつらえ、さしいれ――どれも変わった試みだなと思いました。メニューは1種類だけで、同じものは基本的に2度と作らないので毎日が本当の「日替わり」というのも面白い。毎日通いたくなりますね。しかもメニューをお客さんにアンケート取りながら決めていくっていうのも面白い。50分働くと1食分がもらえるまかない、それを食べずにただめし券にして他の人に使ってもらうというのもとても素敵なアイディア!あつらえも、自分のためだけに作ってもらえるというのは嬉しい。でも、あつらえは毎回行っているというよりは、ケースバイケースで、相手の欲しているものを察して、あつらえ以外の形を提案することもあるよう。一人一人を大切にしているという気持ちが尊いなと思いました。さいいれは、半分店に置いていけば持ち込み料はかからないというしくみ。だれかが差し入れてくれたものを飲みながら、見知らぬその人に思いを馳せるというのも美しい。ほおっておく接客というのは、嬉しい。あれこれ聞かれたりすることもなく、話す元気もないような時でも、初めて会ったように接してくれるというのは気が楽です。でもさりげなく目配り気配りをしてくれるっていうのが一番居心地が良いかも。どんな自分、どんな状態であっても、ただ、受け入れてくれる場所。なんて素敵なの!行ってみたくなりました。
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子ども食堂の話と思っていたら違った。
著者の違和感は頷けた。
サロン18禁というアイディア、善いものではなく必要とされるもの、精神的飢えを満たす場所というコンセプトは興味不快。
ただめし券やまかないさんというシステムを取り入れて、新しい居場所としての存在は新鮮だった。
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素敵な発想とビジョン,実現への確固たる意志と行動力に驚きました.これならたくさんの人が支持する理由もわかります.またこれからもどんどん進化していくのではないかと楽しみです.
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仕組みの落とし込み方がエンジニア的でありながらも、理想をきちんと追求できていることは素晴らしいなと。
特に第3章は好きです。コンセプトだけじゃだめですね。
良い事のパッチワークになっていないか?共感を得ること自体が目的化していないか?この辺りはアイデアを生み出す上で常に問い続けないといけないなと思いました。
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未来食堂で一食無料に惹かれ購入。いや、せかいさん凄いわ。自分の理念を簡潔にあらわす文章力。実際に起こったことを想起させる記述力。
並大抵ではない。
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【あるもので無理なく】
ゼミが終わった日の夜に図書館に行って本を探していた。本当は何の目標もなく、この本が一番目立つの場所に置いてあるからこれを選んだ。
著者の小林さんは今千代田区に「未来食堂」という定食屋を経営している店主だ。その店はいくつのほかの店がない特別のシステムがあるからとても人気がある店だ。小林さんが店を経営する理念は普段料理人がよくある『このおいしさをもっと多くの人にシェアしたい』ではなく、『だれも受け入れられ、だれもがふさわしい場所を作る』という理念で「未来食堂」を作った。
ユニークなシステムは主に四つある。①まかない(一回来たお客さんがお手伝えさんになれる)②ただめし(五十分の手伝え一食無料券をもらえる、自分でも他人に譲っても構わない) ③おつらえ(客さんに要求に応じて小鉢を作ること)④さしいれ(ドリンク持ち込みは持ち込み料金ゼロ円、ただし半分は店に預ける)こういうシステムを一見見ると戸惑うかもしれないが、本を読むほど小林さんの考えは明らかになった。
そのすべてのシステムは今社会中の一人一人に絆をつながる方法だ。他人の善意がほかの知らない誰かに届ける。知らない人が店に預かった酒を飲みながら、その人に感謝する。そしてその感謝を誰かに届ける。小林さんがそのような螺旋的な時間差がある善意の循環を作った。そしてあつらえは、どんな人でも、どんな要求でも自分ができる限り答えする。重要のはもう料理ではない、心と心の間の交流になるんだ。そしてこの食堂が提供するのはただの体の養分だけではなく、心の養分と思う。
「あるもので無理なく」一見見れは誰でもわかる理屈だけど、実現するにはなかなか難しいだと思う。そのような基本の中の基本をきちんと身につかなければ、いくら美しい夢でもいつか水の泡になる恐れがある。すべての大胆的な考えはそれを基の築くものだ。だから言いたいのは夢を叶える時必ず基礎をしっかりすることが一番大事なことだと思う。「あるもので無理なく」このシンプルの理屈の中に一番シンプルなものは必ず君の夢に支える一番強く力になれる。
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オペレーションの効率化、どこでも儲けて、どこで自分のやりたいことを実現するかがしっかり考えららている。
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”未来食堂 小林せかいさんの2冊目の著書(初の書き下ろし!)。
せかいさんの思考過程が、前著より一層公開されていて納得感がふかかったです。
「おわりに」では、目頭が熱くもなりました。せかいさんからのバトンを渡された気がして…。新しいことを始めたいと考えている方は、きっと元気をもらえると思います。騙されたと思って、ぜひ読んでみてください。
あと、日経WOMAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー「食ビジネス革新賞」の受賞、本当におめでとうございます!!
<キーフレーズ>
・ただあるがままにその人を肯定する。そんな信念を持つ場所が未来食堂意外にもたくさん出来ていたら。
そんな未来になっていたら、とても嬉しい。
私は、そんな未来にいたいです。あなたとね。
<きっかけ>
CMC読書会にて、目次を事前公開していただいた本。ウーマン・オブ・ザ・イヤー発表の日に出版。”
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「芯が強い」が文章からひしひしと。まかないやただめしなどシステムも凄いがそれを実行してしまう強さ。世間の良いに流れず自らが持つ正解を人のために形にする凄さ。自分の良いを社会でそのまま出して勝負する姿はかっこいい。そんなシブい食堂。
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誰もが受け入れられ、誰もがふさやしい場所
という理念。
マジョリティーが良いと判断するものではない、というのが味噌だと思った。
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帯表
「日経WOMAN」ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017受賞!!
店主1人、客席12席の小さな定食屋から、未来の“ふつう”が生まれている。
その超・合理的な運営システムと、ちょっとした非常識。
削ぎ落とした果てに見えてきた、業種を超えて注目される“起業”の形。
メニューは1日1種だけ。
決算、事業書は公開。
帯裏
ちょっとしたおかずのリクエストができる
「あつらえ」
一度来た人なら誰でも店を手伝える
「まかない」
誰もやったことのないアイデアを形にするということは、誰もやっていないゆえに普通とは違うわけで、イコールそれは弱点にも成り得ます。
だからきっと、「やらない」理由はいくらでも思いつくでしょう。
でも「やらない」と決めるのはぎりぎりまで待ってみませんか。
あなたのアイデアを形にできるのは、あなたしかいないのです。(本文より)
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一日で読めました。読みやすい!!
せかいさんのアイディアのバラエティの多さに驚いた。でも、それは周りの方の声を聞く姿勢、人の感情をよく読み取られてるからこそのものだと思った。
優しくて、面白い世界を作られてるせかいさん、尊敬。
ただめし、まかない、あつらえ、さしいれ、どれも試行錯誤されながら良く練られてる。
心に響く言葉もたくさんあった。
今の仕事に役立つ考え方をたくさん吸収できた。
\(^^)/
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神保町にある未来食堂のオーナーの本。日替りのワンメニューにし、お客さんをバイトに使って報酬は賄い券。いらないと言われた賄い券でただ飯を提供する、など全てが独創的。ユニークな思いつきをとことん理屈っぽく商売に落とし込む過程が面白い。一度行ってみてあつらえや持ち込みもやってみたい。
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神保町にある「未来食堂」のユニークさはこれまでもメディア等で見聞きして知っていたけど、こうして店主本人の書いた本を読むとその見事さはほんとに痛快。
何か問題やうまくいかないことがあるとき、小手先で変えるよりも一から見直すほうが一挙両得・一石二鳥・三方よしな解決策が出てくると思っているんだけど、未来食堂の「まかない」や「あつらえ」、ただめし券といったシステムやその裏にある考えを知ると、物事何でもうまくいく方法は生み出せるものだなと思う。
最近読んだ山口周さんの本で、かつては問題解決力が重視されたけど、問題解決法がいろいろあるいまでは問題提起できる能力が重要みたいことが書いてあってうなずけたものだけど、未来食堂の例はそれと似ているようで違う文脈のような感じがする。いってみれば問題提起から問題解決まで一貫している、不可分という感じ。自分に引きつけた問題意識に端を発し、それを解決できる方法をとことん考えた末にできたものだから。だから、未来食堂のシステムって爽快感があるんだなって思った。