投稿元:
レビューを見る
読み始めた時から、読み終わりたくなかった。
とても切なく、重く、のしかかる。
血と油にまみれた夫婦の壮絶な物語。「入らない」物語。
私の持つ言葉では、とうてい言い表せない。
今年一番の本を見つけたかもしれない。
やっと感想書けました。
http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-1382.html
投稿元:
レビューを見る
どうやら「入らない」らしい。
それが何かの比喩でもないことまでは
知っていた。
最初に話題になったときは
あまりのタイトルの衝撃度合いが気になり
手に取ることができなかったが、
漫画化も決まった今日なら
エロじゃないことは分かって貰えるだろう。
さて、どうして入らないか?
全くの予習なく読み始める。
こ、これは……
全く先の読めない展開だった。
一言で言うと「可哀想な主人公」。
「入らない」問題は序の口に過ぎず、可哀想な出来事が次々起こる。
誰か助けてあげて!と思うし、解決しろよ!とイライラもする。その出来事の一部は私達にも起こり得る問題だと思えるから、読んでいて辛くなるところもある。最後に用意される救いも、果たして救いと呼べるのか。でもこのメデタシメデタシ感がないのがいい。
丁寧な書き方なのでフィクションとは分かっていても筆者の体験なのではないかと心配してしまう。それくらいのめり込んで読んでしまった。(※後から知ったが、実際に筆者の半生らしい!)
久々に心を揺さぶられる本を読んだ。
面白かった。おすすめです。
ちなみに素晴らしい装丁のため、表紙のタイトルは非常に分かりにくく書かれており本棚に並んでいても大丈夫です(笑)
投稿元:
レビューを見る
なんというか、救いようがなく絶望的で悲しくて暗くておもしろい。
これを読んで「病院に行けばいい」とか「倫理」とか「正しさ」を持ち出すのってナンセンスというか無粋な感じがする。
投稿元:
レビューを見る
衝撃の話題作。その言葉に惹かれて買ったけど、私にとっての一番の衝撃は、こだまさんの旦那様が、本のことを知らないこと。夫婦の、話し合った歴史ではないこと。問題は今も、続いているのだろうか。そうではないことを、願う。
投稿元:
レビューを見る
すばらしい。タイトルに誘き寄せられた俺のような下世話な野次馬根性の読者を真正面から受け止めるだけでなく、敢然と打ち返しながらさらなる深みへ、静かに、静謐に今現在の社会のあれやこれやも抉り出す、ミニマルでノワール風味な私小説。タイトルと美麗な表紙デザイン、異質なあとがきのすべてが必然性を持つ傑作。
投稿元:
レビューを見る
どんな本がおすすめ?と聞かれたらこれを勧めたい。
けど、タイトル言うのは少し憚られる(笑)
一気に読んでしまう感じ。
途中、何度も辛くなって涙を流して。
それでも読みたくなる感覚。
このご夫婦ってほんまにすごい。
色んな苦難を2人で乗り越えてきたからこその絆。
あー、なんだろ…言葉にできない。
今年は始まったばかりだけど2017年のナンバー1に決定。
投稿元:
レビューを見る
人には言えない苦悩がつづられています。衝撃的なタイトルですが、読みやすい文章であり、のめり込んで読むことができました。
投稿元:
レビューを見る
なし水を何度も何度も読んでいたのに、思ってたより加筆が多くてまた初めて読んだ気分でどきどきした。
わたしは語彙力がないから感想をうまく言えない。心を揺さぶられる、心に染み渡る、ひきこまれる、人生の断片。
こだまさんからしずかにこんこんと湧く澄んだことばをこれからもずっとずっと見せてほしい。
投稿元:
レビューを見る
このタイトルの本に、こんなに胸を打たれるとは。
正直言って、辛い。人と身近に接することに苦手な作者がそばにいても大丈夫なただ一人の人と出会えたというのに、身体でつながることができないなんて。
いや、心がつながっていれば大丈夫、ともいうけれど本当にそうなのか。
この2人がともに過ごした年月の長さが、その「大丈夫」だと言えるまでの困難さを物語っていると思う。簡単に言えるほど「大丈夫」なものならもっと早くになんらかの結論が出せていたのじゃないか。
信頼し合い必要としあっているのに言えないことがある。一番大切な人だから一番大事なことがいえなかったりもする。そんなあれこれをようやく乗り越えたのだな、と。
これはただ単に夫のちんぽが入らない夫婦の話、ではなく自分以外の誰かをきちんとまるごと認める、もしくは共感できなくても受け入れる、その大切さを教えてくれる一冊なのだ。
投稿元:
レビューを見る
衝撃的なタイトルゆえに書店で手にするのも勇気が出ず、
図書館でリクエストを出すのにも勇気が入り、
図書館に入荷した所をすぐさま予約したのだが、手にしたのは4月末になってしまった。
夫のモノが入らないというだけにとどまらず、教育現場が抱える問題や、社会での人間関係、子供が居ないという事に対する世間の目。
わずか195ページの中に、いろいろな問題が詰め込まれていた。
私自身も実母との関係、夫との間に抱える問題、肉体的病の数々、子供の居ないことに対する世間の目など、いろいろとあり一部自分と重ねてしまい、読んでいて苦しくなった。
心を病み、死まで考え、そこからなんとか這い上がって、著者の今があるのだろう。
RPGのように「試練」を乗り越えた後のエンディングがハッピーでありますように。
「終わりよければ、すべてよし!」
辛かった日々を乗り越えて、最後に笑える人生を送れたら・・・・
そんな希望を心に持って、今日も精一杯生きていく!!
投稿元:
レビューを見る
確かにちんぽが入らないある夫婦の、性生活が成り立たない話でもあるが、いわゆる普通に働くとか普通な家族に「入らない」、いや「入れない」話でもある。
「普通」なんてものはないのだがみんなのその共同幻想みたいな形があると勝手に思い込んでいる。僕らはそこから逸脱することに外れることを恐れている。主人公であるこだまさんとその夫はそのことからある意味では逃避する。できないことはできる人やことへ代替行為に転換するしかない、そういうふたりの二十年にわたる話なのだが、読むことでなにかに悩んでたり病んでしまった、病んでいる人たちの癒しというか救いになるだろうし、その側面は間違いなくあると思う。
雪だるま式にもっと広がり売れていく一冊になると思う。読みながら『統合失調症がやってきた』を思い出したりした。
ぼくらはこうならねばいけない、世の中はそうなっているみたいなことに惑い踊らされて、冷たいナイフが知らぬまに背中に突きつけられている。だから、その枠からはみ出さないようにして自己保全に向かう。しかし、その刃先は背中に当たってるだけで差す気はないのかもしれないし、駆け出してしまえば刃先は届かないかもしれないし、やっぱり追い付かれて突き刺されるのかもしれない。それはすべてのことが関わるのでみんな同じ結果にはならないのだが。
しかし月日が経って笑える話になってもその当時は笑えないからなんとか生き延びるしかない。このタイトルが今年前半の出版界での大きなトピックになるんだろうな、普通の私小説は今年これにはもう勝てないと思う。
投稿元:
レビューを見る
夫のちんぽが入らない。
インパクトがまずすごい。
この題名を見ただけで、おそらくはこういう内容の話なのかな、と誰しも考えるが、その見当は少なからずあたっているが、はずれている。
ひとりの女性が経験した20年。
決して短い期間ではない。
決してたやすいものではない。
田舎の集落から地方都市部に進学した18歳の「私」は唐突に(ほんとうに唐突に、)ひとりの男性と知り合い、恋に落ちる。
初々しいこだまさんとのちに夫となる彼の日々が、とてもとても可愛らしい。
そして、タイトルにもなっているある問題に直面する。
ちんぽが入らないのだ。
「入らない」ことから派生してゆくあらゆる問題。
男女の関係、家庭内の問題だけにとどまらず、職場でのトラブル、親とのこじれ、体の異常、夫の不調…
いろんなことが総動員してこだまさんを苦しめる。
それでもひとつだけ揺るがない、夫との生活。
夫と生きる。すべてを隠しながら、夫の秘密をこっそり確認しながら、ふたりは一緒に生きていく。
わたしは、こだまさんの自筆のあとがきに書かれた、今際の際に家族にこの本を差し出すという決意を、いつも強い気持ちを出せないで苦しんでいたこださまんの底知れぬ強い意志を、全力で応援したい。
もしかしたら、ご主人は知っているかもしれない。と、一読者のわたしは考える。
ポイントカードをみて、いつ指名サービスを受けられるか把握している妻のように、密やかに更新されるブログや、東京での活動、この本が発売されるまでの、そして発売されてからの動向すべてをもしかしたら、知っているかもしれない。
知らないでいてほしい。そしてまんがいちのときは、お互いに知っているということをずっと知らないでいてほしい。
神様がなぜこのような試練をふたりに与えたのか、誰にもわからない。
わからないけれど、20年。
一緒にいることは、入るより、むつかしいかもしれない。
ご主人がこだまさんに時々渡す言葉の端々に愛情があって、こださまんもきちんとそれを受け取っていて、ふたりの結びつき、関係性がとても素敵だとおもう。
こんなに心の純粋な夫婦のかたちを目撃できたことを誇りにおもいます。
投稿元:
レビューを見る
題名を見て、冷やかしでもいいから手にとってみて欲しい。
世の中の『当たり前』が当たり前ではないこと。
わたし自身が、野生のゴリラの寿命を超えたこと。
ジョンソンベビーオイルの万能さ。
色んなことを思う一冊だった。
投稿元:
レビューを見る
「なし水」に寄稿された原作には綴られていなかったこだまさんと旦那さんの半生、思いを、ここまで深く書いてくれて、ここまでの本にしてくださってありがとうございます。
こだまさん、あの時ガードレールを乗り越えないでいてくれてありがとうございます。
私はきっと、旦那さんのご両親や、母親である同僚たちや、保険外交員と同じ。自覚なしに人をたくさん傷つけてきた。絶対。
こだまさん、こんな人間にもこだまさんの思いは届いてますよ。こだまさんの心の叫びを胸に刻んで生きます。
投稿元:
レビューを見る
タイトルが強烈なだけに、ちょっと期待しすぎた。出オチ。深刻なテーマなのに、そんなに重くならずに読めたのはところどころユーモアな文章があるからかな。
好きな人のモノだけ入らないなんて不思議だけど、単純になんで入らないのか気になる。キングのサイズがでかいからなのか?
自分はやっぱり好きな相手としたいし、子供も欲しいけど、精神的な結び付きが強い夫婦には憧れる。