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紙の本
動物文学の傑作の再販です
2007/05/12 16:40
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かっこいい、狼の装丁で、新刊本かと、思っていたら、(←文学の知識なくてすいません)
動物文学の名作の再販本です。
北米大陸を生きた、狼と犬とのクォーター
(1/4犬の血が入っています。お母さんが、犬と狼とのハーフです)
”白い牙”のお話しです。
上述した犬と狼とのハーフである、白い牙のお母さんの
前日譚みたいな意味合いもある、冒頭のエピソードが、凄い迫力で
文学と言うより、まるで、冒険小説です。
犬橇のチームが、狼に追跡され、襲われる話なのですが、
橇ひきの犬が、一匹一匹襲われ、人間側も銃の弾が少なく殆ど対抗できません。
で、間一髪のところ、、、という
この冒頭のツカミは、本当に凄い!!。
(この犬橇のさらわれた、犬が、白い牙のお母さんを生む原因というわけです)
白い牙は、最初狼として生き、狼の社会で育てられるのですが、
その後、ネイティブ・インディアンに飼われ、
あまりよくない白人に闘犬として、飼われ、次は、
いい主人とめぐり合い、西海岸まで行きます。
白い牙が、どんなことを考えているか、綿密に書かれていて、
あまり入り込みすぎて、こんな風に、動物は、果たして考えているのだろうか、
と、思わなかったことは、ないけれど、
犬って低学年の小学生ぐらいの認識力はあるっていうし、
ひょっとしたら、これぐらい、考えているかもしれない、と思ったり、心は、揺れ動きながら、読みました。
というのも、これ、狼の話とはいえ、一種の力だけが支配するピカレスク・ロマンものなわけで
正に、暴力が支配する世界でのなりあがり物語、冒険・サバイブ物語なのです。
闘犬として、闘わせられるところなど、奴隷制のローマ時代の剣闘士みたいな感じです。
過酷な、自然描写、狼、犬社会描写といい、正にタフさが問われる骨太の動物文学で全体のイメージは同じ動物文学でもシートン動物記とは、またちょっと違う感じです。
実は、シートン動物記も、小学生の時読んだきりで、
大人になってから、ちゃんと読み直さないといけないと思いました。
紙の本
単純な動物ものといった読み方は残念
2001/10/27 21:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ホワイト・ファング』の方が通りがいい狼ものの一作。確かに一読すると動物&自然ものと読めるかもしれないが、同じ作者の『鉄の踵』を読んでからこの本を手にとれば、その感想は一変する。
ジャック・ロンドンの作品は、動物ものとプロレタリアものに分けたりされるけど、自然の厳しさのなかでその動物が生き残っていくか、社会の厳しさのなかで人が生き残っていくか設定が違っているだけ。その生き残りの描写は、どちらも見事としかいいようがない。初出
紙の本
貧困から這い上がった薄幸の作家による動物文学の古典
2021/10/31 23:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
のっけから、雪原を行く旅人二人と
それを追跡する狼の群れとのやりとりの
描写にぐいぐい引き込まれます。
狼をよっぽど間近で、しかも長時間、
観察していないと、とても書けそうにない
場面が、作品のここかしこに見られます。
紙の本
人と生きた狼の生涯。
2001/05/18 21:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miyagi aya - この投稿者のレビュー一覧を見る
広大な北の大地で生まれ、やがて人と共に生きることになるオオカミの一生を描いた文学作品です。動物同士の厳しい掟、自然の残酷さの中で生活する生き物たちの描写が鮮やかでした。そして、後に「白い牙」(ホワイト・ファング)と呼ばれるようになる、4分の1だけ犬の血を引くこのオオカミが、人間に従って生きることを選び、最後に出会った主人との交流によって変化していく様子がとても感動的でした。
それまで生きてきた環境のせいで抱いた本来なら仲間であるはずの犬への敵対心、笑っていてもいつどんな攻撃を仕掛けてくるかわからない人間への不審。人を自分より高位の存在と認識しつつも消えることのないその頑なな孤独を、主人であるスコットは辛抱強く溶かしていきます。オオカミはやがて痛ましいまでのぎこちなさではじめて好きになった人間への愛情表現の方法を発見し、その忠誠を捧げます。オオカミはご主人のことが大好きで大好きで、そのかたわらについてまわる様子はこれ以上ないほど幸せそうでした。厳しい自然の中でも、同属である犬たちの輪からはじき出されても、常に力強く生きてきたホワイト・ファングが、初めて与えられた愛情によってあまりにも幸せそうなので、逆にそれまで気づかなかった痛いほどの孤独を感じさせられてちょっと切なかったです。