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日本が近代化への道を急いでいた明治17年。下働きの西波あやねは、神戸からの米国ヘの留学船で、姫君三佐緒の身代わりに仕立てられていた。船酔いと折檻まがいのしつけ日々。逃げ出して神戸に帰ろうとした三佐緒が出会ったのは、運命の人・桜賀光次郎。
米国上陸後、美しく成長したミサオは、青年光次郎と再会するが、光次郎の友人でオーストリアの子爵家の血を引くマックスに求婚される。紆余曲折を経て、彼女は欧州へ嫁いでいく・・
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うーん、ちょっと偶然が多すぎるのが気になるが、朝の連続テレビ小説の原作だと思えば、文字通り、波乱万丈、いや、ページをめくるめくる。 特に上巻がよかった。 ただし、後半は若干失速。 玉岡さんは、神戸周辺を舞台にした歴史小説を他にも書いていらっしゃるので、読んでみたいかな。出張などに連れて行くのによい。
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成り代わりから留学までのあたりにはかなり泣いてしまいました。お勝がすさまじい。
留学後からの青春時代、そして結婚後へはミサオの心情を中心にどんどんと進み、その日々を楽しみました。ドラマチックすぎるほどですね。
ただ、関西弁にあまり慣れていないので、そこにどうしても違和感を覚えました。
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明治時代、姫君の身代わりとなってアメリカに留学した下働きの少女ミサオの波乱万丈の生涯。
年端のいかない少女たちがこうして海を渡り、国のために何かを身につけ役立ちたい、と慣れない異国で肩を寄せ合い励まし合っている姿はけなげだ。操り人形のように身代わりとして仕立てられながらも、ミサオは数々の試練に耐え、自分自身の力で輝きはじめる。
光次郎とのせつないすれ違いの恋にハラハラ。
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お勝さん……! 少女マンガでいうところの悪の親玉のようにヒロインを苛め抜くお勝さん。彼女があまりにも強烈で鮮やかな存在だからこそ、この話は面白いと思うのですよ。
やはり、面白い話は敵すら素晴らしい。
そしてお勝さんとヒロインの関係性が見事すぎる。
これは面白い! 萌える!
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ご都合主義の臭いがしようとも、この壮大でロマンチックな物語は萌えます。何もわからぬ少女から一つの物事をなしとげ一角の人物となる女性の波瀾万丈の一代記。エンターテイメントとしてお勧めの長編小説。
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ロマンチックな大河。
時代と運命の流れに、唇を噛みながら、歯を食いしばり、大人になっていく少女の物語。
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アンティーク・ジュエリーのペンダント・トップを手にし、その持ち主を探すことから、物語は展開していく。
明治時代、士族・豪商の子女たちが欧米留学をし始めた頃、下働きの少女が、旧大名家の姫君とすり替わって留学することになる。すり替わった、その姫君の名はミサオ。アメリカ留学、そしてオーストリアの子爵家に嫁いでいくミサオ、そしてその夫との死別までの流転の人生が、描かれているのが前篇。
歴史に名を残す実在の人物も登場し、主人公ミサオとのストーリーが展開していく、あくまでもフィクション。
その後のミサオの人生は如何に、後篇へと続く。
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明治の実在した人物なども登場して、壮大なスケールではあります。
ヒロインの運命も波乱万丈で、ストーリーの先も気になります。
ただ、ミサオの12歳から40代前半までがこの頁数で描かれているからなのか、一人称の語り口が淡々としているからなのか、描写があっさりめなのが残念。
あの場面とか、この場面とか微に入り細に入り描かれていたら盛り上がるのになあと感じられる部分も、割とあっさり。
一人称の地の文が関西弁なのも、微妙に読みにくいけど、とりあえず下巻へ。
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評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
日本が近代化への道を急いでいた明治17年。下働きの少女ミサオは、米国への留学船で、姫君の身代わりに仕立てられていた。船酔いと折檻まがいのしつけの日々。が、ある夜ミサオは、運命の人・光次郎に出会う。上陸後、美しく成長したミサオは、青年光次郎と再会するが、皮肉にもオーストリアの子爵家の血を引くマックスに求婚され、二度と日本に戻らぬ決意で欧州へ嫁いで行く。
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女性は、内に秘められた思いや決意をかかえて、長年生きていけるものなんだと強く感じられる作品。
あとがき児玉清さんなのも感慨深い。
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明治、大正を異国で生き抜いた女性の大河小説。
川崎製鉄の創立時の川崎造船所や双日の源流の鈴木商店などが活躍する世界で桜賀(松方)と身代わりとして数奇な人生を送るミサオのラブストーリー。
上巻はアメリカへ渡る船上、そして波瀾万丈なアメリカ生活と非常に面白かったのだが、下巻ではミサオの揺れ動く心の内の描写に終始する。そのためドラマチックな出来事かあまたあったのにもかかわらず、さらっと流していて残念だった。ここら辺を描いていたら、さながら日本版「風と共に去りぬ」になっていたのではないかな。
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東京国立博物館を訪れると松方コレクションに出合える。彼の家族は,なぜ、これほどまでに高価な散在をしてまでも美術品を集めまくったかは理解できていない。
この小説は光次郎こと松方正義とみさおことクーデンホーフ伯爵夫人の秘められたロマンを前面に打ち出したロマンス大河小説として完成されている。
大河ドラマでも紹介された一部の内容を遥かに超え、日本、欧州を股に掛けた壮大なスケールは真に、浪漫の世界。
松方に関しては資料も多いがみさおのモデルに関して筆者は資料を駆使して想像の世界を飛翔した様だ。
日本は言うに及ばず、当時の米英仏独にも女性の身辺路を記した記録が無く、腕の見せどころだったと感じる。
上巻でのみさおはまだ、初々しさが残る未完の女性・・屋や、不安げな趣すらある。
筆者の住まいは加古川・・当時は鈴木商店が圧倒的な財力を誇っていた・・世界大恐慌まで。
その一部が神戸製鋼。酒井商店の娘の代理として欧州へ渡った12歳の子が見た世界の背後にいる感覚で読む時間は楽しめる。