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タイトルとなっている冒頭の短編からして泣いた。全体を通じて、命の美しさと儚さ、身体性、(家族)愛がテーマ。SF的世界観や技術的な話は控えめで、パーソナルな語り口なのでSFに馴染まない人でも読みやすいと思う。人類の進化に対する思索と希望に溢れている。
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抒情がありながら、きちんとSF。郷愁はブラッドベリのようで、斬れ味は宮内悠介のようで。受賞ラッシュとなったのは欧米が期待するオリエンタリズムに上手く応えているのも大きいだろう。その辺上手く調整・プレゼンできれば日本人作家も普通に勝負できるように思う。
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けして感情的でない冷静な筆致なのに、短編1話読むごとに目の奥に熱さを感じたり、胸の奥に冷たい石が残る感じがしたり、とにかく読んでいるこちらの感情は揺さぶられまくり、本当に素晴らしい本でした。人類や世界の未来、もしくは別の進化を遂げていたら?を描いたようなSFが多いのでとっつきにくい人もいそうですが、SF要素のない作品もあります。個人的にはSF入ってる話の方が好きですが!
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SF短編集。
全体的に良かった。一編目からぐっと引き込まれました。
壮大にSF的展開をするものや理系の小難しい作品もあるものの、あまりSF臭のしないものもあって作風が多彩。
個人的には「紙の動物園」「心智五行」「良い狩りを」あたりが好きだけれど、「文字占い師」が衝撃的でどうしても印象に残っています。これは悲し過ぎる。うーー。
良かったけれど哀しい話が多め。
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【収録作品】紙の動物園/もののあはれ/月へ/結縄/太平洋横断海底トンネル小史/潮汐/選抜宇宙種族の本づくり習性/心智五行/どこかまったく別な場所でトナカイの大群が/円弧(アーチ)/波/1ビットのエラー/愛のアルゴリズム/文字占い師/良い狩りを
*作者を単純に中国人と思って構えて読んだら、ところどころ日本人的で、またアメリカ人的な視点もあって混乱したが、読みやすくはあった。抒情的な作品が多い。
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SF短編集。タイトル作はとてもよかったけど、他はSF色が強くあまり頭に入らなかった。本づくり習性は発想が面白かった。
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なんか新しいSFを読んだ気がした。まあ、がっつり中国ですが。ストーリーテーラーとは、彼のことでしょう。短いなかでの完結感はただものではない。次も読みたい。って、長編も出ているようですが。こうご期待。
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短編15編
全部が★4ではないけれど,表題作,「結縄」「心智五行」「「文字占い師」「良い狩りを」が良かった.中国の香りがまとわり付いて,少し息苦しく感じるところもあるが,そういう所,日本人だから理解できるようで,また逆に考えさせられる.
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ハヤカワSFシリーズから出ているが、SFでない作品も含まれる。
最近のSFらしい、シンギュラリティを扱った作品もあれば、歴史改変小説あり、文化人類学的知識を基にした作品ありとバラエティに富んでいる。作者と同じ中国系の文化を持った人々の話や、日本人を主人公にした物語など、その心情や背景は、アジア系の読者の心にはより強く訴えるのではないかと思う。だから、SFに関心のない人、翻訳小説に関心のない人の心も捉えたのではないか。表題作はファンタジー要素はあるものの、生活のためアメリカに渡った中国系移民の悲しみ(そしてそれにあえて目を向けなかった2世の苦しみ)が胸を打つし、「文字占い師」「結縄」「月へ」「良い狩りを」もSF要素はないか、きわめて薄いので、たいへん読みやすい。SFが苦手な人はこのへんから読むといいと思う。
SF度高めのものでも「心智五行」は恋愛ものだし、「もののあはれ」は日本人が主人公で、地球脱出の時の日本人の様子は、東日本大震災の時の様子からヒントを得たのではないかと思う。主人公の行動はグスコーブドリ的で極めて日本人らしい。
個人的には「選抜宇宙種族の本づくり習性」「円弧」「波」「愛のアルゴリズム」も良かった。駄作が一つもない短編集。
アジア的情緒と、巧みな構成力(所々に挟まれた創世神話などが効いている)、幅広い情報収集力(どこから思いついたかちゃんと作品の終わりに書いているところに誠意を感じる)、本当に楽しみな作家が出てきたなと感じた。
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★SIST読書マラソン2016推薦図書★
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著者は中国生まれ.巨大宇宙船による移住の話などSFらしいテーマのものもあるが,感じが出てきたりしてちょっとアジア的な雰囲気のものもある.
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各所で評判になっていた中国系移民のアメリカ人による抒情的SF短編集。
とにかくめちゃくちゃ面白かった。
歴史や運命に翻弄される主人公たち(多くの物語にお
いてそれは、異郷、異文化の中で孤独に生きる東アジア人)の姿に、
作者の東アジア人としてのアイデンティティ(西洋文明への強い疑問)を重ね合わせているのだろう。
いかにも日本的な職業観や死生観を持つ日本人宇宙船乗組員の最後の一日を描いた「もののあはれ」には、強い共感を覚える読者も多いはず。
台湾二・二八事件など悲惨な史実を基にした物語も
とても読みごたえがある。
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図書館で。これはそのうち買う。
短編集なのだけれども全編どこか哀切な印象を与えるのは取りあげられている題材が基本的に社会的弱者やマイノリティを扱っている所為なのか。
紙の動物園を読むと何で男性って後悔するとわかっているのに母親に優しくする事が出来ないんだろう…と思う。同じことは東京タワーとか男性が書かれた本を読んで感じたことがあります。それができないから男性は母なる存在に執着するのかもしれないけど。お母さんは娘を産んだら良かったんじゃないのか。まあそう簡単な話でもないんだろうけど。愛しているがゆえに反発したり傷つけたりする事がわからない訳でもないし。そして私も老虎が欲しい。
不老不死を扱った題材も面白かったし結縄も辛いけれども面白かった。こういうアイディアもあるのかぁ、と。知られてないだけで世の中には結構古くから伝わるスゴイ技術とかあるんだろうな、なんてことを思ったりもする。
でも個人的に一番好きなのは最後に収録された「良い狩りを」かな。妖怪とスチームパンクが混ざったようなラストが好き。カッコイイ。世界が変わって絶えてしまったり変わってしまったものも多いけれども本質を変えずにしたたかに生き延びているものもある、という感じが好きでした。
もののあはれ
月へ
結縄(けつじょう)
太平洋横断海底トンネル小史
潮汐
選抜宇宙種族の本づくり習性
心智五行
どこかまったく別な場所でトナカイの大群が
円弧(アーク)
波
1ビットのエラー
愛のアルゴリズム
文字占い師
良い狩りを
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極上のSF短編集。15編の物語の中でお気に入りは表題作「紙の動物園」。「選抜宇宙種族の本づくり習性」と「良い狩りを」も良作。これはいい!長編も読みたい。
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「THE SF」という内容であり、文体なので久し振りにSFを読んだなって気分になれました。
しかも想像力を掻き立てられたり、切なくさせられたりと秀逸な短編集なので、SFを読み始めるにはちょうどいい一冊としてお薦めできます。