投稿元:
レビューを見る
なかなか読み応えのある小説でした。
「聖女」に選ばれた少女エジェリーは前世で自分を殺した夫と再会。もちろん、彼もまた王太子として転生しています。物心ついていたときから前世の記憶を持っていることで、苦しんできた彼はまたしてもエジェリーを愛し、過去の記憶を隠して優しく穏やかな仮面を被り、彼女に近付きます。
一方、過去の記憶を一切持たなかったエジェリーは王太子に出逢ったことにより、記憶を蘇らせ―。
過去にせよ現世にせよ、自分に異常な愛情と執着を持つ王太子からエジェリーが逃げようとするのは当たり前という気がします。
ただ、ソーニャ文庫は「執着系の愛」がテーマのレーベルで、これまで読んだソーニャ作品はすべてあまりにも凄まじい男性側の執着愛に正直なところ、どうも読んでいて、あまり気持ちの良いものではなかった気がします。
しかし、コチラの作品は王太子はヒロインに執着しながらも、そんな自分をも嫌悪し変わろうとしているところが見られ、今までのソーニャ作品とは違いました。
なので、読んでいて、目を背けたくなるようなこともなかったです。
ただ、物語りの最後の数行―カゼル公国の伝説の鴉の話、、、正直、なくても良かったのでは。
私の理解力不足かもしれませんが、意味が判るようで判らなかった。。。
どうせ付け足すなら、ヒロインとヒーローがどんな風な国王と王妃になったのか、その後をさらっと書いて欲しかったです。