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最初は少々退屈そうな話のような気がしたが後半は一気に読めた。作者にとってのなんらかの区切りみたいな意気込みがあったのかな。
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地方都市で起こった幼い姉妹の殺害事件を巡って、間違った記事を書いてしまった記者と、その誤報を掲載した新聞社の内幕を描いたお話です。
ストーリは面白くて最後まで一気読みしたのですが、エンターテイメント性にやや欠けるのではないかなぁと思いました。解説を読んで知りましたが、著者は元大手新聞社の記者をされていたようです。それで、個性を押し殺したような文章になっていたのかなぁなんて、かってに想像したりもしました。登場人物の為人や背景を厚くすれば、もっと娯楽性が高まったかもしれませんが、そうしなかったことに意味があったのかもしれません。
いずれにせよ、報道の在り方、マスメディアの責任、ジャーナリズムの基本精神、表現の自由、新聞の存在意義などについて、あらためて考える機会になりました。活字離れによって、発行部数が年々落ち込み、新聞社はいまや危機的状況にあると聞き及びます。その一方、アフター・インターネット時代において、新聞の役割は益々重要になっているのではないでしょうか。新聞は民主主義の根幹を成すもののひとつで、ぜったいに無くしてはいけないものだと思います。民主主義というものが、どのようにして成り立っているのかということを、いまいちど真剣に考えてみる時期なのかもしれませんね。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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本作は主要視点人物たる南の物語であるのだが、“新報”に象徴される「新聞という存在」、そして新聞に代表される「メディア」、メディアが扱う「情報」、情報が駆け巡っている「最近の社会」、その社会で暮らす「人々」というように「巨大な環」のようなモノが感じられる物語だ…
「メディアと情報」、「情報と社会」、「社会と人々」というように連なる“環”のようなモノの様相は、時代を追って少しずつ変わって、「現在の姿」が在るのかもしれない。そういう様相に関して、「多彩なシリーズを展開する作家」というイメージの他方で「新聞記者の経験を有している」という背景を持つ作者が“持論”のようなモノを展開している作品…本作はそういう側面が在るように感じられる。
当然ながら、本作は“サスペンス”な味付けのエンターテイメントだが、「意外に色々と考えさせられる」感じだ。お薦め!!
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題名から、新聞記者から見た警察の捜査とか警察官の行動とかを描いた警察小説かと予想して読み始めたが、見事に外れた。
本書は、著者の新聞記者だった経験をもとに、現在の危機的状況を危惧したメディア小説ともいうべき作品だった。
母子家庭の小山内姉妹が殺された事件から幕を開ける。
ネタ元の警察官から、犯人の情報を収集した記者は、本社栄転を懸け特ダネにする。それが大誤報となり、しかも背後に権力の恣意的な策謀が見え隠れし、事件は思わぬ展開に。
メディア規制、報道の自由等々の現状に対する著者の思いが込められたこの小説は、彼の警察小説あるいはスポーツ小説とはまた違った味わいである。
『蛮政の秋』『社長室の冬』と、三部作だそうで、それらも読んでみたい。
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元新聞記者ならではの視点で描かれた長編ミステリーです。
警察小説やスポーツ小説で名を馳せている著者ですが、本書はあえていうとジャーナリズム小説ですね。
母子家庭の幼い姉妹が自宅で殺害される。死体発見時から母親が行方不明のため、母親犯人説が浮上する。本社への栄転をかけ特ダネを狙う中堅記者が警察のネタ元から得た情報でトップを飾るが、それは大誤報?
なぜ?誤報が起きたのか?巧妙な罠に翻弄されつつ、もがきながら、やっとのことで真実に手をかける。
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途中までは、マスコミの課題をしつこく語っているだけという感じでストーリーに入り込めなかったが、途中からぐいぐいと入っていけた。このシリーズの次に進むかどうか微妙なところ。もっとストーリーとマスコミというテーマが溶け込んだ内容だったらよかったのだが
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最初の章は、殺人事件の 張り込みで…
…何だか ダラダラと、なかなか 面白くならない。
2章目くらいから、物語が 多展開し始めて、面白くなってくる。
ただ、物語の 周辺説明の 文章が、しつこい程に 多く…
…眠くなるので、どんどん 飛ばし読みした。
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取材対象へのメディアの横暴さや、ネット掲示板の無責任な暴力性に疑問を呈する作品なのかな。
報道や発言の自由という権利には責任も伴うことを自覚すべきであり、自浄作用が機能しないのなら何らかの制限は一考に値すると思う。
主人公 南記者にはそれが圧倒的に欠けており、その不快さから応援する気になれない。
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母子家庭の子供2人殺されネタ元であった新聞社の同僚から信頼できる情報を手に入れスクープとしてトップ記事にする母親が疑われたが母親は生活費を稼ぐためあるところにいた書いた記事は大誤算となって自分も姿を消す母親は自分の両親に1ヵ月に2度も3度もお金を要求していきそれに疲れた祖父が子孫に手をかけたその後自分も自殺を図るが死に切れない
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大手新聞社の地方支局員が、幼児2人殺害事件に関する誤報の記事を載せたことで、新聞社はどう対処するのかなお話。
作中、何回か「新聞は孤高の存在」といった表現があり。
知りませんでした。
聞いたことも感じたこともありませんでしたので驚きました。
メディアに対する考え方が自分とは違った目線で書かれた作品なのでとても苦痛でした。
登場人物が多いのに理解できない人物像ばかりでストレス満載な一冊。
2014年の作品とのことで読むタイミングがずれたせいかもしれない。とする。
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大人の都合で子供が犠牲になる嫌な事件
そこに他の大人の都合がからまっていく、
警察も絡んでの誤報 だれが加害者でだれが被害者なのか…なんだか最後までゾワゾワする
それにしても 暑い夏だったのね。
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安倍晋三の犯罪の一部を暴いた様な内容。民主主義の敵は殺人犯ではなく自民党の安倍晋三一派ということ。取り込まれたNHKを始めとしたかつては報道機関と呼ばれていた組織はその手下。無関心を決め込む国民は共犯者。これでは先進国から脱落し独裁国家に成り下がるわけだ。
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推理小説や海外ミステリー小説好きなので、エンタメに寄り過ぎていない小説を久しぶりに読んだ。とても面白かった。
小説自体の骨組みがしっかりしているので、無理やり過ぎる展開が無い。時代背景や組織の背景がしっかりしてるし、登場人物たちの心境も過剰な表現が無く良かった。だらだらと場面が続かないのでテンポも良く、話のまとめ方も良い。
どんでん返しや意外な犯人、に重きを置いてる小説には無い重厚さがあった。考えさせられた。
最近は一般小説として出版されていても、ライトノベルのような文体や登場人物(ライトノベルが悪い訳ではないけど)で書かれている小説が多いな、と感じてしまう。個人的にだけれど、そういう小説は読んでいて途中で気持ちが悪くなってしまう。
これからはもっと、吟味しながら色んな作品を楽しんでいけたらと思う。
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甲府市内で幼児が殺害され、母親が失踪する事件が発生。大手紙の記者・南は警察情報から母親犯人説をスクープ。だが大誤報となり窮地に追い込まれる。やがて、驚愕の真実が判明し……。(解説/岩野裕一)