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宮沢賢治みたい
2017/12/13 10:31
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
なんとなく宮沢賢治の銀河鉄道の夜を思い出しました。
水谷の子供っぽさがリアルですね。
クラスに一人くらいこういうタイプの子いたなあ。
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火木ちゃんがわりといい子にしか思えないので仲良くなってあげてほしい。
ううーこういう…ジェットコースター昇ってまーす!みたいな…この後悲しい歪みが訪れそうな不穏な予感だけがあるこういう感じ…!
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読んでいると胸が苦しくなる話。水面からぎりぎり顔が出るくらいのところで息をしているような感覚。
この作者の物語はどこに落とし穴が待ち構えているか分からないから、常に神経を尖らせて読んでいる。どうしたらこんな繊細で儚い物語がつくれるのか。歪に建てた砂の城を波が来るたびに削られていくのをただ眺めている。いつか大きな波が来て、全部さらって行ってしまう。跡には何も残されない。そんな風に、思った。
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これはすごい。うまく大人になれない二人の秘密の友達の時間。あまりにも幸福な笑顔の数々がこの期に来たるであろう苦難と悲しみの裏返しとしか思えなくて、既にひしひしとつらい。泣いてしまいそうになる……。
絵もすごい。描き込みがすんごいんだけど絵が潰れない絶妙なバランスと構図でキャラもそうだけど背景のデフォルメがあまりにも巧い。大友克洋を彷彿とさせるほど。コマの一つ一つが絵としての完成度を高水準で保っていて飽きない。
ずっと噛みしめるように繰り返し繰り返し浸っていられるそんな漫画になる。
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阿部共実さんの新作をワクワクして読みましたが、なんていうか…期待以上でした!!
これは完結してから読みたい!でも待てないっていうジレンマ!
いつもの阿部さんっぽくないようにみえて でもやっぱりザワザワする感じはしっかりあって…
このお話がとんな結末を迎えるのか 楽しみに待ちたいと思います(*´∀`)♪
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これは凄い漫画表現だ!
「空が灰色だから」では憂鬱や皮肉や虚しさやを「味のある絵柄」で表現していた。
今作はもう味、どころではない、まずは絵が抜群に巧い漫画家なのだと遅ればせながら知った。
徹底的な白と灰と黒のコントラストの中で、光が交錯し影が幾方向にもくっきり伸びる。
光が溢れすぎて水滴が空中に浮かんだような場面や、白と黒だけで燃える西の空を描くところや、もう凄まじすぎる。
そして、ことさら台詞めかした台詞。
言葉による抒情と、アバンギャルドな絵とが見事にマッチして、もう泣いてしまいそうだ。
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ちーちゃんはちょっと足りない? ですっけ…あれも読み終わった後、何とも言えない感覚に襲われましたけれども、これも…人間の闇の部分?と言う表現が合っているのかどうだか分かりませんけれども、読み終わった後、何とも言えない感情を抱きました…。
ヽ(・ω・)/ズコー
作者は多分…女性じゃないかな? と思うんですけれどもねぇ…女性にしか表現できない…少女漫画のダークな部分と言えばいいのか…ともかく男性・女性で言ったら圧倒的に女性のが怖い生き物ですよね! ←え?? 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、ちーちゃんよりかは個人的に取っつきやすかったような気がします…女同士のアレコレとかあんまり読んで気持ちのいい思いはしないと思いますので…今作は男女関係…ではなく、男女であっても友達関係みたいな感じでしたので、男の僕ちんも比較的お話にのめり込みやすいのでした。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
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水谷は中学生になりたての女の子
親友の名前は土森、水谷よりも色々な面で大人な女の子。
月野は中学生になったばかりの男の子、水谷と友達。ただし月曜日の夜限定。
毎度強烈な個性を放つ阿部共実節とも言える世界観はなく
中学生特有の若さと、そこから溢れ出すエネルギーの発散を求めて
水谷は日々悩み、考え、心も体も大人になっていく。
そういった思春期特有の脆さと強さを描いてるだけなのにも関わらず
毎度の事ながらハイセンスな言葉選びを目にしているうちに
ほんの少しだけ風変わりな青春の1ページを覗いているつもりが
気付くとそこは阿部共実さんの世界。
実に上手い描き方だわ。
前述の通り、不思議系オムニバス漫画のスタイルではないので
空が灰色だからを期待して読むとがっかりすると思います。
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中学生になっても大人になれない水谷と、「変な奴」として有名なぼっちの月野は、偶然夜の学校で会い、「月曜日の夜に二人で学校で会う」約束をする。
この漫画は登場人物の表情がすごい良い。
感情に直結する水谷の表情、本質をつく月野の表情、楽しそうなとき、必死なとき、泣き出したいときの二人の表情、すごく綺麗でぐっときます。
月野は自分の超能力を信じる変人だけど、だからこそ水谷のコンプレックスを溶かしてくれる。
反対に、月野も水谷の底抜けの明るさに救われてる。
水谷は子供っぽくて少しずれているけど、可愛いげがあってハブられもせず、大人びた土森とも仲が良くて安心できる。
しかし作者が阿部さんだと考えると、切ない水谷の夢、「月野だけは大人にならないでくれ」という暗闇での水谷の台詞、「最近視力が落ちてきてる気がする」という月野の台詞、終わりの暗い感じなどなど不穏な伏線があり非常に怖い。
頼むから最後はほっこり系のラストにしてくれえええ。
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時々しか載っていないけどスピリッツの連載で一番楽しみだ。単行本で改めて通して読むと、お姉さんの存在や月野の兄弟の存在に主人公と月野の気持ちのあり方に強く影響していることが描かれていた。連載では、主人公と月野の関わりばかりを追っていた。
人物の絵も背景も、効果も漫画の記号性と絵としての写実性のいいところを思う存分最大限活用している感じがする。主人公の言動やモノローグの率直さと共通するそのセンスの凄さに圧倒される。
それに比べるとオレの表現のなんと硬くて狭いことかと、すごく見習いたいと思うのだが、その狭くて硬いからこそ表現できている部分もあり、真似したからといってうまくできるものでもなく、だからと言って今のままでいいわけでもない。素晴らしい才気の炸裂っぷりにリアルタイムで接することをあんまりひがまなくていい年齢になっていてよかった。
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青春のリアルな不穏
中学生に上手く移行できない主人公の水谷と善良なだけではない社会に上手く溶け込めない月野
二人の出会いは救いかもしれないが、稚拙で気持ち悪くもある。
良い方に落とすにせよ、悪い方に落とすにせよ、これからが楽しみな作品
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みんなが少しずつ大人びてくる中学1年生。そんな中であどけなさが抜けない女子・水谷茜。水谷はひょんなことから「俺は超能力が使える!」と突拍子もないことを言う同級生の男子・月野透と校庭で会う約束をする。決まって月曜日の夜に。
大人と子供のはざまのひとときの輝きを描く、まばゆく、胸がしめつけられるガールミーツボーイ物語。阿部共実、最新作にして最高傑作、誕生!(Amazon紹介より)
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小学生から中学生になった頃、こんな繊細な気持ちで考えていただろうか。なかったな。だけど水谷茜の気持ちは痛いほどわかる。周りが大人になっていく。自分一人置いていかれたような気になる。周りと違っている。自分は何も変わってないのに。そして自分と似た人を知ってときめく。月野透、変な奴。人と何かが違う。そう思ったときが、気持ちが動く始まり。何かが変わる。
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不穏だ....。「プンプン」を思い出すような不穏さだ。
そしてこの先が心配&ワクワクで堪らない。
名作「ちーちゃん」からの期待でのスピリッツ連載となったのでしょうがこれはスピリッツ正解でしたね。
雑誌にあった連載だと思います。
次巻に期待です。
ちょっと気になったのがあの白紙のページ。
...あれ連載中も白紙だったんでしょうか?
確かに印象的でしたが、ふきだしのみ数ページのあとの最後のページが白紙....鳥山先生なら「このページ原稿料はいりません」と言いそうですねw
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中学に上がった途端、小学校からの友達が「中学生」の顔になって、自分は自分のままの水谷は違和感を覚えている。月曜日が嫌い、と彼女は周囲の風景や空気感と共に、自分の月曜日嫌いを文学の様にモノローグで表現する。身体を動かす事が好きで、泳ぐのを止めてしまうと死んでしまうマグロの様に彼女は動き続けようとするが、奇抜な行為と周囲には面白がられるだけ。水谷の中には肉体表現としての落ち着きのなさとは相反して、文学的な表現力を抱き持っていると知っている友達は居ない。誰もが「解り易さ」でしか物事を理解しない。
色白で小柄な月野透と言う少年が同じクラスに居るのに気付く。月野はクラスで浮いている。彼の異質さは彼の中に在るものと関係しているのだろうが、彼は多くを語らない。水谷と月野は、水谷が「嫌い」になった月曜日の放課後の学校で相まみえる。月野は机とボールを並べて「超能力」の訓練をしている。水谷は月野を変な奴と言いながら、月曜日だけの友達になる。
秘密の友達。
私にも秘密の友達がいた。なんで秘密になってしまったんだろうと今でもふと思い出す事がある。小学生までは親友だったのに、中学に上がった途端、互いに互いの友達グループがあるので、学校で会っても殆ど話さないのに、ずっと文通をしていた。秘密にしている限り、特別な存在なんだと思いたかったのか、そんな事より、会えば話をして、放課後に一緒に帰ったり遊んだりすれば良かったと今でも思う。