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【収録作品】麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い --大鏡家殺人事件--」 /山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」/我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」/有栖川有栖「船長が死んだ夜」/法月綸太郎「あべこべの遺書」/歌野晶午「天才少年の見た夢は」/綾辻行人「仮題・ぬえの密室」
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新本格スキーには堪らない豪華執筆陣が名前を連ねるアンソロジーです。テーマはそのものズバリ、名探偵!\( 'ω')/ステキやん
一口に名探偵とは言っても、お馴染みの名探偵もいれば、人工知能な名探偵、はたまた先生ご自身が名探偵、などなど、その内容は多岐に渡ります。
執筆陣もテーマもなかなかのド直球ストレートだから、わりかしマジメな王道が並ぶのかしら…と思ったら、意外と変化球多目なのがおかしい(笑)。っていうか、初っ端に麻耶先生持ってくるっていうのがそれだけで面白い(笑)。有栖川先生と法月先生の王道っぷりに嬉しくなっちゃう感じも楽しい(笑)。
某二作品のネタかぶりも、あらら〜って微笑ましくなるこの感じ、何なんでしょうね(笑)。
締めの綾辻先生に関しては、ミステリとホラーのミクスチャという綾辻節炸裂だな〜としみじみしてたら、まさかのお馴染みのあの方との馴れ初め話だった(笑)←違
とりあえず、各作品の内容を評価すると言うよりは、これだけのメンバーでアンソロジーを組むというグッジョブな講談社さんに敬意を評して星四つです。
表紙の先生達のイラストの配置もね、いろいろ妄想できて楽しいんですよね〜。
個人的には、山口先生は右下で、有栖川先生は右上がいいなーって思いました!(どうでもいい感想)。あ、麻耶先生が左下っていうのはすごく合ってると思います!!(どうでもいい感想2)。
【以下、もしかしたら間違ってるかもしれない内容まとめ\( 'ω')/】
◎水曜日と金曜日が嫌いー大鏡家殺人事件ー(麻耶雄嵩)…山中で遭難しかかった私が辿り着いたのは、高名な脳外科医大鏡博士の館だった。一息つく暇もなく、私は不審人物が出入りした小部屋の中に大量の血痕を発見し、その直後、博士の養子達が結成する四重奏団のうちの一人が露天風呂で刺殺体となって発見された。ところが、死体と血痕は同一人物のものではないことが判明し、事態は混迷を深めていく。果たして、被害者以外の登場人物が全員そろっているはずの現場で、誰が第二の被害者足り得るのか?(なんか長くなったな…)
◎毒饅頭怖い(山口雅也)…不甲斐ない後継者達の家督相続争い。果たして嘘をついているのは誰なのか?
◎プロジェクト:シャーロック(我孫子武丸)…一人の警察官が作り出した名探偵の人工知能ーーシャーロックプログラムが世界中に拡散し、改良され、実際の犯罪捜査に功を奏し始めた頃、シャーロックの生みの親が殺害された。果たしてその意図とは?
◎船長が死んだ夜(有栖川有栖)…センチョウと呼ばれる男が刺殺体となって発見された。当初は痴情のもつれの犯行と思われたが、火村は現場から無くなっている二つの物を糸口に推理を展開する。
◎あべこべの遺書(法月綸太郎)…二人の人間が不審死を遂げた。現場に残されていた双方の遺書は何故か入れ違っており、死んだ場所も相手の自宅というあべこべな様相を呈する奇妙な事件の真相とは?
◎天才少年の見た夢は(歌野晶午)…新型爆弾が投下され、壊滅状態にある地上と隔離されたシェルターの中に逃げ込んだ少年達。ところが、一人、また一人と友人達が自殺とも他殺とも取れる死体となって発見され…,
◎仮題・鵺の密室(綾辻行人)…京大ミステリ研の面々が集った夜、かつて彼らが頭を悩ませた「ような気がする」幻の犯人当てのことが話題に上る。果たして、そんな犯人当ては本当に存在したのか?そして、存在したとしたら彼らは何故その内容やトリックを思い出せないのか?ら
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テーマは「名探偵」。新本格ミステリブームを牽引したレジェンド作家による書き下ろしミステリ競演。ファン垂涎のアンソロジーが誕生! 綾辻行人「仮題・ぬえの密室」 歌野晶午「天才少年の見た夢は」 法月綸太郎「あべこべの遺書」 有栖川有栖「船長が死んだ夜」 我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」 山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」 麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い ――大鏡家殺人事件――」
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馴染みのある名探偵たちが謎解きをする様子が、次から次へと愉しめるなんて贅沢なことである。どの作品もそれぞれ著者らしく面白かったが、綾辻氏のいささか趣向の変わった物語も、――約束違反と言えないこともない気もするが――なかなか味わい深くて個人的には好きだった。わくわくする一冊だった。
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とんでもなく豪華なメンバーが揃ったミステリアンソロジー。
実は著作を読んだことがない方もいたのですが、これを読んで他の今までの作品も読んでみたいなぁと思いました。
メルカトル鮎が好きなので『水曜日と金曜日が嫌い』は嬉しかったしメルらしくて楽しめました。
『船長の死んだ夜』の火村とアリスのコンビも安定してて面白く、オチの切ないような感じも好きです。
『仮題・ぬえの密室』は締めに相応しいなぁと。
実名作家がでてくるエッセイ風なのでまさかほんとにこんなことが!??と相当びっくりしましたがフィクションのようです。
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記念アンソロジー。麻耶雄嵩は原点回帰とも言える黒死館オマージュ。綾辻行人は全然本格ではないのだが、読後感は一番ほっこり。今このときにこの話が読める幸せ。
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一つ一つの解説をしてしまうと、あっという間にネタがバレてしまうのでここでは全体の感想だけ述べておくと、まずそれぞれの作家らしい作品をちゃんと集めてきたな〜というのが最初の感想。あと、難易度は比較的低い。いつも通り法月綸太郎はキレキレだが。
[著者 およびタイトル]
麻耶雄嵩:水曜日と金曜日が嫌い
ー 大鏡家殺人事件ー
山口雅也:毒饅頭こわい 推理の一問題
我孫子武丸:プロジェクト:シャーロック
有栖川有栖:船長が死んだ夜
法月綸太郎:あべこべの遺書
歌野正午:天才少年の見た夢は
綾辻行人:仮題・ぬえの密室
最後の綾辻行人の作品は、いわば過ぎ去りし日の追想という感じで、まさに新本格のドアを開けた彼にしか書けないもの。作品というよりもエッセイという装いの小品である。さらっと読んで、それぞれの作家の代表作をもう一度思い出すのにぴったりのアンソロジー。
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読んだことない作家さんの作品も読めて、大層楽しかったのです。
ラストの綾辻さんのお話。「深泥丘」ばりに、現実と虚構が入り乱れて、妙に本当にあった話っぽくて惑わされます。作中作である「ぬえの密室」も気になりました。どういうトリックだったのだろう。
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本格好きなら垂涎のラインナップの作家さん方。
どれも小品ながらなかなか凝った仕掛けがあって面白い。
ただし、やや舞台落ちとかもあるのでどこまでそれを楽しめるかなのかな。
とりあえず、メルカトルが好きな人はぜひ。
後、我孫子さんはなぜ人形で書かないと。
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新本格ミステリ誕生30周年記念として出版されたアンソロジー。新本格初期の作家7人による「名探偵」をテーマにした書き下ろしである。
内容はパズラーなものが多くさすがに新本格っぽいが、逆にいうとこれらの作家のミステリを読んだことがない人にはいまいちピンとこないかもしれない。
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「新本格ミステリ・ムーヴメント」が始まった当時生きて、勢いを感じながらこれらの作家たちの作品を読みたかったと思いました。けれど、今こうして新本格30周年記念の時代に生きて、アンソロジーを読めるのも、幸せなことでした。
『水曜日と金曜日が嫌い ー大鏡家殺人事件ー』
語り手美袋が迷いこんだ大鏡博士の邸宅で、殺人事件が起こります。メルカトルは最低限の謎解きしかしないため全貌は明らかにされず、美袋のように消化不良に感じました。
『毒饅頭怖い 推理の一問題』
古典落語『饅頭怖い』から始まり、どうミステリになるのか興味深々で読んでいましたが、その四十年後の後日談が『毒饅頭怖い』でした。鷽吉改め遊井大拙が、饅頭の餡に仕込んだ毒で殺されてしまいます。
蘊蓄もあり、落語ならではのミステリで、楽しく読むことができました。落語とミステリが融合した作品を、もっと読んでみたくなりました。
『プロジェクト:シャーロック』
推理小説好きの警視庁職員木崎が、人工知能によって「推理」が行なわれ真犯人が指摘される“A.I.Detective Project : Sherlock”というプログラムを生み出します。プログラムはサーバにアップされ誰でもいじれるため、どんどん肥大化していきます。そんな中で、木崎が殺害されます。
人工知能が推理するという発想が、おもしろくも、恐ろしくも感じました。
『船長が死んだ夜』
<臨床心理学者>火村英生准教授と、助手のミステリ作家有栖川有栖先生が活躍する物語です。
家が点々と散っている山奥で、町外れの一軒家に独りで住んでいた小郡が刺殺されます。火村が「もう見えた」と言い、事件について語り出したところは、待っていたシーンだ、と思いました。
真相が明らかになった後は、有栖川のように、無数の「たら」を考えてしまいました。
『あべこべの遺書』
作家探偵綸太郎に、父親の法月警視が、不審死を遂げた二人の遺書と死んだ場所があべこべになっていた事件の話をします。警視と探偵が親子っておもしろいですね。
綸太郎の話は想像ばかりですが、そうなのだろうなあと思わされる力がありました。
『天才少年の見た夢は』
戦争がはじまり、天才少年少女たちが地下シェルターに避難していたところ、自殺、殺人が起こります。しかし、その間名探偵鷺宮藍は、ずっと眠ってしまっています。急展開に驚かされ、事件は謎に包まれていましたが、最後は著者にうまく騙された、と思いました。
『仮題・ぬえの密室』
京都大学推理小説研究会(略称「京大ミステリ研」)出身の作家、綾辻行人、我孫子武丸、法月綸太郎、小野不由美の四人が、昔あったように思われる、けれどちゃんと思い出せない“幻の犯人当て”について話し合います。実際の作家たちの名前が出てきて、みんなで色々考えている様子を読むのが楽しかったです。
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古書店にて半額で。麻耶雄嵩と山口雅也目当てで購入。30周年もどこ吹く風、下の名前に口あんぐりな安定の銘探偵に、現実には無理がある嘘つき設定を見事に落とし込んだ江戸前落語ものと、どちらもさすがの貫禄。他の諸作家は数篇しか読んだことがないのだが(有栖川有栖はなんとこれが初読!)、それぞれが持ち味を活かした仕上がりで満足度高し。特筆すべきはやはり歌野晶午か。我孫子武丸同様、近年隆盛を極めているとある事象に焦点を合わせた「天才少年の見た夢は」だが、SF的設定にこの著者ならではのトリックは出色の出来。
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新本格30周年記念、ということで、豪華作家陣によるアンソロジー。
麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い」
山口雅也「毒饅頭怖い」
我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」
有栖川有栖「船長が死んだ夜」
法月綸太郎「あべこべの遺書」
歌野晶午「天才少年の見た夢は」
綾辻行人「仮題・ぬえの密室」
ミステリ読んだ感があったのは「船長が死んだ夜」と「あべこべの遺書」。ほかで好きなのは「天才少年の見た夢は」かな。
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新本格ミステリー30周年記念アンソロジー。
ラインナップは我孫子武丸、綾辻行人、有栖川有栖、歌野晶午、法月綸太郎、麻耶雄嵩、山口雅也と超豪華。
しかし、有栖川有栖、法月綸太郎、麻耶雄嵩はお馴染みの探偵役を登場させアクロバットな推理を展開させたのに対し、我孫子武丸、綾辻行人、歌野晶午、山口雅也は探偵役を登場させなかったので「名探偵」というテーマが微妙になっています。
また我孫子武丸と歌野晶午の内容がやや被ってますし、綾辻行人はエッセイみたいで残念です。
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絶妙な叙述の抜け穴を付いてロジックで解決するみたいな作品を楽しむには年を取りすぎてしまったかもしれない。「仮題・ぬえの密室」はメインの謎の部分は別としても、ある程度本当のことかもしれないと思って読んでしまう(『ウロボロスの偽書』的な?)。その他には「プロジェクト・シャーロック」が楽しめた。
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好きな作家さんばかりだったので、どれも面白かった。
やっぱり有栖川さんのが好きだけど、歌野さんの設定も好き。