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新聞業界にいた人、目指してる人、現役の社員、読者みんなが楽しめる一冊。マスコミの良し悪し、新聞業界の伝統、本気で仕事に挑む楽しさ、先輩や同期とのやりとり、全てが懐かしい。そして、頑張ろうと思わせてくれる。読んでよかった。
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『七帝柔道記』が大好きだったので、存在知りさっそく読んでみた。
『七帝〜』の続編と聴いて読み始めたのだけど、直接的な続編ということではなかった。僕としては「『七帝〜』のアイツらにまた会える!」という期待で読み始めたもんだから、ちょっと肩透かし。
おまけに主人公がひたすら自分の現状に文句ばっかり言ってて、なおさらにイライラしてしまった。
でも、読み進めるにつれ、どんどん引き込まれて、気がつけばイッキに最後まで読んでしまった。
あんなにイライラした主人公も、物語が進むにつれ、考え方が変わっていく。
結局、僕は頑張ってる人が好きなんだ。それが報われるかどうかは関係なく、自分がいる場所で一所懸命な人。そういう人の物語が好きなんだ。
本当に悪い人っていうのは出てこない。人には良い面も悪い面もある。そこを描いてるとこも好き。
読み終わる頃には、もう涙が溢れて大変だった。
やっぱり「頑張ることで何か変わるかも」と思わせてくれる物語は最高だ。
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まさにブラック企業丸出しの小説です。
1990年というとおおよそ30年前。24時間戦えますかなんて言葉が生きている時代の事です。北海道に実在した弱小名門新聞社を舞台にした熱血仕事小説です。
まさに猛烈に働いて働いて働き倒すという趣きの、ふた昔前の野球漫画のような世界観ですが、なんとなくその名残の残る頃から働き始めた世代なので妙に胸に来るものが有りました。
出てくる登場人物も非常に前時代的で、「一度しか言わないからよく聞いとけ」というような、非効率的な言葉もバンバン出てきます。しかもこの主人公の巡洋君は結構なへたれで、希望の部署に行けなかったからといってずっと腐って仕事に向き合わず、救いようねえなこいつ。という目線で見てしまうので中盤までイライラします。
しかししかし、周りが素晴らしい先輩ばかりで、次第に彼の心に芽生えてくるものがあるわけですよ。これが非常に胸を打ちます。
繰り返し言いますがまさにブラック企業です。完全にやりがい搾取、労働力搾取状態です。給料のあまりの安さに絶句すること間違いなしです。架空の会社ではなくて実在した会社をモデルにしていますから、ある程度ドキュメンタリーな部分もあると思います。
それでも同じ境遇でやりがいがある仕事だと、燃えてしまうのなんだか分かるんですよ。自分も一度有名企業で死ぬほど働いていた時、仲間意識でお互いに励まし合って兄弟のような連帯感になってくるんです。まさに北海タイムスのように。
企業がそんな社員の懸命さに甘えちゃいけなんだぜって思いながら読みました。
ちなみに感動して涙出ました。まさに男の涙。
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私が就職した頃、確かに遠い噂で北海タイムスの低賃金と長時間労働の話は聞いたことがあった。
あくまで噂であって、事実ではないだろうと思っていたら本当だったなんて、今更ながらびっくり。
この労働環境の苛烈さだけでも相当重苦しい話なのに、主人公がまたうじうじぐずぐずしていて、読んでいるだけでストレスがたまる。
数多く受けた新聞社の中でここにしか受からなかったというのに、やめて来年度他社を受け直すことばかりを考えている。
それなら少しでも仕事を覚えて次の入社に備えるということもなく、すぐに引っ越すつもりだから引っ越し荷物を片付けもしない。
職場になじむこともなく、サラ金で借金を重ねてまで元カノや学生時代の友人に長電話をしては見栄を張り、地下鉄に乗ることすらできなくタクシー通勤をする。
サラ金に借金をしている身で!
結局ここではない場所での、今とは違った未来を焦がれているだけで、そこへ行くために動き出すことは何一つしていない、甘ったれな若造の自意識過剰小説なのだ。
私が親なら「いい加減に現実を見ろ!」と拳骨をくれるところだが、彼はそんなことを言いそうな父親には子どもの頃から距離を置いている。
この負のスパイラルから抜け出して、仕事を、職場を愛するようになる、唐突ではあるけれど感動的な話ではある。のだけれど。
結局主人公はなぜ整理部に配属になったのか。
松田の人事だけは社長も承知していたという、その特別な理由とは。
浦さんの行動の真意は。
サラ金の借金はどうなったのか。
いろいろ未回収でもやもやが残る。
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七帝柔道記...好きな人には好きなんだろうけど。
そして、私も嫌いではないけど。
しかし、それが、仕事、会社、ということになると話は別だ。この会社が好きだから、この仕事が好きだから、という理由で3K以上の苦労を背負うのは前時代的など思う。
逃げ恥的にいえば、「好きの搾取」。
本書の根底は上記になるので、話の流れ等々がよくても、内容的に評価できない。残念。
しかしながら、著者の、会社物ではない、ほかの著作を読んでみたい気はする。
払ってもいい金額:300円
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北海タイムスは実際に北海道にあった新聞社
作者も北海タイムス出身だが北大中退柔道部ということで、主人公よりも松田青年に仮託してるのか
主人公は苦手なタイプ
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物語を通じて、今の価値観では「やりがい搾取」ではないか?と思いますが、
会社を愛する、自分の仕事を愛するという点は、登場人物を見習いたいと思います。
会社が舞台の小説は、その業界について少しでも知ることができて面白いです。
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野々村と浦さんor辻さんの恋が気になって仕方ありません。腰掛け程度で入社した北海タイムスで野々村が成長していく話。おもしろすぎて、読み始めたらとまらなかった
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本命ではない就職でやさぐれていたのが精を入れるようになった所は読み応えあり。
今以上のブラック企業ではあるけど、逆に人情味があって羨ましく思えたりする。