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論理の運び方に癖があるが、隙だらけ。死刑囚を生かすのに金がかかるのが「生かされている方が苦しいこともあるのだから社会のコスト」みたいに言うが、別に刑罰の根幹は「犯罪者を苦しめること」ではないだろう。
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めくってみた感じ、語られてない議論はあるものの、語られている範囲気では非常にオーソドックスな感じだと思う。
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文化、抑止力、道徳、政治哲学と様々な視点から死刑制度の是非を考察した作品。
読了後も死刑賛成は変わらず。刑罰は受刑者を苦しめる為ではなく、遺族の処罰感情に寄り添った物であってほしい。
冤罪による死刑への弊害が1番考えさせられた。
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感情論一切抜きで客観的に議論してて面白かった。死刑と社会への復讐目的で凶悪犯罪に及んだ事件とか詳細に言及されてて衝撃的でしたね。死刑を見直すきっかけになる一冊。
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死刑反対、あるいは賛成の立場をあらかじめ表明した上で考察される関連書籍が多い中で、あくまでニュートラルな立ち位置から死刑制度について考える書籍。
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前からずっと読みたかった本。
面白かった。
考え方や問いのたてかたが自分と似ていて、かつ自分よりも深かった。
死刑がどうあるべきか、という問いに対してというより、道徳とはどういったものかという問いに対する考察が深まった。
終盤は政治哲学的な考察になったが、自分は政治には興味が無いので読み飛ばした。
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死刑は国家権力による暴力の行使だから認められない。冤罪はミスではなく権力が作り出すもの。筆者は終身刑導入を推す。大学入試出題。
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この本を読んで最も学びになったことは、「死刑制度の是非は道徳的に確立することはできない」ということ。そして、公権力が冤罪をしてしまう可能性がある以上、死刑は取り返しのつかないものとなってしまう。だから死刑はやめるべきだということがよく理解できた。
もう一つ!p35「『それはあなたの意見にすぎない』『考え方は人それぞれ』というかたちで相対主義に逃げる人がいる。(…)徹底的に普遍主義の次元にとどまって議論する意志がなければ、他者をせっとくすることなどできないのだ。」という意見にはハッとさせられた。私も話してる相手に「それも考え方の一つだよね」と言われるとそこで違う次元に持って行かれてしまったような、一種の思考停止感を味わっていた。
冤罪は単なるミスではない。公権力自体の権威や信頼を維持するために、構造的に冤罪の危険性を含んでいる。
理由として↓
・重犯罪の犯人を捕まえなければならない使命感
・再犯にて誤りを認めることによる信頼度の低下
道徳的に死刑の是非を議論できないことの証明として、カントの定言命法の説明があった。道徳の性質として、それに理由づけをすると全て仮言命法になってしまうことがある。
「人を殺してはいけない」の根拠には、「同等性の原理」(応報的な規範原理)があって、
★道徳的に正しいかは二つのものごとの「価値」が釣り合うかにあるかで決まるという。
↓しかし!
何と何が釣り合うか、は個々人の考えや文化的背景、時代、その時の状況によってもことなってくる。だから、道徳的な判断は相対的になる。
↓
相対的だと何がいけないかというと、個人の自己正当化の主張として、どんな「価値の釣り合い」も実現可能になってしまうから。
(感想)
残酷かもしれないが、私は安易に死刑にするのではなく、犯人は被害者と同じ方法で処罰されるべきだと思っていた。しかし、その方法でも同時に冤罪だった場合取り返しがつかず、冤罪の疑いがかけられた人がたとえ死ななかったとしても、身体的・肉体的苦痛を伴うことになる。
でもそしたら牢屋にいれられることも程度は低いが
身体的・肉体的苦痛になるよなぁ。しかし、容疑者を社会に野放しにしておくこともできない。難しい。
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2023/12/22
気になっている萱野稔人さんの著作ということで購入してみたが、読み進めている今の段階では論理の飛躍や意味不明な説明が目立つ。
いたずらに残虐な殺人事件の詳細を述べたりするワイドショー的なノリ。
「宅間」という特殊な事例を一般的な事例に適用しようとしている。演繹法にしてもあまりにお粗末過ぎる。
「国家とはなにか」「カネと暴力の系譜学」で見せていた強烈な論理的流れはこの中には見られない。
まだ1/4(78/318)ほど読んだだけだが非常に残念な気分である。
今後の展開に期待して⭐️2個に。
2023/12/29
前半の非論理的に見える部分が前振り。論理の流れを優先したために非論理的になっていたということらしい。
道徳論の展開を読んで少し納得。⭐️は3個に。
2024/01/01
読み終えた感想を。
中盤カントの定言命法の説明あたりから冤罪を問題として取り上げている部分は説得力があるし惹きつけられる。
公権力の下では冤罪が必然であるから死刑を廃止すべきという論理も良くわかる。
ただ、宅間守にこだわり過ぎた感あり。
著者も説明する通りの人物であるこの死刑囚が言うことを全て真に受けるのはどうかと思う。死刑になるため。自分以外の人間を苦しめるため…本当に事件前からここまで考えてから犯行に及んだのか?
『死刑になりたいが故に殺人を犯す者が相当数存在する』という前提で話の骨格が形成されているが、そこに違和感を感じる。罪を犯した本人にしか分からない動機。全面的にその本人の弁を信じて良いのか大いに疑問に思う。可能性としては存在することではあるが。
統計データの引用も逆に説得力が無い。この時たまたまこういうデータが出ただけかも知れない。一般化するには無理がある。
勉強になった部分も多々あったので⭐️は3個のままにします。
著者のデリダ嫌いはよく分かった^^;
2024/01/02追記
「責任という虚構」(小坂井敏晶)をもう一度読もうと思った。