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確かに、植芝先生ほど、エキセントリックって表現がピッタリ来ちゃう、青年漫画家もいないだろうな
浅い感想、と言われるのは承知だが、この『大蜘蛛ちゃん、フラッシュバック』はぶっ飛んでいる
マニアック、フェティッシュ、コア、ニッチ、チープ、玄人向け、色々な印象が浮かぶ
好きなもんを好きなように描ける、それは植芝先生に、その我を貫けるだけの、確固たる実力があるからに他ならない
描き手の「好きなもの」が詰まっているのに、つまらない内容になる訳がない
まぁ、万民受けはしづらいだろうけど、そんな些末な結果を気にするような、二流漫画家じゃない、植芝先生は
あくまで、私個人の意見だけど、植芝先生のセンスは、『ああっ女神さまっ』の藤島康介先生に匹敵している、と思う。植芝先生の作品のクオリティが上がっているのは、藤島先生がいるからであり、逆もまた然りだ
これからも、両先生には切磋琢磨していただきたい
この『大蜘蛛ちゃん、フラッシュバック』のストーリー、どのジャンルに入れていいのか、迷うところである
ラブコメと言えば、ラブコメなんだろうが、何せ、主人公が恋に落ちた相手が、母親。しかも、その理由が、不意に記憶で光る、死んだ父と生きている母との思い出ってんだから、何じゃ、こりゃ、と頭を抱えるしかない
けど、面白いんだよなぁ、文句なしに
藤島先生の作品とは違った方向性の、妙な色気がお母さんから漂っているもんだから、実に悩ましい
設定こそエッジが効かせられているが、ラブコメとしては展開が正道ってのも、読み手の心を刺激してくる
何っつーのか、男が夢見るシチュばかり
果たして、この不毛だが、決して、不純ではない、恋路の行方や如何に
何故、父の記憶が息子にフラッシュバックするのか、その謎もいずれ、明らかになるのだろうか?
また、実と一さんの関係が、どう変化していくのか、そこも注目
しかし、作中で自分の前作を宣伝するってのはアリなのか?これも、植芝先生が担当さんにOKを出させるだけの実力があるってのを証明しているか
どの回も、胸キュンポイントが満載だが、個人的に一推しなのは、やはり、掴みとしてバッチリな第1話「誰にも言えない悩みがあるのです」だ。欲を言えば、カラーページで見たかったなぁ
この台詞を引用に選んだのは、中々にインパクトがあったので。男心をくすぐるのは、女の子の小悪魔っぽい言葉だけでなく、こういう感情丸出しの悲鳴でもある。この絶叫が一番、植芝先生の癖を感じるってんだから、可笑しく深い