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じぶん・この不思議な存在 みんなのレビュー

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みんなのレビュー89件

みんなの評価3.8

評価内訳

87 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

誰でもなくて誰でもあることの肯定的意味付け

2010/07/13 21:42

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ホキー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 大学の講義を下敷きにしているだけあって、思春期から始まり青年期に先鋭化する発達課題にもとづいて書かれている。
 自分の存在を確かにするためには他者を参照する他ないが、他者を参照することで自分の中に他者が流入し自分が自分でなくなるという矛盾を抱えつつも、他者(や世界)との関係でかろうじて自分なるものを形作っていくというのは、まさに、思春期から青年期の姿である。
 思春期には、こうした自分の定義へのとまどいが、観念的な問題として現れる。そして、進学・就職・結婚などの各種ライフステージを通過する青年期に、この問題が、現実的な選択-ひいては他の選択肢の切り取り-の問題として先鋭化するのである。


 さて、自分らしさの追究において、自分の社会的属性を全て取り去ったあとに残る〔何かしらの自分らしさ〕という観念を、本書では、そんなものはない、と否定的に取り扱っている。この鷲田の見解と、『拡散-ディフュージョン-』大倉得史・ミネルヴァ書房との比較が面白い。『拡散…』は、未来への選択肢を切り取っていく過程や他者を自分の参照項とすることと、自己解体のせめぎ合いが、いかにして青年期の発達課題だと言えるかについて詳細に記録した名著である。この『拡散…』では、鷲田が捨象した〔何かしらの自分らしさ〕に、“自分らしさ”の最後のよりどころを求めている。

 この〔何かしら〕のものは、「具体的な意味」を持たないので、それが自分を「具体的に意味づける」ことがない点で、鷲田の言うとおり、そんなものはないと言える。
 同時に、いかなる属性も帯びない〔自分〕とは、まだあらゆる可能性にひらかれていたころの・すなわちいかなる〔自分〕なるものも形成していなかったころの名残であるとも考えられる。そのような〔自分〕とは、自分に固有でなく誰にでも共通に与えられているはずで、結局、“自分らしさ”の感覚の根源すら、【誰でもあって誰でもない】という共通の属性に支えられているとも言える。

 そのような訳で、思春期の自己への問いを壮大に描いた、10年前に公開されたほうの劇場版『エヴァンゲリオン』では、自分と他者の境界を失った人間たちの寄せ集めが、【誰でもあって誰でもない】存在である巨大な「綾波レイ」として描かれたのである。

 さて、このように、自分の輪郭線を曖昧にする【誰でもない】ことの観念が、中年期の危機を乗り越えると、逆に、自分を際立たせる原動力になる。

 つまり、「われ自身」のような、狭い範囲の自分が消失し、代わりに、他者や世界に息づく形での広い意味での自分の存在が拓けてくる。いわば、以前には、“「自分は」誰でもあって誰でもない”として拡散していた自己像が、【誰でもなくて誰でもあるの「が自分である」】と、引き受けられるのである。
 このように見ると、思春期に意識に立ちのぼる【誰でもあって誰でもない】観念が、はるか中年期の発達を準備している。

 理論的にはこのようになっているものの、思春期から青年期の課題を描いた本書が、定年後のサラリーマンの自己規定への揺れまでカバーしていることから、逆に、現在の日本が、青年期の発達段階で停滞していると見ることもできる。
 それはおそらく、労働・経済・消費・家庭・地域社会といった幅広い問題圏を拓く視点であり、結局、思春期から青年期のひとりの自分への問いが、生涯発達の視点を経て、いわば文明のあり方を問い直す契機ともなりうるのである。

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電子書籍

大人になっても不思議な存在

2019/01/26 11:54

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:メイチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

こどもの頃、自分がどうしてここにいて、そもそもいつからいて、それでどこにいくんだろう?とふとした瞬間に思って、大きな渦に巻き込まれるような感覚になることがありました。
この疑問を言語化して、かつもうちょい上の次元にまで昇華してくれる、そんな本です。

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2006/02/25 13:43

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2006/08/09 01:27

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2006/09/16 12:10

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2006/09/25 18:02

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2007/10/24 21:00

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2008/01/15 15:00

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2008/01/16 19:51

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2008/08/15 08:35

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2008/09/12 18:00

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2008/11/03 13:13

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2008/11/21 21:40

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2008/11/28 13:24

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2009/11/09 02:39

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