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教育関係者必読の一冊。能力は作るもの。完全なブランクスレート説に立つわけではないが,実際の生活や教育においては後天的な経験によって結果が変わるという説は親和性が高い。また,教えるを強調せず育つ部分に注目するアプローチも価値がある。構成主義的観点から考えても教育という営みに「育つ」要素は不可欠だ。
再読すべき本だな。
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カテゴリ:図書館企画展示
2013年度第3回図書館企画展示
「大学生に読んでほしい本」 第3弾!
本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。
高橋雅延教授(教育学科/心理学)からのおすすめ図書を展示しました。
開催期間:2013年10月1日(火) ~2013年11月15日(金)【終了しました】
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース
音楽の英才教育で世界的に知られる「スズキ・メソード」を考案したバイオリニスト・鈴木鎮一氏の著書。私が大学生時代に読んで、人間の成長と“教え方”について考えるきっかけを与えられた一冊。才能や教育に関心を抱く全ての人にオススメしたい一冊です。
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読書会の本。バイオリンを小さいころから習っていたので学ぶところはあったけど、音痴はなおらないよー、と思った。
鈴木メソードの楽譜はずっと使ってて、思い出深い。その楽譜がどうやってできてきたのか、作った人がどんな人かを学ぶことができた。
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ヴァイオリニストであり、スズキ・メソードの創始者でもある鈴木鎮一が、その教育法を確立していく過程を自ら振り返った1966年、37歳時の著作。
鈴木氏は、世界的には音楽教育家および教育学の理論家として著名で、音楽を通じて心豊かな人間を育てることを目的とする教育理論は、日本よりも欧米、特に米国で高く評価されているという。
鈴木氏は、30数年の体験を振り返って、「人間の能力は生まれつきではない。生まれた子は、大自然によって与えられた、生きようとする生命の働きのままに、おかれた環境のなかで、その環境に適応して、それぞれの能力を身につけていくのだ」と言い、「能力は育てるものだ。能力が能力を生む。能力は生まれつきではない。環境にないものは育たない」、「非才を嘆くは愚。くり返し、くり返せ。急ぐな、休むな」ということを、具体的な教え子たちとの経験を引いて語っている。
その教え子には、本書でも詳しく語られる、最初の教え子である桐朋学園大学前学長の江藤俊哉、現芸術監督、国際スズキ・メソード音楽院校長の豊田耕兒、また、スズキ・メソード音楽教室出身者には、さだまさし、久石譲、永世棋聖の佐藤康光、衆議院議員の田中康夫、社会学者の宮台真司など、様々な分野で活躍する人々がいる。
組織的に取り入れることは難しい類の手法なのかもしれないが、学校教育に留まらない本質的な教育法として、もっと広く知られてよいものと思う。
(2005年7月了)
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鈴木鎮一 「 愛に生きる 」音楽教育家の能力開発論
「一に人物、二に技量」その道にすぐれるためには 人間として、すぐれた人でなければならない
能力開発(新しい能力をつくる)プロセス
*繰り返しを繰り返す→知識が身につく→能力になる
*質の向上を目指す=もっと立派に
能力について
*生まれつきの才能はない→才能は育てるもの
*能力は自分でつくるもの→繰り返しを繰り返すこと→急ぐな休むな
*能力は 外部の環境条件に 順応して 内部に育つもの
*勘も育てるもの→ 勘とは 合理的な経験を土台に、瞬間的に働く確実性〜訓練なくして勘は育たない
すぐれたものを感じとる能力
*相手によるのではなく、自分の内部が感じとる
*常に謙虚に〜奢りは真実と偉大さを知る力が失われる
質の向上(もっと立派に)
*会得した一つの曲をうんと練習させる〜この曲の世界最高の演奏を聴かせる〜もっと立派に〜やがて高さが生まれる〜それは技術ではなく精神の領域
毎日のお参り「今日も1日ありがとうございます」で十分〜虫のいいことは言わないこと
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自分の子どもに才能教育を受けさせるかどうかは別として、
読んでいて、その考え方には背筋がピンと伸びる。
才能というものは、生まれつきあるものではなく、
その育った環境によって育まれるものである、という考え方。
それは、希望が持てるという意味で優しいようでもあるし、
自分の努力次第という意味では厳しいことでもある。
論理的、ではないという批判も目にしたが、
そもそも人を育てることが論理的に出来るのであれば、
苦労しないのではないか、と思う。
自分の子どもには才能がない、などと、
型にはめない、ということが大事なのだろうと思う。
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(目次)
●能力は育てるものだ
●耕児君とわたしたち
●非凡への道
●くり返しくり返せ
●わたしの歩み
●トルストイとの出会い
●モーツァルトに抱かれる
●思ったら実行せよ
●ヴァイオリンの才能教育
●こうして、いま
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これまで、スズキメソードについてほとんど知りませんでしたが、この本を読んで行間から溢れ出る鈴木鎮一先生の素晴らしいお人柄にとても惹かれました。
すぐやること、休まずゆっくり続けていくことの大切さを思い出させてくれる本。
はっとさせられる言葉がたくさん詰まった素敵な本です。
「私の心に響いた文章ベスト3」は…
「能力が身につく手続きには時間がかかる。(中略)もうだめだとあきらめてしまうとせっかく育ち始めていた能力も外に現れずにしぼんでしまう。そこを忍耐強く繰り返す。そうすれば立派に育ってくる。」
「いつの場合でも優れたものを感じる営みは相手によるのではない。それは自分自身のうちに感じ取る力を持っていなければならない。」
「1年でもそれを目指してやり続けることができるならば、短所は変じて長所となるでしょう。10年続ければ非凡の人となる。」
これらの金言を胸に刻み付けて、今日も練習に、仕事に頑張ろう!という力をもらえる大切な本となりました。
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1966年初版だからか、今は都市伝説とされており事実かどうか定かでない「オオカミ少女」のカマラとアマラの話を実在のものとして信じて書いている部分もあり、作者の専門外の部分は慎重に読む必要がある。書になっているからと言って鵜呑みにはできない。
「やるべきだと思いながら、ただちにスタートしない」ことが自分の成長の妨げになっている。
『観客席で両手を失う』という節にとても共感した。
本当に感動するものを見た時、沸き立って体が動くというより脳内で沸き立って四肢は全く動かなくなるという感覚になる。
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本物の人間教育としての音楽教育について、深い情熱に基づき書かれており大変感銘を受けた。
最上の環境において育てることが大事、天才という生まれつきの才能はない、どの子も育つ、育て方ひとつ
という言葉に、才能のなさを嘆くおのれの小ささを恥じいった。最上の環境をどこまで作れるかは自信がないけれど自分のベストを尽くそう。
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才能は生まれつきではない。努力の賜物である。
と、夢を見させてくれた大切な本である。
残念ながら、実体験から「才能」は生まれつき(遺伝の割合が大きい)と感じる。これは、近年の研究からも明らかになっている。天才は、もともと下駄を履いており、さらに努力を重ねて高みに昇っていくのだ。その努力にしても、コツコツやることを厭わない生まれつきの気質というのもある。
だが、楽しむだけなら、才能のあるなしは全く関係ない。この本の境地に至れるように精進したい