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誰しも女だったら考えたことがあるであろうちょっと黒い気持ちをすごくうまく的確に描いてくれてるからスッキリする、そんな短編集。
好きなのは岩盤浴にて、履歴のない女、履歴のない妹、声のない誰か
あ、ほとんどが好きだわ。
エッセイっぽいような話だからとっても読みやすい。綿矢さんと友達になれたらきっと楽しいだろなーと思った。
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2020.6 読了。
30を手前にした自分自身にとって、とても考えさせられ、強く共感するフレーズが沢山散りばめられていた。
時に自意識過剰と言えるほど人の目を気にしてしまったり、自分の未熟さを思って現実逃避したくなったり、身勝手に振る舞ってみたり。
簡単に、前からそうだったように変わってしまう自分への疑問。一旦育ってきた家を出ることの心細さのようなもの。
怒りっぽい自分に疲れきったり、デマに翻弄されたり、固執してきたものも、一旦手放すと楽になることに気付いたり...。
自分だけが気にしたり考えたりしているわけではないと、ある意味安心させられるというか、そんな印象を与える物語が詰まった短編集。
また読み返したい。
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初の綿矢作品。
エッセイのようなものや、小説など、八編。
すべて女たちの思いが描かれているが、共感できる部分が多い。
一見ダメなヤツでも、色々考えていて実は一生懸命生きている。
柔らかく優しく肯定してくれる短編集、
よかった。
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こじらせ暴走成分は抑えめ、その分妄想が広る短編集でした。
私小説っぽいところもありますが、作者のことなのか登場人物のことなのか、はたまた自分なのか…?
読んでいるうちに、深いところに潜っていく感覚が心地よかったです。
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(2018/4/24読了)
これまで読んだきた綿矢作品も、単行本一冊にひとつの物語は少ない。短編が得意なのか?上手い作家さんじゃ無いと短編で成り立たせるのは難しいと聞いたことがあります。確かにそうかも。でも、「ベッドの上の手紙」はあんまり好きじゃ無いな。
密かにというか、敢えて声に出さない思いが事細かく文字にされている。それを読んで納得する。こういうこと考えるのは私だけでは無いだと安心する。まるでエッセイのような書き方で、「こたつのUFO」の途中で、エッセイなのか調べてしまったほど。
他人の話か気になるのはなぜか、怒りを抑えるための感情の持ち方。とても面白い。
(内容)
少女も、妻も、母親も。女たちは、このままならない世界で、手をつなぎ、ひたむきに生きている。恋をして、結婚し、命を授かった―。人生の扉をひらく、綿矢りさの最新短編集。
(目次)
岩盤浴にて
こたつのUFO
ベッドの上の手紙
履歴の無い女
履歴の無い妹
怒りの漂白剤
声の無い誰か
意識のリボン
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様々なシチュエーションでの女性の視線から見える世界を描いた短編集。
1作1作に重みはないけれど、ちょっとしたフレーズに共感出来る作品。
一番のお気に入りは「怒りの漂白剤」。自分もこの作品の主人公のように感情をコントロール出来ない時期があって、それを過ぎて、妥協出来るような人間になったんだなぁ、と物凄く共感。
短い作品の中に考えさせられる部分も多く、「絶対読みたい!」と言う作品ではないけど、「読んで良かった」と思える作品。
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色々な女性の心の揺れを作者独特の表現で作られた短編集。たまにエッセイか?と思う短編もあったり、作者自身の声なのかなと思わせるものがあったり。いつもより実験的な作品が多い感じがした。
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いろんな鬱憤を撒き散らしたあとの表題作「意識のリボン」とてもよい。臨死体験を経て人生観が一変する、という単純な話......なのだけど、あっちの世界の眺めや意識の流れがつぶさに語られていて、VRのような臨場感で心が洗われる、ようだ。昏睡中には自分の名前が思い出せないから「呼んで」だとか、一線を踏み越えた感のある描写にはなんだかドキドキした。
全編読めばデトックス効果が期待できる?(岩盤浴もいいけど。)
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うーん… 短編によっては読まされたり、メタに走ってひやっとさせられたりしたが、色んなところに書いたものが集められておりなんとも。
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最初、エッセイを読んでいると思っていました。よくある日常ネタでなるほど、そういう風に考える人がいるなぁ、と思っていました。が、姉妹の話でグニャリと歪んだ内容に違和感を覚えました。これはエッセイなのだろうか?と。次の短編でやっとこれは小説なんだ、と。この巧妙な短編の組み立て方が凄く素晴らしかったです。
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8つの短編集。今回は、膿というか心の底を吐き出しているって感じかな。年齢的に感じるものがあるのかしら。作品の中で、「意識のリボン」が、綺麗にできてる。面白く感じたのは「こたつUFO」。女は一生、自分にとっての本当の幸福なんて分からずに生きていく、なんて! 難しいなあこれは。
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短編ばかり8編、これは随筆なのか私小説なのか、徒然なるままに書いた綿谷流徒然草または草枕?しかしあくまで短編小説なのだろう。結婚して家庭の近辺でしか小説のネタが思いついかなかったのか、ごく下世話な話が多かった。最後の意識のリボンは宗教にまで達観したのかとも思ったが、そうとも思えない。創作に行き詰まっているのだろうか?
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少女も、妻も、母親も。
女たちはみんな、このままならない世界をひたむきに生きている。
迷いながら、揺れながら、不器用に生きる女性たち。
綿矢りさが愛を込めて描く、八編の物語。
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表題作のほか、「こたつのUFO] 「ベッドの上の手紙」 「履歴のない女」 「怒りの漂白剤」 「声の無い誰か」
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エッセイなのか小説なのか、一読判断がつかないようなテイストの物語たちである。作家の葛藤のようなものも書かれているが、それも著者の胸の裡とは限らない。だからこその小説の愉しみだとも言える。その辺りにあれこれ想像をめぐらすのもまた愉しい。本作に描かれている女性たちの生き方は、一般的なものとは思えないが、彼女たちの生きづらさはよく伝わってくる。なかなか興味深い一冊ではある。
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最後が特に良かった。小説なのかエッセイなのか分からない、不思議な短編集でした(作者もそこは明らかにしていない)。
「勝手にふるえてろ」に収載されている「仲良くしようか」に少し近い、スピリチュアルな夢を見ているようなふわふわした不思議な感覚になれる本だなと思いました。
表題作の「意識のリボン」は生から死、天国から地獄までまるっと全て体験した気になってしまうお話で、家族とか生きる意味とか色々考えて、図書館で泣いてしまいそうに……
そして「怒りの漂白剤」は本当にあればいいのになぁって思う。自分含めて各自洗濯するべきだろう。
図書館で借りた本だけど、いつか手元に持っておきたい、そんな1冊になりました。
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建前と欺瞞渦巻く世の中にあって提示されたものをそのまま鵜呑みにするのはあまりに愚か。大人であれば、これまで歩んできた経験を活かして裏道を行くのもあり。他方、見えない分からない出来事まで邪推していると、選択肢を狭めることにもなる。色々と疑いたいのを一旦こらえて細かい文句をつけずに勇気をもって受け入れてみるのも大人だからこそできる素直さ。肩の力をすっと抜いて、世の中の身近な平和を喜びながら、色んな物を見て聞いて、できる限りたくさんの経験をする。すいすいと歩いていく。これが大人の賢明な生き方。