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感動的な物語ではあるのだが、正直話自体にはさほど目新しさを感じなかった。やはりメフィスト賞受賞作となると、何か一つ突き抜けたものを期待してしまう。
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一年しか記憶を持つことができなかったら、
主人公は、そんな症状に悩まされながら生きる、女性です。そこに現れる、ある男との出会いで、過去の忘れてる自分にあった出来事を思い出したり、苦しんだりするお話です。
この本を読みながら、自分がもし主人公と同じ症状ならどんなふうに感じるのか、考えながら読み進めていました。
ちょうど、この前の読者が余命が限られた女性の小説だったので、どこかクロスオーバーするところもありつつ、人の生きてる意味とは生きてることでもあり、記憶や思い出なのかと。
本作は、静岡県が舞台で、静岡の方はおなじみの場所も登場するので、馴染みのある方にもおすすめです。
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だぜ彼はそこまでして、彼女と付き合おうとするのか。
怪しげな行動をする彼に戸惑いながらも彼の作ったシナリオに沿うように行動する彼女。
彼女は事故の影響で、記憶が1年しかもたない病気なため、なかなか事故で両親が亡くなったことを、実感出来ない。
そんな時、彼の秘密が明らかになってくる。
果たして彼の目的は!?
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記憶障害を扱った物語は意外と多い。障害に立ち向う健気さに胸を打つが,数が増えれば感動は薄れてしまう。本作だが,今までにないアイデアのおかげで,他とは違うゴールになっている。なかなかに面白かった。
あらすじ(背表紙より)
私は1年しか生きられない。毎年、私の記憶は両親の事故死直後に戻ってしまう。空白の3年を抱えた私の前に現れた見知らぬ小説家は、ある賭けを持ちかける。「1ヵ月デートして、僕の正体がわかったら君の勝ち。わからなかったら僕の勝ち」。事故以来、他人に心を閉ざしていたけれど、デートを重ねるうち彼の優しさに惹かれていき―。この恋の秘密に、あなたは必ず涙する。
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『メフィスト賞を、いきなり文庫で』
メフィスト賞にしてはサプライズが小さく、無難な感じ。
表紙にもう一捻り、欲しかった。
「本物を感じる」というセリフに共感できた。
古いものと記憶というものは、まさしく二つで一つの、離せないものなのかもしれない。
千鳥と、真人のように。
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主人公の千鳥は、交通事故で両親を亡くしたことをきっかけに記憶障害となり、毎年1年分の記憶を失うようになってしまう。物語は3回目の記憶喪失の後から始まる。千鳥は親友の栞や主治医の小林先生に支えられて生活しているが、またこの1年の記憶を失ってしまうことを思うと、将来に希望を持つことができないでいた。そんな彼女の前に、天津真人と名乗る男が現れる。彼は千鳥のことをよく知っているようだが、千鳥は彼のことを覚えていない。天津の賭けに乗り、千鳥は彼と期間限定のデートをすることになる。
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記憶喪失ものとしては割とベタな展開なのでは、と思う。結末途中で分かったし。まあ、ガチのミステリーというわけでもないから、それは別に悪くない。千鳥が天津の正体に気づくシーンや、栞や小林先生が天津に協力していたという所にはもうひとひねり欲しい感じはしたけれど。感動はしなかったけど、結末の形は綺麗で、面白く読めた。
だからこそひっかかるのが、謎の浜松推し。作者は本作の舞台の静岡県浜松市で育ったということだけど、それにしても、作中に浜松の地名や施設名がそれはもうたくさん出てくる。どこかの紹介文で数ページとおかずに浜松が登場、と書かれていたけど、まさにそんな感じ。でも、それらは本作のストーリーには何ら関与していなくて、ただ出てくるだけ。地名を出すだけならリアリティを出すためにアリだと思うけど、ローカルな遊園地やハンバーグチェーン店まで説明付きで出す必要はないだろうと思った。ちょっとした宣伝になっちゃってるし、お金貰って名前を出しているんじゃないの?と勘繰るレベル。本作を読んだからといって出てきた浜松の場所に聖地巡礼よろしく行ってみたくなるとも思えないし、物語としては逆効果だったと思います。
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こうした記憶喪失絡みの設定の小説は涙してしまうとわかっていたので、温泉施設で一気に読んでその後お風呂へ。
主人公千鳥の「聡明でクールな女」を演じようとするところや、「左脳や、頭で考えた決断」をしてしまうところに共通点を感じるので、入り込みやすかった。本当は甘えたかったり、本当は頼りたいけれど、ひとりになってしまうのが怖い。怖い思いはしたくなくて、ひとりでも大丈夫な、誰に頼らなくてもやっていけるような自分を目指してしまうところ。
とても自分に似てるところがあるし、とても自分には辿り着けないような強さも感じる。とても辛い体質を持っていても、前向きに捉える視点を持っていたり、でも完璧じゃなかったり、素敵だと思うけれども愛おしいなと思える存在。
なので、真人の存在は素直に羨ましいと感じたし、でも、いちばん最初に会った時には拒絶しまくってたのだから、肚から愛せる相手なんて一目惚れとは限らないんだなと思ったり。
一方で真人は一目惚れに近いし、そして千鳥も、1度結ばれていた後記憶を無くしても、また会った時に感情の記憶がのこっているからどことなく覚えてるというのもなんだか運命的。これって、小説だからなのもあるけれど、そういう認知って本当にあるとしたら、つくづく人間は不思議な生き物。
記憶喪失についてはまだ解明されてないことがある中での記述だけども、記憶喪失について探ることは、人間の奥深くの脳の記憶と感情の関係について知ることと思うと少しばかり興味がわいた。
千鳥の感情が溢れるところは共感しまくって涙ボロボロ鼻水ずるずる。笑
きっと感情に蓋をしてしまって、怖いことや哀しいことから目を逸らしてしまうことって、こんな壮大でなくても、大なり小なり誰にでもあって。それを重ね合わせて吐き出せたような、そんな心持ちにもなれた。
真人さんの日記の記述は、最初の日記からなんだか物悲しくてほろっとくるものがあったけれど、伏線として最後に回収されていく。多少の不自然さも、少し心にとまる程度で、後から点と点が繋がるような感覚を覚えるような感じ。
いま将来について考える自分にとって深く残ったのが、千鳥が「さわやか」で真人に仕事の相談をさるところ。まるで自分へのアドバイスのように染み渡る。
「もっと感情を使って考えたら?」
「最初から楽しめそうな仕事を選んだほうが良い気はする」
「誰でも最初の一歩は怖いんだ。怖くても飛び込まないと、なにも始まらない」
だからこそ、最後に真人の日記を読んだ後に先生から「彼の影響で君に変化が起きたなら、彼も進めていることになる」と告げられて、
即家具屋の奥さんに電話をするという行動に繋がったところに、わぁーー!っという感情の盛り上がりがあった。
本を読んだからにはワンアクションを。
もっと感情を使って考えて、最初から楽しめそうな仕事を選んで、怖くても飛び込んでみたい。
使命感ではなく、してることが楽しいと思えるような、そんな仕事を。まずは、
「なにしてる時が楽しい?」
という問いかけをして、仕事の選択に繋げていこ���と思う。
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メフィスト賞受賞。どんな仕掛けがあるのかと思いきや、案外まともな恋愛小説であった。
しかしながら、肩透かしというわけではない。伏線のはり方や見えてくるある一つの真実(アレではない)には作者の巧妙さが感じられる。
ラストに向けての展開は、見えやすいきらいがある。そこにサプライズがほしいというのは、メフィスト賞だからであろうか。
ミステリばかり読んでいると、純粋な気持ちな登場人物たちさえ疑ってしまうのはよくないですね。素直な気持ちに戻って、泣く準備をしておきましょう。
ヒステリックな女ってこうすればいいのかと学んだ私の心は穢れているのでしょうね。
途方も無いあの真実は、密室殺人をせっせと工作するより遙かに大変だろうな…
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一年ごとに記憶をリセットしてしまう彼女と、そんな彼女に手を差し伸べる彼。
小松菜奈とかで次々に実写化されてそうな、見渡す限り素敵な前例がいくつもあるジャンルの最新版で
メフィスト賞受賞作ということで手に取った。
昨年の受賞作3連発祭の最後を締めくくった青春恋愛ミステリー。
愛は挑戦への原動力。何事も。
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まさかの展開に驚きました。
そして、真人の千鳥ちゃんへのまっすぐな愛情がとても綺麗でした。
愛する人のために頑張る真人の姿に感動しました。
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千鳥は勝手に「Infini-T Force」の界堂笑のイメージで。本作もそうだけれど、「記憶喪失もの」は読了後、似たような「その後」を想像させるけど、そう考えると西尾維新の「忘却探偵シリーズ」は一線を画したものになっているなあと。「混雑する」の意味で「込む」と書くこともできることを知りました。最初に日記に「薔薇嫌い」の件書いてあってもいいのじゃないかなと思ったけれど、それ以上に彼女とデートできたことが嬉しかったのかなと解釈。
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初もっちぃ。メフィスト賞受賞作。帯の文句がこの作品の全てを表現していた。
“すべての伏線が愛—— 。”
まさにその通りでした^^ 星五つ。
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面白かった。
メフィスト賞にしてはパンチが弱かった気がするけど、良い話だった。
メフィスト賞にしてはちょっと良いお話すぎた。 放送作家という肩書を持つ著者ならではないかと思う。
貧弱な語彙力では感動した、感涙だ、としか言葉が出てこないが、こういう話もありだなと思える。
たまにはこういう話を読んで、濁った心を清浄しないとね。
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毎年特定の日まで記憶が戻ってしまう症例は初めて知ったので興味深かった。愛の力は偉大だね、というお話だった。
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記憶障害になっても一目ぼれみたいな
感情の記憶はちゃんと受け継がれている
それは なかなか希望のあるいい話だから
毎回 好きになれる理由に納得しやすかった