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2018年、25冊目は、道尾秀介。個人的ワケあって、久々に週跨ぎで読みました。
ラジオDJ桐畑恭太郎は素敵な声の持ち主。しかし、そのルックスと私生活は冴えない。そして、今夜も、放送終了後、始発まで営業のバー「if」へと向かう。常連が集う、バー「if」にずぶ濡れの三梶恵が現れたことで、恭太郎と、バーのママ、常連達は恵の計画に巻き込まれていく。
ギリギリギ……ギ……ギ……。
道尾流エンターテイメントの一つの到達点か❔全体を覆うのは、ドタバタ系コメディー要素。「……しようか」の下り、特に第四章の方とか、もぅ、ツボにハマりまくり。
ギリギリギ……ギ……ギ……。
一方で、所々に不穏な空気感も漂わす辺りは、流石の一言。
ギリギリギ……ギ……ギ……。
恵の計画は、全体的に出来すぎ感も否めないし、特にクライマックスなどは大マジメにドタバタやってる感あり。
ギリギリギ……ギ……ギ……。
「南無三!」
そして、エンディング。目一杯引かれたパチンコ(弓)は一気に的を破り、その向こう側へ。「if」のママ、常連、そして恭太郎が抱える裏側が、伏線回収的に明かされる。この振り幅……。コメディー要素にちりばめられた、不穏な空気感が一気に凝縮し、のしかかってくる。
好みは分かれるかもしれないが、個人的には、『片目の猿』のキャラ立ちを踏襲した、ミステリ色濃い、道尾流エンターテイメント作品。満足の★★★★☆評価。
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振り幅があまりに大きい。
出来過ぎ感のある復讐劇、それに巻き込まれるバーのみんなのドタバタ劇、シリアス必須の逃亡の場面ですら笑いが散りばめられていて、読者はきっといい意味で振り回される。
最後に回収される全ての伏線とラジオの裏側に、恭太郎の「いつか必ず。」がまるで朝焼けのように思えた。
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今年18冊目。
声だけは良くて見た目はダメ…というDJが、
人を殺したかもしれない少女の事情に巻き込まれていく話。
コミカルな描き方でストーリーは進んで行くけど、どこかしこに違和感を感じつつ、、
そして読み進めていくと…。
やっぱり道尾秀介の話やなぁ!って感じの
お話でした。
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ラジオパーソナリティ桐畑恭太郎 いい声だが容姿が伴っていない。
仕事終わりにいつも寄るバー「if」雨の日、いつものメンバーが集まっている。
ふと外で何かが落ちる音がした。その後不思議な女性がバーに入ってくる
恭太郎はその女性、三梶恵をある事から今は出産後実家に帰っている妹と母親がいないマンションに妹と母親が帰ってくるまでという約束で住まわせる。
恭太郎とバー仲間は三梶恵の怪しい計画に付き合わされ最後は死んだと聞いていた三梶恵の父親とともに危ない事件に頭を突っ込む事に。
これはどんなジャンルの本になるんでしょう
ミステリー、恋愛、感動、いろんな要素が入っています。
最後の恭太郎がラジオで脚色して話したエピソードの本当結末は少しウルっときました。
バーの名前「if」もし……
なんか登場人物と関連していてよかった。
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やっと読み終わった。中盤からは読むのがきつかった。後ろ30ページくらいがよいけれど、そこまでたどり着くのにダラダラとした感じで疲れる。最後まで読むと、あぁ道尾秀介だなぁと思うけれど。
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主人公のラジオパーソナリティーととあるバーに集まった人たちが、訳ありげなヒロインの謎の殺人計画に巻き込まれて繰り広げる物語。合間に挟まれる主人公のラジオで話す話になんとなく違和感を感じつつ、勧善懲悪系のよくありがちな話かな?と思いきや、2回くらい予想をひっくり返された。やはり道尾秀介だなと思う。こういうオチの話は好き。
ただ、全体を通して躍動感が感じられる文体が読みやすさを妨げているようにも感じたので、ある意味では映像で観てみたいな、とも思う。
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はじめは透明だったのに、ページにどんどん彩りが加えられていく。ラスト数ページで一気にきた。気付いたらホロホロと泣いていた。
優しい嘘つき、恭太郎。だから好きなんだ、ラジオって。鈴木おさむさんの解説も良き。
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主人公は、見た目は冴えないが美声を持つラジオパーソナリティの恭太郎。
ラジオの収録後、常連のバー「if」で飲んでいると全身ずぶ濡れの若い女性・恵が現れた。
思いがけず恵を騙すことになってしまったバーの常連たちは、彼女の復讐計画に巻き込まれることになる…。
中盤まで、何となく違和感とちぐはぐさを感じつつ、職業も年齢もバラバラでクセの強いバーの常連たちの軽妙な会話のやり取りが楽しくてどんどん先を読んじゃいます。
テンポの良いコミカルな語り口はページをめくる推進力となったものの、だんだん展開がモタついてきて何だかイヤな予感…。
そして終盤…ちょっとドタバタアクションが冗長で退屈だったけど、怒涛の展開に。
ラストはじわりと涙が出てきましたが…ちょっとズルいよねー。
こんなラストでは泣く人も多いだろうに、取ってつけたようなオチになっていて反則だと思いました。
後出しジャンケンでもいいんだけど、もっと良いやり方があったはず。
最後が唐突すぎて、気持ちよく騙された感じがしないのです。
小説って微妙で絶妙なさじ加減と伏線で成り立っているのだなー、と再認識させてくれました。
嘘や虚構が人を守り救ってくれるというテーマはすごく感動しました。
目に見えないものを信じたっていいよね!
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引き篭もりっぽい恭太郎が何故かバー「if」の中でだけは伸び伸びと振舞う不思議さ。訳あり感全開で精神的にも危ない雰囲気が漂う恵にifのママや常連達が素直に翻弄される違和感。意味深に挿入されるラジオ番組内のトークなど、とにかく先への期待感を煽る仕掛けが満載の前半と、どんどん危険度が増していく中盤、そして意外な事実がどんどん明らかになる後半。
ラストはちょっと物足りなかったけれど、協力し合いながらも無理をせずゆっくりどん底から立ち上がろうとする人たちの描き方がよかったです。
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ミステリと思って適当に手に取って読み進めていくうちに「ん? なんだかハートフルドタバタコメディじゃあるまいな〜?」と不安になってきた(笑)。
中盤以降もその不安がぬぐいきれず話に入りきれなくて斜め読み。最後のネタも死ネタを使うのはセコイ感じがした。
あーん、相性が悪かったのか、期待しすぎたせいか…
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優しい嘘の物語。
カメレオンー周囲と溶け込む「擬態」を使って身を守る。
透明ー本書では「嘘」もとい「想像力」を暗示する。
ラストまで、表題の意味にピンとこないかもしれない。
ドタバタコメディかと思いきや、
終盤に2転3転と事実が明るみにされ、表題の意味がずんと響く。
透明な卵を破り小さなカメレオンが顔をのぞかせる、そんな情景がラストに見えた。
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あまり現実感がないというか、リアリティのない展開で、このまま不完全燃焼で終わるのかと思ったら、最後にズドンと落とされた。
このどんでん返し、というか、暴露は好きになれない。後味の悪さだけが際立ってしまった。
これも一種のイヤミス?
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ラジオパーソナリティの桐畑恭太郎は、その残念な容姿に似つかわしくない程の美声の持ち主で、自分がメインパーソナリティを務める「1UPライフ」はけっこうな人気番組となっていた。ちなみに34歳、童貞。
恭太郎は仕事が終わると、行きつけのバー「if」でママや常連客と飲むのが日課なのだが、ラジオで話す内容は「if」の人たちの体験談にアレンジを加えたものが多かった。
「if」にいるのは、会う度に髪型が変わるオーナーの輝美ママ、有名店のナンバーワン・キャバクラ嬢の百花さん、都内で害獣害虫駆除の小さな会社をやっている石之崎さん、美人ホステスのレイカさん(近所のゲイバーで働いており、本名は智行)、「仏壇の重」七代目店主の重徳寺重松(69歳)。
その日も、数人で飲んでいたところ、突然全身びしょ濡れの若い美女が入ってきた。彼女の登場をきっかけに、「if」の仲間たちはある殺害計画を手伝わされることになる。
彼女の名前は三梶恵。初めは意味不明だった計画も、会社が倒産して自殺した父親の復讐のために、その原因を作った不法廃棄業者を狙っているようだが、それでもまだ色々と謎が多い。しかし、恵がターゲットの男に連れ去られた事で、計画の謎が明らかになっていく。
実はターゲットだった男は恵の父親で、会社を倒産に追い込んだ不法廃棄業者に復讐しようとする父親を止めるため、業者に命を狙われていると思わせることで父親の無謀な復讐を踏み留まらせる計画だったが、結局奥多摩付近の山中にある不法廃棄現場に乗り込んでしまう。
それを追って「if」の仲間たちも助けに向かうが、逆に屈強な男たちに追われる事になる。何度も捕まりそうになりながらも、恭太郎がスーパーマリオ化したり、百花が機転を利かせたりしたことで、遂に業者の撃退に成功した。
山中での長い長い夜が明け、恭太郎は聞かせたい話があると恵を誘う。そこて、「if」のみんなの真実、恭太郎自身の真実が語られる。
面白かった。登場人物も個性的で良かったし、お笑い芸人のネタのような語り口や、恭太郎の変態的な行動も地味に笑えた。
あと、愉快な仲間たちだった「if」の面々が、それぞれ深い闇を持っていて、それが普段の雰囲気のせいでより一層引き立っていた。
「if」の仲間たちを観ていると、こんな風に都会で孤独に暮らして、仕事終わりにバーに通って、知らない人と寂しさを埋め合うような日々も経験したかったなぁと、少し羨ましく感じた。
透明カメレオンというタイトルの意味はまとまらなかったので、とりあえず無いものを有ると思う力、思い込み、不幸な色を幸せにな色に変化させる、人は変われる、そんな感じかな。
後半までかなり引き込まれて読んでいたのに、最後はちょっとあっさりしていて残念だった。恭太郎と恵がお互い曝け出して、心が通じ合えたんだとは思うけど、正直あれ?終わり?って感じで、物足りなさを感じてしまった。
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コロナ籠りの為図書館で借り貯め。
久しぶりに道尾さんの小説が読みたくなったのと、松坂桃李が絶賛と聞いて。
さすがの、現実とファンタジーの塩梅が絶妙な設定とどんでん返しです。
ただ、頁を捲る手が止まらなくなることはなかったかなあ。
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序盤中盤は淡々と読み進めていましたが、最後の最後でようやくこの本で語られようとしていたことがわった気がします。自分の弱さと向き合うことの難しさ、でもそれをなんとか抱えて生きていかなければいけないことはそれ以上に難しいこと、思わぬ形で回収されていった付箋にも驚かされました。