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深夜のラジオパーソナリティが主人公。番組後に通う行きつけのバーにある日、びしょ濡れの女性が現れたことから騒動は始まる。
ちょっとしたことからちょっとした弱みを握られ、バーの常連全員が彼女の不穏な企みに協力させられる。最初は理由を明かさなかった彼女だか最終的には打ち明け主人公と常連たちは彼女に協力しようと決める。
そんなある日、彼女が何者かに連れ去られた。主人公は単独で彼女を助けに行こうとするが、結局常連みんなで助けに行くことに。しかし絶体絶命のピンチに立たされる。
ほとんどの登場人物はステキなのだが、ヒロインが気にくわない。自分のことしか考えず人を利用して嘘に嘘を重ねる。しかも悪女ぶったりするわけでもなく当然の如くそう振る舞う。主人公も常連たちもよくこんな女を危険を顧みず助けに行ったなと。
あと、ラジパーソナリティが主人公なのでもっと声に関することとかラジオの話とか出てくるのかと思っていたが、ドタバタ劇が大半だった。
最後の最後で人の痛みとか悲しみとかに触れるが、その前のドタバタに辟易して、すっと入ってこない感じ。
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ラジオパーソナリティーの恭太郎が主人公の物語。
恭太郎は深夜番組の放送終了後 毎晩通うバーがある。そこである晩突然見知らぬ女性が飛び込んで来る。
その女性に振り回され ある事実に辿り着き、またバーに集まる仲間たちの過去、恭太郎自身の真実の姿も最後には明かされる。
全体にほのぼのした雰囲気が漂い、恭太郎のキャラクターも頼りなさがあり 暴力的なシーンですら緊張感なく楽しく読めた。
道尾秀介らしくないと言えばそうだが、この作者の知らなかった側面を知った。
不満は最後の場面。
どうなるかまで書ききって欲しかった。
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新大阪駅で友達を待つ間に購入。読み進めても、自分の中で腑に落ちない気持ちがあったが、最後にはなるほどと思うことができた。その人が生きてきた人生がその人をつくって行く。当たり前のことだけど、その当たり前はなかなか見えてこない。
想像力が人を優しくさせるのかもしれない。
繋がりの大切さ、奥ゆかしさを感じさせてくれる物語。
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他人を魅了する美声ながら容姿が冴えない『桐畑恭太郎』は、その特性を生かし深夜ラジオのパーソナリティーをしている。
いつもたむろしている馴染みのバーに突然現れた若い女性に、美男子と間違われたことから騙してしまい、お詫びとして妙な行いを強要される。それが彼女の父親を騙した男への復讐だと知った恭太郎は、バーの仲間と共にその計画を手伝うことにする。彼らは悪徳産廃業者を懲らしめることができるのか?
キャラが強めだし、ちょっとギャグ寄りなのかと思わせる文章。
本気ではないとはいえ、殺人計画になぜ手を貸そうと思ったのか理解に苦しんだけど、そういうことだったのか。
この著者らしく最後まで騙してくれたけど、カメレオンの消えた世界は悲しすぎる。
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周りの人とは違う素敵な声とチンチクリンで冴えない容姿の持ち主が主人公。
「ラジオから聴こえるイメージが崩れないよう」意識しながら過ごす日々の中で心の拠り所となっているのは、とあるバー。
馴染みのメンツしか見かけない、そんなバーに突如現れた様子のおかしい女性。
関わっていくうちに「ある計画」を手伝わされていく...
とちょっとシリアスそうなあらすじなんですが、キャラが濃いバー仲間たちやそんなこと起きる?!というハプニングなんかがコメディ感強め。
そんなドタバタ劇を読み進めていくと、「ある計画」の真実が見えてきてそこからは畳み掛け。バー仲間ひとりひとりの過去と想い、主人公がラジオを通して今まで伝えてきたことの意味がわかって、さっきまで感じてたコメディ感から雰囲気がガラッと変わる。
こんな物語どうやって思いつくんだろう、、、
面白かった!!!
自然に、簡単に、哀しさや苦しさを遠ざけられない人に届いてほしい1冊。
ラジオもバーも私が好きなものですやんと思ってたら解説を担当された鈴木おさむさんが同じこと書いてて(書いてて、というよりご自身のラジオで発言されたものを書きおこしたっぽい感じなので、喋っててが正しいかも)とても共感できる素敵な内容でした。
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ラジオはすきなのでそこは楽しく読めたのですが、突然空想が挟まったりするところ、終盤のごちゃごちゃ感含めあまり好きではありませんでした。
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面白かった
コメディタッチの軽いミステリー
しかし、最後の最後は胸打たれます。
ストーリとしてはハチャメチャ(笑)
ラジオパーソナリティの桐畑恭太郎は、素敵な声と冴えない容姿の持ち主。仕事が終わると、行きつけのバー「if」でママや常連客と飲むのが日課です。さらに、放送では、その「if」の仲間たちの話を面白おかしく作り変えてリスナーに届けている設定。
ある大雨の夜、びしょ濡れの美女(三梶恵)が入ってきて、「コースター」を要求。しかし、実際には...
彼女は恭太郎のファンで、彼女のイメージを壊したくない恭太郎はイケメンの常連客を身代わりを立てますが、
結局ばれてしまい、彼女から「殺害計画」を手伝わされることに。
その殺害計画においては、「if]の常連客も手伝わされ、意味不明な指示を受けます。
その指示内容の意味も、計画も徐々に明らかになっていきます。
殺害計画のターゲットは?
その真相は?
というところから、ついには、「if]の常連客達も含んだ奥多摩付山中でのドンパチ。
無事山中から殺されずに脱出できるのか?
といった展開です。
そして、ラスト、恭太郎が恵に語る「if」の常連客達の真実と闇、さらに恭太郎自身の真実。
ここがかなり反則!
ユーモア的な展開から、最後の最後で語られる真実は、胸を打ちます。
それぞれが抱えていた闇、哀しさ、苦しさ。
しかし、人は変わることができる
エンターテイメントとして楽しめました。
お勧め
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ずっと、好きとは言いがたいのに読んでしまう作家でした。いくつかは凄く好きな作品もあったけれど、ひねくれすぎだと思う作品のほうが多かったから。でもこれはなんだろう、あったかい。変形版伊坂幸太郎みたいな印象も。
BAR ifはもともとあったはずなのに、ifを考える人たちの集う場になっていたんですね。ちょっとホロリ。自分を呪い続ける彼らに新しい「いま」をつくるラジオDJ、ええやん。
誰もが振り向く声とギャップが大きすぎる容貌は想像しづらくて、恭太郎をイメージできないから、どなたか具体例を挙げてもらえませんか(笑)。
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後半からは展開が進んだため、最後まであっという間でしたが序盤は手が進まずでした。
嘘により始まった物語の真実が明らかになり、自然と涙がでました。最初はラジオの内容が誇張しすぎていて、いい気持ちはしなかったけれど、悲しい事実や目を背けたくなるような本当のことを、少しの本当と少しの嘘でその結末の呪縛から解放できる優しい主人公でした。
恵さんのラジオネームは途中で気づいてしまって残念でした。笑
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嘘の力と、それを支えにして前を無効としている人間の尊さを描きたかったのかな?道尾作品は嘘の力っていうのが度々出てくるなー。
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何か本当につらいことがあったとき、それがなかったかのように日常をすごして傷に蓋をする気持ちも、もっとつらいことを想像したり体験したりして、あれはたいしたことではないと思おうとする気持ちも、よく理解できた。簡単なはげましで救いにしようとしない、本当にひどい出来事をひどいままにしてくれる作品だなと思った。ヒロインがもうちょっと好きになれたら、もっと楽しめたと思う。
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イイ声の持ち主も、意外と大変なんだなぁ。バーの仲間たちが楽しくて読んでいただけに、最後は何だかなんとも言えない気持ちになった。
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とても長いストーリー。
主人公のキャラクターが優しくて
とても好きだ。
自分の弱さがむしろ大好きだと
素敵な声で語られたら
どんな容姿であろうと
その強さに惹かれてしまいそうだ。
ラストではじめて見えてくる風景は
コミカルな内容を覆すものだけど
読後感はとても良かった。
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久しぶりに道尾秀介の作品を読んだ。
いつもの道尾節とクオリティ…
…なんだけど、こちらが慣れ過ぎてしまったというか麻痺してしまったというか。相当贅沢で過剰な要求をしていることは分かってはいるのだけれど、気持ち良くまんまと騙されたいという期待には今ひとつ応え切れていないかなぁというのが率直な感想。
視点が変わると、これまで語られていたことがオセロのコマがパタパタとひっくり返るように変化するのは気持ち良いのだけれども、擦れちまった道尾ファンはホラ来たやっぱねぇみたいな感じになっちまうんだなぁ。これが。
フツーに面白い、いや、かなり面白いとは思うのだけれど。
かつて、KISS、QUEEN、AEROSMITHの人気が下火になったみたいに読者側のもっともっとという要求は留まることが尽きないということって、こういうことなんだと改めて認識してしまった。
道尾さんすんません。
1UPライフにこっそりドラフォを仕込んでいるみたいな小ネタはツボ。
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初めての道尾作品
個性豊かなbarの仲間達が、ある事件に巻き込まれていく、面白おかしく、最後には人の弱さ、温かさ、懐の深さにじーんとさせられた一冊。
最初は、なんだか前置きが長いな~と思ったり、最後の展開がなんかスムーズじゃないような気がしたり(いろんな出来事がそうだったから繋がってはいるんだろうと思うけど)、ちょい☆マイナスポイントはあるけど、読了感はよいな☺️