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雑草とは何か。雑草の戦略とは。植物についてこんなに面白く解説した本に初めて出会った。除草剤がどうやって植物を枯らすのか、実にわかりやすく解説されている。また、「多様性」の概念も単純ではないことを学ぶことができる。人生訓としても読める素晴らしい書籍です。
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雑草に限らないが、生物が子孫を残すための執念は凄い。特に雑草はその戦略がユニークで、読んでいて飽きさせない。絶妙な比喩で分かりやすい解説による所も大きいのだが。
雑草は競争力が弱いが故に、他人(他草?)の嫌がる場所を選んで根を下ろし、少々環境の変化が起こっても種子を残せるよう特異な進化を遂げているのは示唆的だ。また同一ニッチ環境では最も強い種しか生き残れないというガウゼの法則にも驚愕。ビジネス上も「雑草戦略」から学ぶべき点は多い。
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2018年11月「眼横鼻直」
https://www.komazawa-u.ac.jp/facilities/library/plan-special-feature/gannoubichoku/2018/1101-7185.html
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ゴルフ場に、周囲の芝生の長さによって背の高さを変える雑草がある(同じ種類だけど個性があって、芝刈りに耐える背の高さのものが生き残る)
セイタカアワダチソウは外来種で、毒を出すことで猛威を振るったけど、その毒で自分がやられて今はそんなに勢いがない
とかそういう雑学、からの人生訓。
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雑草は強いと思っていたけれど、実は弱いが故の生き残り戦略だったのか!そのしたたかさ、たくましさ、適応力。見習いたい部分がたくさんあります。普段何気なく見ている雑草の名前が知れたのもよかった。
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雑草が弱い、なんて発想は微塵もなかった。実際は驚くような生存戦略で弱さをカバーし、たくましく生きているらしい。中高生向けとあり、分かりやすく目からウロコが出るような話が満載の好著。
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「雑草学」というのがあるのは初めて知ったけれど、自分の本棚を見てみたら、稲垣先生の書いたor関係している本をすでに何冊も持っていた。私も軸足に「雑草学」を持って、いろんなことを実践・思考してみたい。
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同じ著者の『世界史を大きく動かした植物』がとても面白かったので手に取ってみたところ、予想に違わず揺さぶられっぱなしの本でした。
曰く「雑草はとても弱い」。
曰く「雑草は踏まれたら倒れたまま立ち上がらない」。
先入観を覆される気持ちよさにあふれた良書です。
先入観を覆される例をいくつか。
雑草の種をまいて育てようと思ってもまず成功しないんだとか。なぜなら雑草はどんな環境でも誰かが生き延びるという生存戦略をとっているので、決まった時期や決まった温度や決まった日照時間などのトリガーに反応しないから。(撹乱性)
セイタカアワダチソウは故郷のアメリカ北中部では「ふるさとを思い出せさる可憐な黄色い花」なんだとか。日本で3-4mにまで大きくなったのは生育環境を同じくするススキが生えていた土壌が豊かだったからで、その後に繁殖しすぎて近年は衰えてしまっており、逆にアメリカにススキが帰化植物として侵入しセイタカアワダチソウを脅かしているそうな。へぇ〜。
「雑草はとても弱い」理由とは、①個体としてはとても弱いので②あらゆる機会をとらえてあらゆる手段を駆使して生き残りを図っているから③種として強いというもの。
本編では②の具体的な生き残り戦略を豊富な事例を挙げて解説してくれるので、「どうしてこんなところに生えているのか」「どうしていつでも生えているのか」「どうして刈っても刈っても生えてくるのか」という日頃の疑問がなるほど〜と納得できる。
本書が面白いと思えるかどうかは、著者が面白がっている雑草の定義を聞いてもらえればわかる。雑草の一般的な定義は「邪魔な草」「望んでいないのに生えてくる草」だと思うが、本書はアメリカの哲学者ラルフ・W・エマーソンの「雑草とは、いまだその価値を見出されていない植物である」を紹介して「雑草かどうかを決めるのは私たちの心なのである」という。ここでフフフと笑えた方は本書向きです。
さらに、私の考える本書の白眉は「あとがき」。著者の来歴が書かれており、ご本人は師に恵まれたと謙遜しているがご本人もなかなかの人物。同じ筑摩プリマー新書の『先生はえらい』で内田樹は「教え子は先生が教えていないことを学んでしまう、弟子が『師は私の知らないことを知っている』と思い込むことによって」と言っていて、ちょうどそれを体現しているかのよう。
さらに、スティーブ・ジョブズの「connecting dots」と同じことを違う表現で「私の人生は道草ばかりだったが無駄な経験は一つもなかった」とも書いている。
表紙(装丁)がクラフト・エヴィング商會で、雑草がテーマの本だけにカラフルなMMやMMMやMが散りばめられているのもご愛敬。wwやwwwやwだとちょっとニュアンスが違っちゃったから、さすがいいセンスしてます。
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タイトルのまんまの本。雑草の生存戦略についてのザックリとした説明が書かれてる。
どこにでも生えてきてどれだけ対処しても駆逐することのできない雑草は、一見するととても生命力が強いと思われがちだけれど、実は生命力が強いとはいえずむしろ弱いという説明はとても興味深い内容。弱いがゆえに様々な環境でも耐えうる戦略をとっている、中には同じ種なのに環境によって育ち方が大きく変わる戦略をとってるモノもあったりと、植物における生存競争の多様性に驚かされるものだった。
将来科学技術が発達しても雑草との戦いが無くなることはないのだろうなと言うぼやきは雑草を研究してきたからこその実感のこもったものなんだろうと思う。
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稲垣さんが売れっ子(学者なのにこう言うのもなんですが)なのは、やっぱり読みやすくて面白いから。さらにためになるし、入試にも出るなら、読まなきゃソンだね、中高生は。
稲垣さんは、専門は植物学、専攻が「雑草生態学」なので、これは一番詳しい分野を書いた本でもある。
雑草がなぜ繁茂するのかが、よくわかった。
イギリスのジョン・フィリップ・グライムが、成功する植物の要素を三つに分類した。
Competitive(競合型:植物同士の競争に強い→大木になるものなど)
Stress tolerance (ストレス耐性型:サボテンや高山植物など厳しい自然状態でも生きられるもの)
Ruderal(撹乱依存型:予測不可能な環境変化に強い)
雑草は最後のR、環境変化に適応する能力が高い、から成功しているのだそうだ。(P27-30)
植物は自殖(自分の雌しべに自分の花粉をつけて種を作ること)を繰り返すと劣性のホモ結合体が多くなり、生存率が下がる。そのため、自殖しないよう、様々な工夫をしている。その方法を紹介ところも面白いが、雑草はとにかく種を残すことに優れた植物なので、自殖しなければ種が残せない場合は自殖する。同じ種類でも自殖するものと他殖するものに分かれたり(スズメノテッポウなど)、夕方まで虫が来なかった場合自殖するもの(ハコベ、オオイヌノフグリなど)、夏になり、春より虫が減ると閉鎖花となり自殖するもの(スミレ、ホトケノザなど)などバラエティ豊か。(P100-110)
雑草自体がとても身近な植物なので、この本で得た知識を確認しやすいのも嬉しい。
稲垣さんがこれまでどんな人生を歩んできたかも巻末にあって、若い人の参考になると思う。
個人的には、植物を人間に喩えすぎじゃないかな、と思ったけど、その方が面白い、読みやすい、と思う人が多いだろうから、まあ、いいか。
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環境に適用する。
周りに敵が多ければ、そもそも発芽しない。環境に合わせて一年草か多年草かなど植物学の分類を超える。
目的のために絞って対応する。子孫を残すために全力を尽くすから、踏まれても立ち上がらない。
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最近、科博の特別展 植物 地球を支える仲間たちを見に行き、植物の本を読んでみようと手に取りました。
雑草に対する認識が変わり、また植物への興味が深まりました。入門として、とても良い書籍だと思います。
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「生き物の死に様」から稲垣さんのファンになったので読んでみた。
「雑草は人間と共に進化してきた」「雑草は人間がいないと育てられない」ということが面白かった。
我々は雑草と戦っているつもりで、雑草を守っているのだ。映画になりそうな関係性で面白い。
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植物はいろんな学びがあることを気づかせてくれた本。
稲垣さんのいう雑草魂はとても印象的でした。
踏まれても踏まれても○○
自分は、自分のいる組織は、○○がどうなるんだろう?と考えると楽しく、ちょっと考えてこんでしまいました。
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農学部図書館のアルバイト学生の方に図書を推薦いただきました。テーマは「植物」です。
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB25316005