紙の本
墓場みたい
2020/06/27 11:50
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投稿者:読書はじめました - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白くなかった。
ダラダラ、話が長い、アップテンポがなくつまらなかったが、
どうにか最後まで読めた。
1章の途中で、「ケイトの~」を先に読んでいたせいで、
留学生、クローゼットが好きなのか話題がそれしかないのかと・・・。
1章があと少しのところで、このままこんな話が続くのなら
読むのをやめようかと思ったが、ラストでようやく変化が起きたので、
読書を継続。
2.3章も結局は見せ場がなく、ダラダラ読み。
読み終わってもさして感想もない。
どうして話題作になったのかそれが不思議だった。
時間つぶしにはなったが、結構高い本だから購入して損した。
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始まりも、リリーがハイスミス『殺意の迷宮』を読んでいるのも、ハイスミスへのオマージュとなっているが、ラストも映画『太陽がいっぱい』のラストシーンを彷彿とさせる。
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読むなら今である。
まずとにかくタイトルがいい。
『そしてミランダを殺す』
このタイトルだけで色々想像させられる。
ミランダって、誰? ミランダなにしたの? ミランダどれだけ恨まれてるの? それとも、ミランダは不条理にひどい目にあうの? あるいは・・・・・・?
気になってつい読んでしまう人がいるらしい。
そして、その読後感を伝えたくなる人が、少なからずいるらしい。
とにかく評判がいいのだ。
それがたくさん目に入る。
問題は、評判というのは、どうしてもネタバレを含んでしまうということだ。
続きが気になりワクワクとページをめくりたい人は、さっさと読んだほうがいい。
いずれ、あなたは、ネタバレされる。
ネタバレを気にしないという人であっても、評判というのは聞けば聞くほど、塩梅を越えてしまうという点がある。
期待を高めすぎて、いざ読んだら「それほどでもなかった」とがっかりさせられたり、
あるいは、「ここまで皆が言うなら、もういいや」と、すれからしの達観に至ってしまったりする。
いわば旬を逃してしまう形だ。
そんな状況は、私には人生の歓びを欠くこととしか言いようがない。
発売されて、まだ日がたっていないこの頃か、
レビューを見てしまったこの時か、
なんにせよ、読むなら今なのである。
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読める展開もあったけど、全体的に
展開が読めない。
登場人物の視点の切り替わり方も
話を面白くするし
久々にハイペースで読んでしまった。
犯罪小説で、誰にも感情移入できないけど
あの人が、傷つかず静かに暮らしたい気持ち
なのはなんとなく感じ取れて
少し共感していた。
あとラストの展開の
放り投げられ方がすご!!
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面白かった。なんかこう作者の思惑通りに誘導されたのはすごく久しぶりでそのことに嫌だとも思わない。すっきりする。そしてこのラストの手紙がいい。すごくいい。映画化とのことだけど、リリーは誰が演じるんだろ。わくわく。
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テンポがとってもよくて、一気読みでした。場面転換が素晴らしいです。そして、実に余韻を残す映画的なラストです。彼女の表情まで目に浮かびます。解説によると、実際に準備中のようですね。とても楽しみです!
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2019.01.02.読了
買ってから、放っておいたんです。なんか面白そうだから、まだまだ読むのはやめようって。
で、せっかくの年末年始。1年の中で私が最も愛すべき季節と休暇。これはもう手を出しちゃおうって事で読みました。
おそるべしです。海外ミステリーはバズレを引くと読みにくく、言い回しやジョークが直訳だったりして、ストーリーが全く頭に入ってこない。そして挫折する。こんなことを何度も経験した私。ドラゴンタトゥーのミレニアムぐらいですかね?今までで楽しめたのは。。。
昨年、ピエールルメートルに出会って考え改めたわけです。ヴェルーヴェン刑事シリーズを読んでめっちゃくちゃ面白いじゃん!となったわけで。。。
前置きが長くて呆れた方、申し訳ありません。
ピータースワンソン、たまりません。引き込まれます。
若い作家さんなのか?作品はまだ2作目なのかな?
でも、内容はベテランの域に達してます。
どうにもこうにも主人公のリリーが切なくて、どうか捕まらないで!と肩入れしてしまいました。
デビュー作の時計仕掛けの恋人も即購入いたしました!
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第2部に入ると、全てを一変させるような展開があり、さらに、まさかそう来るか!のラスト。陳腐な不倫もの見せかけて、大どんでん返し小説だった。好み。
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裕福な実業家テッドは、空港のラウンジで、美しい女リリーに話しかけられる。
マティーニを挟み、2人は、しばし親密なひとときを過ごす。それは旅先のちょっとしたアヴァンチュールだ。スタイリッシュなバー。ほのかな恋の予感。アルコールのもたらす若干の高揚感。そんなとき、人は普段なら口にしないようなことをつい打ち明けてしまうものだ。
テッドは妻ミランダの浮気の証拠を掴んだばかりだった。「妻を殺したい」というテッド。驚くことに、リリーはそれを当然だと言い、手助けを申し出る。
原題は"The kind worth killing"。殺す価値のあるもの、つまりは殺されても仕方ないものというところだろう。
悪いやつなのだから、世の中に存在しても害となるだけだ。だから殺してしまえ、というわけだ。
浮気女と寝取り男への断罪を思わせるタイトルだが、それが後になって別の色合いを帯び始める。
物語の語り手は、章ごとに入れ替わる。
第1章はテッド、第2章はリリー。物語が進むにつれて、ミランダやその浮気相手のブラッドも語り始める。
入れ替わるモノローグの視点は、事件を別の角度から見せていく。しかも、その中には、いわゆる「信頼できない語り手」もいる。
叙述の手法も取り入れながら、狩るものはときに狩られるものとなり、サスペンスを孕んで物語は疾走する。出し抜くのは、出し抜かれるのは、誰だ。仕掛けがわかるまではノンストップだ。
中盤以降の眼目は、いかにチェックメイトに至るかだろう。事件の捜査に当たるキンボール刑事は、犯人を追い詰めることができるだろうか。
解説によれば、映像化権もすでに売れているそうで、シナリオは完成済みとのこと。
リリーやミランダのキャスティングが楽しみなところだ。
都会的な雰囲気に、ウィットの効いた描写、クリスティやナンシー・ドルー、ハイスミスなどへのオマージュ。
娯楽サスペンス映画としては、期待してよい作品だろう。
ラストは小説としては若干押しが弱いようにも感じるが、映像化の仕方によっては見事なエンディングとなりそうだ。
狩るものは、ついに狩られる。
逃げおおせたと思ったいちばん悪いものの悪事は、白日の下にさらされることになるのか。
見届けるのはあなただ。
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リリース:達也さん
テーマ:おすすめ本
ミステリー本をネタばれしない程度に上手く紹介しつつ
オススメしてくれた本。
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揺るぎない信念を持って殺人を犯すリリー.彼女の中の正義が1章,2章と凄みを増して終盤へと続く.シリアスキラーとはまた違ってとても不気味だ.
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そしてミランダを殺す、読み終わり。
すごかった、とにかく夢中で読んだ…なんだか惹きつけられる二人に、これからどうなるんだと思ったら第1章の終わりで、え、てなって、そのままノンストップ。
そしてこの終わり。
著者に手の上で気持ちよく転がされた。
彼女にはこのまま、となぜか願ってしまったのだけれど、それは、彼女が屈するのを見たくなかっただけなんだと気付かされた。この終わり、とても好き。とても面白かった!
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リリーがぶっちぎりサイコパスだってことに最後の最後まで気づかなかった。それくらいミステリアスで知的で淡々とした人物描写。やってることは冷酷で別に大したトリックとかがあるわけでもなく普通に殺して普通に隠してるんだけど、なんだかそれが当たり前のことみたいに思えてくる。狂ってるのはリリーなのか、世界なのか、分からなくなる。
これ好きな人は『アイリーンはもういない』も好きなんじゃないかな。
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フェイスとミランダが同一人物であることが早々に明かされ、おっと交換殺人じゃあないんだ…と、予測つかない展開で、どんどん読まされる!でも、オチはこれかあ。あら、あの井戸って、自分ちのじゃなかったのねー。じゃあそもそも全然ナシじゃんか、「死体さえみつからなきゃ殺人事件にならない」ってやつは。ぶー。
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空港のバーで出会った男女が意気投合する。男はテッド。ネット・ビジネスの成功者で大金持ち。女はリリーといい、ウィンズロー大学の文書保管員。ビジネスクラスで隣り合った席に座るうち酒の酔いもあって、テッドは妻のミランダが出入り業者と浮気する現場を見てしまったことを打ち明ける。女はテッドの気持を確かめ、殺したいなら協力すると申し出る。行きずりの相手との単なるゲームと思おうとしたテッドだが、一週間後の再会を楽しみにしている自分に気がついていた。リリーに惹かれていたのだ。
どこかで見たような話だ、と思った。交換殺人を扱ったミステリの代表作で、ヒッチコック監督で映画にもなったパトリシア・ハイスミスの『見知らぬ乗客』である。本作は交換殺人ではないが、冒頭リリーの読んでいるのがハイスミスの『殺意の迷宮』であることといい、ハイスミスを意識しているのはまちがいない。自らの意志で殺人という犯罪を犯す犯人にいつの間にか肩入れしている自分を発見させられる点がハイスミスに似ているのだ。
三部構成で、第一部はテッドとリリー、第二部はリリーとミランダ、第三部はリリーとキンボールというふうに、視点人物が交代する。しかも、章が変わるたびに視点人物が入れ替わる映画でいうカット・バックの手法で進められてゆく。第一部では、テッドの視点でミランダ殺害計画を進める二人が互いに惹かれあうようになる経緯を、リリーの視点では少女時代から現在に至るまでのリリーの犯してきた罪の回想が語られる。事情があるとはいえ、リリーには人を殺した過去があった。それも計画的に、誰にも発見されることなしに。
このまま、二人の計画通りに事が進んでいくのか、と思いきや、第一部の終わりでなんとテッドが殺されてしまう。手を下したのはミランダの浮気相手ブラッドだ。一転、リリーは加害者の側から被害者の側に転落してしまう。被害者の死で利益を得るのは誰か? テッドが死んで一番喜ぶのは莫大な財産を相続することになる妻のミランダだ。帰納的に考えれば、そうなることを予め考えてミランダはブラッドに近づいたのでは、と誰でも気づく。テッドを愛しはじめていたリリーには、尚更そう思えた。
ここからリリーは探偵役となって事件を追うことになる。互いに殺人を考えていたという点で、リリーとミランダはライヴァルである。しかもそれだけではない。二人は同じ大学にいたとき、エリックという男を巡って微妙な関係にあった。大学を出てずいぶん経ってから、リリーはミランダに町でばったり出会い、婚約者のテッドを紹介されている。空港で会ったとき、リリーの方は気づいていたのに、テッドは忘れていたのだ。
宿命のライヴァルによる暗闘が始まる。どちらが相手を出し抜き、勝利を手に入れるか。ブラッドという男をどちらが味方につけ、犯罪を隠蔽、あるいは証明できるか、キンボールという刑事がその間に割り込んでくることによって、緊張が高まる。しかもキンボールはリリーに抗いがたい魅力を感じているようだ。詩人になり損ねた刑事は淫らな五行戯詩(リメリック)を書くのが習慣になっていた。これがうまく使われている。
要は二人の知恵比べだ。相手の先手を取ってどう動き、駒をどこに配置するか、チェスや将棋のような対戦型のゲームを観戦しているような気になる。三部を通して一貫して視点人物であるのはリリー一人だ。実際に人を殺しているのはリリーの方なのに、彼女の視点で語られる過去の物語を通して読者はリリーの側から事態を見るようになる。視点人物の気持ちは分かるが対象人物の気持ちは分からない。これは文芸学の基礎だ。直接的には手を下していないミランダが悪女役をふられているのだ。
まあ、たしかに悪女ではある。力や金を持つ男に近づき、自分のものにすることに生きがいを感じている。それが自分のステータスになるからだ。そして、一度手に入れてしまえば、すぐに対象に飽きて放り出したくなる。しかし、子どもと同じで他人がそれを手に入れると奪い返したくなる。エリックをめぐる三角関係はミランダのそういう性癖に起因している。
翻ってリリーはといえば、子どもの頃自分の猫を攻撃した猫を殺して以来、相手に生きる価値がないと思えば、それを殺すことを躊躇しない。この世界に存在しない方がいい相手だから、殺しても良心は痛まない。しかも、完璧な計画を立ててから実行するので、疑われることもない。一種のサイコパスであることはまちがいない。ただし、ふだんは化粧っ気もなく、地味な文書保管の仕事をしており、自分に関わらなければ殺人のスイッチは入らない。
タイプはちがうものの頭もきれて実行力もある美女二人の戦いを描いた犯罪小説。視点人物の立場が加害者、被害者の間を二転三転する構成が効果的で一気に読ませる。バーでギタリストが弾くのがストーンズの「ムーンライト・マイル」だったり、運転中に聴いているのがマイルスの「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」や「枯葉」だったり、音楽のチョイスもいい。原題は<The Kind Worth Killing>(殺すに値する種類の人々)。邦題とちがって、原題には犯人像が仄めかされている。こちらをとるという手はなかったのだろうか。