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ゆったりと流れる時間。恋い焦がれる切なさ。胸に沁みわたるように拡がる温かさ。一歩一歩踏みしめて、ゆっくりでも確実に前に進む力強さを秘めた、大切に、時間をかけて味わいたい珠玉の物語。
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なんてなんて力強く温かい物語なのだろうと思った。
今、こんなふくよかさ、余白がほしいのだな、個人的に。
そして、青井という人物にとても惹かれた。
最後に慌てて峰生を去ることになったときに、ひとりひとりに認めた手紙に、彼女はどのような言葉を綴ったのだろうか。
彼女の残した「魔法の言葉」を私も心に留めて歩いていきたい。
この本もこれからも何度も何度もゆっくり読んでいくことになると思う。
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そうだった…不覚にも四十九日のレシピの作者だとわかっていながら、可愛らしい表紙絵に誘われて子どもの話かな?と軽い気持ちで読みはじめて気づいた時には遅かった(泣)
夜中にひとりタオル片手に読む羽目に。
子どもの世界と大人の世界。大人の力、振り回される子ども、理不尽なこと。それでも前へ進めと自立と自律を忘れるなと自分が変われば見守る人たちが出てくる。
『どうしてではなくどうしたら…』を始め、心に響く言葉、印象に残るシーンの数々。
どうか映像化して子どもたちにも見て欲しいと思うが、難しいだろうか?
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いじめに遭っている少女・耀子、居所がなく過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年、立海。
三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。
言葉にならない祈りを掬い取る、温かく、強く、やさしい物語。
内容(「BOOK」データベースより)
父を亡くし母に捨てられ、祖父に引き取られたものの、学校ではいじめに遭っている耀子。夫を若くして亡くした後、舅や息子と心が添わず、過去の思い出の中にだけ生きている照子。そして、照子の舅が愛人に生ませた男の子、立海。彼もまた、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しんでいる。時は一九八〇年、撫子の咲く地での三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かしはじめる―『四十九日のレシピ』の著者が放つ、あたたかな感動に満ちた物語。
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父を亡くし母に捨てられ、祖父に引き取られたものの、学校ではいじめに遭っている耀子。夫を若くして亡くした後、舅や息子と心が添わず、過去の思い出の中にだけ生きている照子。そして、照子の舅が愛人に生ませた男の子、立海。彼もまた、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しんでいる。時は一九八〇年、撫子の咲く地での三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かしはじめる―『四十九日のレシピ』の著者が放つ、あたたかな感動に満ちた物語。
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山持ちのお坊ちゃんである立海、その山の世話をする使用人の孫娘である耀子。二人の子どもは、生い立ちや立場の違いはもちろん、抱える苦悩もそれぞれなのだが、それでも奥深くで共感・共鳴し、強く惹かれあうのである。立海の義姉であり、「おあんさん」と呼ばれる照子も、大人ではあるが、屈託を抱え、子どもたちに放っておけないものを感じながら見守るようになるのだった。子どもたちを照子や立海の家庭教師・青井らが見守りながら支え、立海と耀子が互いに欠けたところを埋めるように過ごすのを見ていると、しあわせとはなんだろう、と考えずにはいられない。青井の教え、「自立と自律」が胸に沁みる一冊である。
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2012.12.20
自立と自律
いい言葉だなと思った。
最初はあまり好きな話じゃないなと、読むことをやめようかと思った。
けれど、読み終えてみて正解。
爽やかな気持ちのいいお話でした。
凛として生きることは素敵。
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自然がのどかで豊かな常夏荘での、夏から秋の物語。
山を管理する祖父に引き取られ使用人長屋で暮らす耀子と
本家の嫡男で療養に訪れた立海の、小さな恋未満の物語。
二人とも母親の愛情に恵まれずに育って、吐き出せない思いを小さな体にため込んで痛々しい。
普通なら、他の誰にも邪魔されない二人だけの世界に逃げ込んでしまいそうだけど、そうならなかったのは峰生の土地のせいなのか。
常夏荘の人たちが、みんなあたたかくて素朴で、ノスタルジックな味わいがありました。
旧時代的な名家は、神秘的な別世界の様相ですが
体を丈夫にするために女の子して育てるだとか
一生分の肌着を用意しておくだとか。
でも凛としたおあんさんはとても素敵。
彼女の母として女としての目線が、愛おしくて切ない。
青井先生も、最初やな感じの女?と思ったけど、かっこいい。
ゆっくりじっくり、噛みしめて読みたい本です。
劣等感に脅えていたヨウヨが、自分を認めて顔をあげて生きていこうとする。
この世の理不尽を乗り越えて、やらまいか、というラストが好き。
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1980年天竜の名家に集う人達を描いた連作短編。登場人物は皆、心に傷を抱えて生きている…物語が進むにつれ彼らの手が繋がり、顔を上げて前を向いている。どのエピも切なく優しく誠実でほっこりする。最後の二行が美しく輝いて見えた。ほんと、素敵な物語。
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390ページ余りのボリューム感がすごい。
しかしながら全体として散漫な印象が残るのは、複雑な人間関係を書き込もうとする気持ちがはやりすぎて、対象を拡げ過ぎたせいではないだろうか?
読み手として知りたいのは、謎のままになっている主人公・耀子の父親の生前の様子や早世した次世代当主の龍一郎との関係だろうし、他にも耀子の母の家出の理由などいろいろある。
ストーリー展開でも、人間関係で不可解な点あり。(当初いじめっ子として登場した耀子の同級生ハム君やその弟スケ君とのその後の友情のやり取りなど、、、)
ちょっと欲張りすぎて収拾がつかなくなった感じで残念だなあ。
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『四十九日レシピ』がとても良かったので作者繋がりで
凛とした青井先生が伝える言葉はとても印象的で染み渡るのですが、作品全体としては。。。
と、まさかの★3つ。
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大人が読んでももちろん、小学生の高学年くらいの
人たちにも読んでもらいたいなと思った。
それくらい分かりやすい文章で、人間の誇りと
愛情について丁寧に書かれている。
一人の人間を育てるには覚悟がいる。
そう感じさせてくれる一冊だった。
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王様のブランチで作者のお話を聞いて、読み始めたものの、最初はちょっと、古い独特の世界にあまりなじめなかった。
ところが、だんだんと人間関係がわかってきて、青井という家庭教師が主人公の耀子にかかわるようになってきてから、少しずつ希望がもて、読み進めるのが楽しくなってきた。
最後はとてもすっきりとした読後感!
以下の文は、ぜひメモをしておきたいと思った。
自立、かおをあげていきること。
自律、うつくしくいきること。
『どうして』と自分を責めない。『どうしたら』と前に進もうとする。
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初の伊吹さん作品でした。本当に良かったです。
いろいろな視点で描かれ進んでいくストーリーが、どんどん暖かさが深まっていく感じで、久々の感涙作品でした。
曜子のおじいさん、最高でした。
「四十九日のレシピ」も楽しみに読みます。
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一気に読んでしまった。世界に引き込まれた。
大人の都合で切ない想いをいっぱい抱えた子ども二人の出会いと、その二人を受け入れた大人たちの想い。
すごく丁寧に描かれていた。
「自立」と「自律」「やらまいか」がとてもいい。
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伊吹さんの作品を読むのは3作目です。一風変わったストーリーでしたが、この作品もやはり心にしみました。小学校でいじめにあっている耀子と立海の友情が可愛らしくて、家庭教師の先生の言葉がとても心に残りました。