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知らないことの怖さ。
知ることの怖さ。
知ることの大切さ。
たとえ、ほんの小さな、ささやかな一歩だとしても。
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この本を読むまで、模擬原爆について知らなかった。重たすぎず、けれど軽くない、なにかを残してくれる本。気軽に手に取れる厚さ。
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1945年、広島・長崎に原爆が落とされた。しかし、その原爆を落とす前に、日本30都市49発の模擬原爆が落とされた事はあまり知られていない。(私も初めて知りました) 模擬原爆は丸く、オレンジ色に塗られていたので「パンプキン爆弾」と呼ばれていた。核物質は含まないものの、巨大な爆弾は全国で死者400名、負傷者1200名を超す被害者を出した。
そんな事は、なんにも知らなかったヒロカだが、親戚のたくみが模擬原爆の事を調べていて、自分の住む身近な所に、戦争の爪痕が残っていたことを知り、興味をもってゆく。
大阪戦跡巡りの前に紹介するとよいのでは?
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この短いページで書き終えているところが嬉しい。
被疑原爆を調べ始めた子どもが主人公だから、わからないことに取り組んでいく過程と共に、読み手にもその思考の過程が伝わってくる感じだった。
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子どもにとって「戦争を知る」ということはどういうことなのか。そのことを、「子どもたちに対して」「子どもにわかる言葉と感覚」で描く物語。これまで戦争にあまり興味の無かった主人公ヒロカが、模擬原爆の個人的研究をきているいとこのたくみに触発されて自分でも調べていく過程で、戦争の理不尽さと複雑さを描きつつ、それらを「知る」ことの大切さにも深く踏み込んでいきます。物語の随所に「知る」ということが以下に大事かを何気なく織り込んでいるのですが、大人の目から見ると、その裏側にある令丈さんの想いの強さ、知って欲しい、「知る」ということを求めて欲しい、という想いが伝わってきます。
そして、恐らくあまり知られていないであろう模擬原爆を含め、原爆がもたらした間接的な被害。それらや、「戦争」そのものに対してヒロカが抱く強い憤りによって、戦争そのものに対する令丈さんの強い想いも伝わってきます。
上手いのは、主人公である戦争の聞き手を小学生にしているだけでなく、その語り手も小学生にしていること。いとこのたくみを小学生の個人研究家とちう設定にすることで、友だちが友だちにわかりやすく家庭教師をするような、そんな風に戦争の知識を伝えていくので、すごく子どもにも伝わるのではないかと思います。
内容が内容だけに分類を迷うところですが、これはやはり「知らない子どもに知って欲しい」という観点からも、令丈さんの他の作品と混ぜて置きたいかな。理想は3冊買って文学と歴史と戦争コーナーの全部に置きたいですが…
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戦時中、原爆を落とす前に模擬爆弾を落としていた。しかも自分の住んでいる街に。ヒロカはたくみからその話を聞きます。
戦争のこと、そんなに興味がなかったヒロカですが、いつも行くコンビニの横にある爆弾投下の事実を刻んだ石碑を見て、きちんと向かい合うようになります。
知ろうとしないことが一番いけないこと。こう言い切るヒロカの言葉にハッとしました。
自分に都合が悪いことは出来れば聞きたくない。そんな姿勢をばっさり切られたような気がしたのです。
読みやすく、データもきちんとまとまっていて見やすいので、小学生だけでなく中学生までも参考になると思いました。
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自由研究で大阪にやってきたいとこと喧嘩しながらも
パンプキン爆弾のことで自由研究をすることになる女の子の話
模擬原子爆弾なんて知らなかったなぁ‥
夏休み前にピッタリの本棚
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広島・長崎の原爆投下以前に
模擬爆弾が投下されていたとは知らなかった。
今の子供たちに
戦争の事を知ってもらうのにいい本だと思う。
現代の子が模擬爆弾について調べていくという設定は
生々しい表現がないのが良い。
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今年の中学年の読書感想文課題図書。主人公と一緒に、パンプキンと呼ばれた模擬原爆、そして戦争について知り、考えることができる1冊。重いテーマを、軽いタッチで自分と重ねながら読める良書。
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戦争に興味のない、あるいは戦争に関する本を「怖い」と言って忌避する子でも、この本なら手に取ってくれるかな。
入口をひろげてくれる本だと思います。
知ろうとすること。自分で考えること。すごく大事!
「長崎ちゃんぽんのような世界」
わかりやすくてステキです。
個人的な希望ですが、「自由研究」ではなく「調べ学習」がよかったなぁ。
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パンプキン爆弾は、長崎に落ちた原爆の模擬爆弾の別名です。ヒロカはそれがきっかけで、戦争を身近に考えるようになりました。「知らんより、知ったほうがええよ」とたくみの力を借りて自由研究で新聞を作ります。どんな新聞ができるでしょうか?
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夏休みの宿題の定番「自由研究」。
何を「研究」すればいいのか、ヒジョーに困るよね。
子どもたちの「自由研究」を見てたら、
自分の興味のあるなしとは別に、
「ま、こんなとこでいいかな」って、
資料が探しやすいテーマを選んでる感じ。
その資料も、最近は「本」じゃなくてネットで
ちょいちょいって調べて、はいおしまい! ← をい、いいのかっ!
この本の主人公小学校5年生のヒロカも、
最初はそういう感じの「自由研究」ですますつもりだったみたい。
だけど、いとこのたくみがおじいちゃんの家にしばらく泊まることになり、
たくみと話すうちにヒロカは「模擬原爆」という言葉を知る。
「模擬原爆」ってなに?
偉そうなたくみに腹を立てながらも、
ヒロカは「模擬原爆」について調べることを、夏休みの自由研究にすることにした。
さて、ヒロカの自由研究はちゃんとできあがるのか?
この本はまず、「模擬原爆」って何? ということがわかる。
それから、「自由研究」のやり方も、わかる。
そして、何より面白い。
テンポのいいヒロカの大阪弁の語りでぐいぐい読めちゃう。
一冊で三度おいしいという、ほんまにメッチャすぐれものや。
‥‥あ、大阪弁うつっちゃった!
元気で明るいイマドキの小学生のヒロカにとっては、
韓国はアイドルと焼き肉とキムチ、
中国はパンダ、アメリカはディズニーランドの国だったが、
戦時中、日本がアジアの国々にしたことや、
アメリカが日本に落とした原爆や模擬原爆のことを知り、驚く。
一度は、
「知らんでエエことを知ってしもうたやん!」と途方に暮れたヒロカだったが、
やがて、
「長崎ちゃんぽんみたいな世界」をめざして「なんかわからんけど、がんばる!」
と決意する。
「知らなければ平和だったのに」ということを「知ってしまった」らどうするか?
人間は、「知らなかった」過去には戻れない。
ややこしくても先に進むしかないのだ。
ヒロカちゃんの男前な決意に拍手!
ということで、
夏休みは終わっちゃったけど、
ぜひ、読んでみてくださいね!(^.^)/
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ええ本やった。
ノンフィクションと物語の間をゆく読みやすい児童書で、夏休みにピッタリ。
子どもたちが、はじめて「戦争ってなに?」と思ったときに取りかかるにはちょうどよい。
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模擬原爆というものをご存じだろうか。
1945年8月頃,本物の原爆を落とす前後に,日本のあちこちで,ナガサキ型原爆とほぼ同じ大きさの爆弾の投下実験が行われていたという事実を。
本書は,ある小学校5年生の少女が,地元に残る戦争の傷跡や模擬原爆について考えていくことをとおして,戦争の愚かさを考えるようになっていくドラマ仕立ての内容となっている。単に,模擬原爆の解説書ではないところが,おもしろい。
「あのな…。いろんなことを知っていくと,結局だれが悪いのんかも,わからへんようになるな。」といとこのたくみに愚痴る主人公ヒロカ。
これまで,おそらく〈善悪〉でしか判断してこなかった少女の,この一言が,戦争の愚かさを物語っています。
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パンプキン爆弾の事はこの本が出版された時に初めて知った。自分なりに調べて、自分の田舎も被害にあっていたことを知り、もしも歴史にちょっとした違いがあったら原爆を落とされたかもしれないと知りショックを受けたことを覚えている。
今回ようやく本を読むことが出来た。子供向けだか、大人が読んでも為になる。模擬原爆の事実を知った女の子の心の変わりようが、自分と同じようであり共感出来た。また、原爆の被害者の側面だけでなく、そうなった当時の日本の状況もきちんと書かれている点も良い。
ちょうどこれからオバマ大統領が現職大統領として初めてヒロシマを訪れる。それだけで各国の思惑が渦巻くような世界情勢であるが、いつの日かこの本の最後に出てくる「長崎ちゃんぽんみたいな世界」になって欲しいと切に願う。