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【若き超人探偵VS天才犯罪者、勝つのは!?】京都の街で相次ぐ殺人事件。それは何故かホームズ譚を模していた。「日本探偵公社」の若きスター・天親獅子丸が解明に乗り出す!
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京都を舞台にしてホームズをモチーフにした連作短編集ですが、意外にホームズ感はない。敵役も出てきているので、次の巻以降はもっと面白いかも。
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円居挽の最新作。
ホームズのパスティーシュ×京都というなかなか見かけない取り合わせ。コミカルでもあり、シリアスでもあり、面白かった。続編もありそうだし楽しみ。
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2018年80冊目。所謂ホームズ&ワトソンもの。作者の他シリーズの世界も絡んできて、贅沢な内容。探偵に振り回されつつも、要所で二人の信頼関係が窺えるのが読んでいて楽しい。事件そのものは本家のオマージュで、好きなものを好きなように書いていて、それがいい意味で伝わってくる。
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残念ならが教養の無い私はホームズシリーズなど読んだことはなく、ホームズパロディを楽しむことはできなかった。
チート設定の名探偵とその助手が織り成すミステリー。
相変わらずミステリーの質は高い、と思う。
これ続刊ありそうだけど、シャーロック・ノートの方も気が向いたらよろしくお願いします……。
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こういうけれん味のあるミステリは面白い。
そしてルヴォワールシリーズ読んでいるとにやにやしてしまう。
逆に言えば、シャーロックノートやルヴォワールシリーズを読んでいる人向けかもしれない。
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○ 総合評価 ★★★★☆
〇 サプライズ ★★★☆☆
〇 熱中度 ★★★☆☆
〇 インパクト ★★★☆☆
〇 キャラクター★★★★★
〇 読後感 ★★★★☆
京都市四条烏丸の一等地に本社オフィスを構える日本探偵公社。公社に所属する探偵は公的に警察と連携し,犯罪捜査にかかわる。その公社に所属する探偵の中でも傑出した才能を誇る天親獅子丸の活躍を描く短編集
キングレオの異名をとる天親獅子丸の助手である天親大河が,公社の広報活動の一環として,キングレオの厚かった事件を脚色した物語の原作を作る,スクリプトライターとして活動しているという設定となっている。
「探偵の会社」という設定は,作者である円居挽自身が大学時代から「好きな作品」として挙げていたという清涼院流水のJDCシリーズの影響を感じさせる。JDCシリーズが風変りなキャラクターの魅力があったのと同じように,キングレオこと天親獅子丸は,かなり強烈なキャラクターである。
解説にも書かれているが,この作品は,円居挽が自分が好きなもの=京都,探偵の会社,シャーロック・ホームズを全部盛り込んで作ったという。作者が楽しんで書いていることが分かるようなエンターテイメントに仕上がっている。
天親家や龍樹山風,城坂論語といった名前が出てくるが,「ルヴォワールシリーズ」での設定とは異なる。パラレルワールドのような存在なのだろう。しかし,城坂論語のキャラクターはルヴォワールシリーズと遜色はない。城坂論語は天性の犯罪コンサルタント=シャーロック・ホームズでいうモリアーティ教授のような立ち位置で描かれている。この作品では決着が付かないが,シリーズが進めば,いずれはキングレオ対城坂論語の対決にも決着がつくのだろうか。今後,ほかにもルヴォワールシリーズの登場人物が出てくる可能性もある。ここはルヴォワールシリーズのファンとしては嬉しいところだ。
全体的に楽しめる短編が多い。シャーロック・ホームズ物のパロディとしてはそれほどの完成度ではないが,円居挽らしい大げさな話づくりと生き生きしたキャラクターの描写が楽しめる。「なんたらの紐」と「悩虚堂の偏屈家」の2作品が特に楽しめた。★4で。
〇 赤影連盟
天親大河は,スクリプトライターを辞めて小説家を目指している。そんな大河にみやこミステリー大賞という賞の最終選考に残ったという知らせが届く。
天親獅子丸が挑んでいる事件は,未来を予知するメモを持って死んでいた日下部という男の事件。日下部はセールスマンだったが,盗聴器を仕掛けていた。その盗聴の結果を生かして,ノミやに掛けを挑み,勝ち過ぎたために殺害された。犯人はみやこミステリー大賞の主催者の平家という人物。平家がノミ屋の元締めだった。
タイトルは赤影連盟だが,シャーロックホームズの赤毛連盟を思わせる部分は少ない。獅子丸が仮面の忍者赤影のような恰好をした人物を好条件で秘書に雇おうとしたという描写がある程度。しかし,トリックや真相に関係ない。赤毛連盟のパロディとしてはイマイチだが,一つの短編としては及第点。ミステリとしての謎解き要素は弱���だが,獅子丸や大河というキャラクターを初回しつつ,エンターテイメントとして面白い話に仕上げている。★3で。
〇 踊る人魚
獅子丸が暗号モノの事件を解決する。スクリプトライターである大河は作品を仕上げるが,映画の原作にしたいので暗号部分をもっと明快なものにしてほしいという依頼がある。
事件は,京都の若者の中で流行っている違法ドラッグ「踊る人魚」の販路が特定されていないというもの。京都の町に暗号がばらまかれていて,欲しい人間なら誰でも取引の場にアクセスできるという。
この作品では,獅子丸の助手候補として北上イオという人物が登場する。アナウンサー試験に落ち,コネで公社に入社した北上イオは獅子丸の態度に腹を立て,教育係である大河に噛み付く。
踊る人魚の暗号は京都にあるファッションビル「マドイ」のアナウンス。「踊る人魚」から連想される言葉をアナウンスさせ,特定の場所に引き込む。大河とイオはマドイの更衣室に向かうがパラキートと名乗る犯罪者に捉えられる。
獅子丸は大河が発信しているモスキート音を聞きつけ大河とイオをパラキートから救出する。パラキートは大河とイオが食事をしていたレストランの給仕だったというオチ
分かりやすい暗号の部分がミステリとして面白い。獅子丸と大河に加え,北上イオというキャラクターも登場し,いい味を出している。なかなか楽しめる作品に仕上がっている。★4で。
〇 なんたらの紐
「まだらの紐」のパロディ。まだらの紐のように,資産家の妻に先立たれた夫が,独立しようとする娘を殺害しようとする。既に姉が殺害され,妹も身の危険を感じ,獅子丸に相談をする。
獅子丸は謎を解くが,真相は二酸化炭素を使って窒息死させるというもの。窒息死しやすいように,ベッドではなく布団の部屋に娘を移動させていた。
交換殺人をしており,実行犯が姉の大学の同級生のヒモのような男だった。だから,姉は死に際に「・・・のヒモ」というメッセージを残していたというオチ
この作品は,まだらの紐のパロディとしても完成度が高い。まだらの紐は犯人に疑いが掛かりやすいのがネックだが,そこを交換殺人で解消するという趣向になっている。なかなか面白い一篇に仕上がっている。★4で。
〇 白面の貴公子
ここで城坂論語が登場する。シャーロック・ホームズの「白面の兵士」のパロディ。同じ部隊で親しくなったゴドフリーを探しに行くが,シラを切られる。その夜に真っ白顔をしたゴドフリーを見つけるという話。白面の兵士は,ゴドフリーはハンセン病に掛かっていたと思っていたが,それは誤解だったというような真相だった。
この作品は,白面の兵士のパロディとしてはイマイチ。この作品は「殿下」と呼ばれている城坂論語を犯罪顧問として組織に迎え入れようとしたエイシストという犯罪者が登場する。エイシストは大河が出会った人物の1人,鶴桜高校の生活指導の教師角谷だった。獅子丸が大河と論語を救出する。獅子丸は論語に対して敵意をむき出しにする。
エイシストが角谷だという真相は一応の伏線もあり,意外性もある。しかし,白面の兵士のパロディとしてはイマイチ。論語対獅子丸の対決の出会いとい��位置付けで一つの物語としての完成度はそれほど高くない。★3で。
〇 悩虚堂の偏屈家
ノーウッドの建築家のパロディのタイトルを悩虚堂(のううつどう)の偏屈家とする発想が面白い。作品の構成としても,冤罪が疑われる人物の冤罪を晴らすといいう展開は一応「ノーウッドの建築家」のパロディの体裁にはなっている。
城坂論語が祖父である城坂慈恩殺しの容疑で逮捕・l勾留されるという展開。この展開は,ルヴォワールシリーズファンならニヤリとしてしまう。論語の逮捕に協力したのは,獅子丸のかつての師匠である公社ナンバー2の探偵である河原町義出男。この作品は河原町対獅子丸探偵同士の対決になっている。
大河が新人賞に応募している作品のアリバイトリック(携帯電話を利用したトリック)まで仕掛けらている。
論語はたまたま殺人事件に巻き込まれそうになり,大河が新人賞に出している作品のアリバイトリックを利用えアリバイを作った。論語は獅子丸を試しているという。キングレオほどの強者なら一人で完結するのにどうしてそんなに誰かとつながっていたいのかと。
獅子丸は「我が儘を通せなくて何が名探偵だ。これぐらいどうとでもなる。」と言い,真犯人を指摘する。獅子丸が指摘した真犯人は河原町義出男。河原町の正体は城坂慈恩だった。河原町は50年ほど前に父である城坂語詰を殺害していた。そこで弟である天央と入れ替わり,河原町義出男の戸籍を手に入れて公社に入った。河原町は論語から感じる邪悪さを感じ取り,論語を殺害しようとしたが,強運が味方しているかのように論語を殺害することができなかった。そこで,論語を殺人犯にするために今回の犯罪を起こしていた。
獅子丸は,論語をプルガ熱の保菌者の疑いがあるとして半年ほど療養施設に閉じ込めることに成功する。
ノーウッドの建築家のパロディとはなっていないが,獅子丸対河原町の推理対決という設定は面白い。論語の関わり方も論語らしい邪悪さで,楽しめる作品に仕上がっている。★4で。
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京都に本社をかまえる日本探偵公社。公社の探偵は公的に警察と連携し、犯罪捜査を行う。
数いる探偵の中、断トツの才能をみせる美丈夫、天親獅子丸、通称・キングレオ。
獅子丸の助手は従兄弟でもある、大河。
大河は公社の広報活動を担う、脚本室で探偵の活躍を脚色してメディアに供給していたが、作家への夢も諦めきれず、獅子丸に振り回されてつつも執筆活動に励んでいた。
赤影連盟
踊る人魚
なんたらの紐
白面の貴公子
脳虚堂の偏屈家
言動が大袈裟なのが気になるけど、大河さんがメディア向けに書いた脚本なのかもしれない、なんて。
ストーリーもだけど、バリツがちゃんと格闘技として成り立ってる世界なのも楽しい。七帝バリツとか!
あれもこれも、聞いたような話でニヤニヤしながら読んで、あー、せめてジェレミー・ブレッドのドラマでも観ようかな!という気持ちに。
それにしても、最近はモリアーティが人気。
精神的にジワジワさせる展開が苦手なので、もういいかなー。
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なんかうまく入り込めなかった。外連味のあるストーリー、名探偵と助手、設定は好みのはずなんだけど、妙に大袈裟というか……わざとらしいというか。JDCシリーズっぽさはわかる。作者がJDC好きっていうのも。でもなんか……うーん……
赤影同盟
名探偵と助手の紹介。事件がどうこうより、名探偵に心酔しすぎる助手がこれまた探偵として有能で、探偵が大賞を取れなかった小説より自分の小説が評価されるのがおかしいとか、ううむ…設定盛りすぎというか、なんか。
踊る人魚
助手のピンチに格好よく登場する探偵。
助手にほのかに恋心を抱きかけた新入社員が、探偵と助手の関係を誤解して冷める。
ストレートに狙いすぎというか。うーん。
なんたらの紐
まあ、うん。
白面の貴公子
この論語と大河のやりとりを見て、獅子丸と大河の、二人の深いところが良くわからないのに、やたら絆が強調されているのが、上滑りしている感じを受ける理由なのかなと思った。絆が深いと言われても、……みたいな。物語の根っこが張られている感じがしないというか。
ルヴォワールシリーズを読んでいればもっと楽しめたのかな。世界を理解しきれていないというか、根っこがないというか、うーーーーーーん。
期待して読み始めたので、ちょっと残念だった。
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キングレオこと天親獅子丸と、従兄弟で助手の天親大河が京都を舞台に事件を解決していく短編集。
キャラの設定からして、楽しんで書かれてるなぁと感じました。会話のテンポがよく、私自身バディ物が好きなので普通に楽しめました。ただちょっと浅い気がきたので、キャラ同士の関係性を深堀してくれればなと思います。
ルヴォワールシリーズは読んだことないですが、私はこれ単品でもさらっと読めて好きでした。
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このお話は京都が舞台で実際にある地名やスポットが出てくるし、なんなら自分の生活圏内も出てくるというのに、架空の世界に同じ地名が出てきたような感じがして、なんか勿体なかったです。街は移ろいゆくものなので、実在の地をあまり詳細に描きすぎてもいつかはほとんど意味がなくなるのかもしれませんが(実際2021年の四条河原町にはもうマルイは存在しない)情景描写がもう少しあればいいのにと思いました。
これは個人的な意見ですがキャラクターにほとんど愛着が持てなかったので、ライトノベル風ミステリーなのも、せっかくミステリーの部分がいい感じでも中途半端に見えてしまうというか、ミステリーかラノベかもっとどちらかに寄ればいいのに…とか素人ながら思いました。スクリプトライターという設定も今回はあまり生かされてなかった気がします。
主人公コンビは京都生まれの京都育ちで他にも京都近辺出身のキャラが多いのに訛りのある喋り方をするのがひとりだけしかいないというのも、いっそみんな標準語で喋ればいいのに!と地元の人間は思いました。シャーロック・ホームズ×京都という組み合わせも、そうじゃなければこの物語は成り立たないという理由も感じれなかったので、このふたりの、この世界観の物語の続きが気になるとは思いませんでした。
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各話がホームズに関わるタイトルをもじった題名なのが印象的。(ホームズもいくつか読んだけど結構前だから内容はあまり覚えてない…) キングレオと呼ばれる探偵、天親獅子丸とその従兄弟の大河。2人の信頼関係が凄まじいし、羨ましい。 どの話もわかりやすく、トリックも面白い。最後の『悩虚堂の偏屈家』、宿敵(?)である白坂論語を助ける、そして結果として師匠の罪を暴くという話が特に良かった。
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完全にシャーロックホームズへのオマージュだと思って楽しく読んでいたら、まさか若かりし頃の城坂論語が登場してビックリ。
しかもかなり邪悪な存在で、彼が登場したといことで後半はやはりルヴォワールシリーズのような屁理屈ディベート合戦の雰囲気が強くなってきた。
個人的には前半のような一話完結の名探偵ものの方が面白かった。