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竹熊健太郎さんのフリーランス遍歴が語られる自伝的な内容でもあった。オレもフリーランスで確かに40歳から厳しさは感じていて、出版業全体の景気の悪化と厄年せいかと思っていたけど指摘されるようなことも原因だった。
とても面白く引き込まれ、参考になる話がたくさんあった。80年代のフリーランスがとても楽しそうで、過ごしてみたかった。
ただ、フリーランスでやっていくための条件として「妻子なし」を強調されており、確かに一理はあるけど、あまり推奨するのはいかがだろう。
俺は仕事を断ることは滅多にないのだが、合わない人とはは距離を置いて、結果的に好きな仕事しかやっていなかった。だから楽しくやってきたのだけど、その結果ヒットもなく今に至り、ヒイヒイ言っている。一寸先は闇な感じがすごくする。
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サラリーの対比に見られる、また憧れを持たれるフリーについて、著者の経験を踏まえながら、実際にはどのようなものなのか?営業力や人脈がありきと思われる部分が大きく、著者の様々な波乱万丈な経緯は単に運が良いのか、しかし簡単に生活自体も影響を受ける部分は、安定したサラリーマンとは一線を画す。実際にフリーランスを考えている人にも、その前に読んで損はない一冊。
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フリーランスに限らず、活躍している世代が年下になってくる、かつ自分が活躍してない、という状態が厳しいのだと感じました
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周りにもフリーランスいるし、いいなと思います。タイトルに引かれ読んでみる。
・タイトル勝ちだな結局は「40越えると仕事くれる人が年下になり、ふれらずらくなる」の一点
・物書きさん視点で私のITフリーランスはまた違うんだろうね。
それでも面白かった点も何点か
・文章が面白いだけでなく、肩書き、有名人など売れるフックが必要
・作家の才能、プロの才能は別、おもしろい文章じゃ無くても仕事もらって続けられる能力が有ればプロとして成り立つ
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『ファミ通のアレ(仮題)』で知り、『マンガ原稿料はなぜ安いのか?―竹熊漫談』も拝読させて頂いた竹熊健太郎さんの著書。自由業者はどうして40歳から仕事が減るのかについて、自らの経験とインタビューによって構築された一冊。
フリーランスで仕事をしている方にとっては他人事ではないし、身につまされる話が多い。この本は経験からの分析もしっかりしているが、バブルなど経済事情や時代背景も描かれているので、現代との違いも比較的分かりやすいだろう。その現代でも、編集者やクライアントなどが自分より年下になると仕事が来づらくなるのだという。確かに、自分より年上で更に親ぐらいの年齢だと頼みづらいのは確かだし、依頼料も安く年齢が下の方が依頼しやすいだろう。言われてみると、私も同様の経験がある。
またフリーランスに依頼する側は、納品する結果にしか対価を考えていないとも言える。打ち合わせの時間やそれまでの移動時間や交通費。また構想から作品づくりまでの時間やコスト感覚がまるでない。それでいて連絡もなしに待たせたり、キャンセルなど平気でする。フリーランスの痛みをまるで知らない。依頼した時点で、その人の時間を拘束していることを自覚してくれたら、僕らは厳しい現場にアルバイトに行かなくて済むのに。
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「計画的にフリーランスになった人」と「結果的にフリーランスになった人」は言い得て妙。後者は若い時分に隙間産業の便利屋として重宝されるうちに仕事を振る側が段々と年下になり「何でも屋」として扱いずらくなって仕事が減る、「40歳の壁」に突き当たるのは哀しいくらいロジカルだ。
本書自体は「『サルまん』で大ヒットを飛ばした竹熊氏でもそうなのか」というフリーランスの悲哀系読み物としては面白い。ただ竹熊氏の同年代の知人の話を聞いて集めました感が強く「別冊〇島」的な趣で、全然40歳の壁にぶち当たってない人も多く、何か示唆があるかというと難しい。20~30代が反面教師として読むにはよいかもしれない。
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世の中にフリーランスで働く人の職種は数多くあれど、その中でもライターやその周辺の職種だけが取り上げられている。もちろん著者自身がライターであり、自身の体験を中心に語り、自分に近い人々にインタビューを行ったからである。
だだ、著者やインタビュイーの体験談としては割とおもしろく読めた。
業種は違えど、40代の壁というのは確かにあり、その原因も書かれているとおりだと思う。
壁の乗り越え方について具体的なアドバイスはない。むしろ人それぞれだと言うことが分かる。
まああまり深いことは考えず、自分のできることに真摯に向き合うことでしょうね。
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作家系と限定されている中で、とても生々しい話だと思いながら読んでいた。
何人か実例も紹介されている中で、壁を感じたことはないと語る人もいて、置かれている環境や自分のやっていることの影響は要素の一つとして大きいのではないかと感じる。 現状独立は考えていないが、頭の片隅に、この話は留めたいと思う。
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知らなかった有名人のエピソードもふんだんにあって、面白かった。
フリーターは、肯定的な言葉だった。
職人タイプと芸術家タイプって、作家の中でも分かれるよね。
文章力があっても、売れるフックがないとダメ。
赤塚不二夫が、目白の高級マンションをタモリに譲り渡したエピソード。
日比野克彦さんの「ダサいものやみみっちいものに触れるな」
自分の二番煎じに耐えられるか。
浦沢直樹は、戦略的にYAWARAをヒットさせて、描きたい作品を描けるようにした。
面白いだけでは売れない。エロとセットにしたら売れた。
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バブル期で仕事が溢れていた時代、就職せずにフリーのライターとして仕事を始めてしまい、今に至る著者が体験したことと、何人かのフリーへのインタビューが掲載されている。これを読んで何かが解決するのではなく、「こんな事にならないために早いうちから備えよう」という気持ちになる本。
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フリーランスとホームレスの違いは、住居と仕事があるかないか。これだけです。胸に手を当てて考えてみても、これ以外の違いが私自身よくわかりません。先に引用した「自由業者とは、時間に縛られず、雇用契約(会社組織)に縛られない人」という自由業の定義は、そのままホームレスの定義にも当てはまるのです。(p.9)
フリーとして確定申告をして初めて知ったのですが、文筆業者と漁師と真珠の養殖業者は、3年間の平均所得で申告できるのですね。年収が平気で2〜3倍は増減するからです。(p.45)
40代・50代となると、立派なロートル。若い頃にどれだけの人脈を作れているか。その人脈の中で、出世している人、つまり「仕事を与える立場」に立っている人がどのくらいいるかで、「中年フリー」の生活は決まってくると言っても過言ではありません。(p.86)
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タイトル通り、テーマは、フリーランスとして老いていくことについて。分量の半分くらいは、中年になった著者が、社会と不適合を起こすことで生じるさまざまなトラブルが綴られている。本文でも触れられているが、吾妻ひでお氏の『失踪日記』が思い起こされる。竹熊氏も吾妻氏も、書き手として一流だから楽しく読めるけれど、けっこう悲惨な話だ。かつて一世を風靡した竹熊氏ですら、こういう状況に追い詰められるのか。私は一つ下の世代なので、これを読んで暗澹たる思いにもなったが、前を竹熊氏が走っていることに勇気づけられる思いもある。
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# 「自由」に伴う責任のお話
## 面白かったところ
- 著者自身の疑いようのないリアリティ溢れるフリーランス人生が生々しく、読書を通じて彼の人生を擬似的に体験できた
- 自由を得ることの大きすぎる代償が本全体に散らばっており、分かる人にはわかる内容になっているところ
## 微妙だったところ
- 特になし
## 感想
サラリーマンのメガネを通すと、理解不能な生態を除くような気持ちになる。
会社に文句ばかりを吐く新卒からすると、あまりにも「自由」という言葉が尊く感じる。
森羅万象に良いこと・悪いことがあるように「自由」という言葉ももちろん例外ではない。
「若さ」というレバレッジが効いていて、すべてが上手く行っているうちはなかなか気づかない。
- 発注者がいずれ年下になること。
- 年を取れば体が痛むこと。
- 体力が衰えること。
- 若い才能の芽が無限に出てくること。
こういう当たり前だけどなかなか気付けない生々しい現実を体現され、リアルに描写されている点がとても良かった。
終身雇用制度が瓦解を始めた令和時代。
そんな時代を迎えた我々にとっては、こういう一冊も教養としてありだと思う。