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広告関係の書籍としては、久しぶりに爽やかな読後感をもらえた「明日の広告」(アスキー新書)。
変化した消費者とコミュニケーションする方法、という副題の付いたこの本、書いたのは電通のクリエイティブディレクター佐藤尚之氏。スラムダンクのキャンペーンを手がけた人物である。
インターネットの普及によって変わった消費者とコミュニケーションを採るため、コミュニケーションデザインの必要性を説き、コミュニケーションデザインをすすめることにより、広告会社の明るい未来がやってくることを訴える。
AISAS、メディアニュートラルなど広告業界必須のキーワードも実に簡潔に、しかも実務的に解説されている。
広告関係者に向けた本ではあるが、決してクリエイティブオンリーではなく、営業担当者にもわかりやすく書かれており、おすすめできる。
最近はマス否定論ばかりではなく、マスメディアの将来を肯定的に捉える本も増えてきた。
その代表格となるであろうこの本は、なんとなくであるが、いい意味で変化していく広告業界のきっかけになりそうだ。
ピンチをチャンスに。そんな言葉があらためて脳裏に浮かんだ。
「TVCM崩壊」以降、どうしてもネガティブにならざるをえなかった私に元気と勇気を提供してくれた佐藤氏に感謝したい。
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宣伝部で戦う僕のバイブル。「初動」「消費者本位」「メディアニュートラル」「部分最適」など示唆に富んだ話ばかり。現状の把握や、ネットの存在の説明はピカイチ!若者が読むべき新書の一つだと思う。
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MSのYAHOO買収が話題になっている対極はgoogle・・・。これらの企業のもたらしたマーケティングの変化を、難しいマーケティング理論ではなく平易な言葉で語ってくれる。広告を恋愛に例え、消費者をさり気無く待ち伏せする7つの方法など、敏腕広告マンならではのクロスマーケティングを説く。08年、ネットマーケティングは理論から実践の段階になだれ込んでいる・・・きっと選挙でもあったら頑固オヤジでも気がつくだろう。でも、googleなどのネット検索会社って広告代理店化まで探っているようで、著者のような方をヘッドハントすることまで狙っているのでは? とても物腰の柔らかそうな方の印象で、アルファブロガーとしてのサイトも改めて拝見したくなります。
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「さとなお.com」や「ジバラン」で有名な、
当社のクリエーティブディレクターの本。
社内外で「この本で元気になった」など、大評判の本。
「元気になった」だけではなく、「この本が当社の研修の
教科書でいいんじゃないの?」というくらい、いろいろと
「今日の広告作業」でも大切なことが、心構えとして、
わかりやすくまとめられていた。
今後のプランニングでチェックリストとして使っていきたい。
この人の本は全部読んだけど、いつもその「書き口」に
憧れる。決して突飛なものいいをするわけではなく、
むしろ、すぐに結論にいかない訥々とした書き方だが、
非常に平明で、誠実。著者の人柄がうかがえる。
「沖縄」「グルメ」「WEB」と、僕がやりたいことを全部
もう10年以上まえにやってしまってる、あこがれの人。
●広告を届かせるための7つの待ち伏せ方法(例:渋谷のギャル)
・ギャルの行動を分析してコンタクトポイントをすべて
抽出できたか
・そのコンタクトポイントがメディアになっていなければ、
メディア・クリエイションで新たなメディアを創出したか
・それらすべてをメディア・ニュートラルに考えて、
中心メディアを決めたか
・消費者の導線や相乗効果を考えて、クロスメディアに設計したか
・商品はAIDMAかAISAS。AISASならそういう全体設計を
したか
・検索対策は必要か。必要ならSEOやリスティング広告を考えたか
・クチコミを起こしたか。消費者をパートナーにできたか
・CGMを活用したか。消費者制作コンテンツ(UCC)は活用できな
いか
・ブランデッド・エンターテイメントのようなプル型のコンテンツは必
要ないか
●「スラムダンク」キャンペーンから学んだこと
・初動に時間をかけることの大切さ
・自分たちが「伝えたい相手」になってみること
ちゃんと数日から数週間、商品とともに生活してみること
・商品は消費者のものであるという発想
・相手が一番望んでいることをするという考え方
真のもてなしとはなにか。たぶんこの辺がこれからの広告のキーポイ
ント
・伝えたい相手にだけ伝えるというスタンス
その方が逆にその商品のコミュニティが大きくなり、結果的に伝わる
人数が増えると思っている。人は楽しそうなコミュニティには加わりた
がるから
・相手を巻き込み、参加してもらうことの大切さ
・コミュニケーション・デザインをやりぬくということはすごく大変で
あること
効率は決してよくない。でもその分、天国みたいな時間がすごせるだ
ろう。
●その他、覚えておきたいと思ったエピソード・コトバ
・1981年以来、26年続けて「プロが選ぶ日本のホテル・旅館10
0選」で1位の加賀屋旅館の女将・小田孝さん「私は頭を下げるとき、
目の前にいるお客様の、���には見えないければ、その方の後ろにいらっ
しゃる大勢のまだ見ぬお客様にも挨拶している。加賀屋でいい一日を過
ごせたお客様は、きっとご友人やお仲間を紹介してくださる」
・素敵な>>で方向をあらわす図解方法
・クレバーな仕掛けの上にフールなクリエイティブを載せる
・クリエイティブ・ジャンプの余地を残してデザインする
・認知に徹すること
イイタイコトを詰め込む悪習に陥らない。メディアごとの
役割分担を徹底させる
・全社員からアイデアを募って、「コミュニケーションのキーになるア
イデアを出した人」がコミュニケーションデザイナーになり、全体をプ
ランニングする(2006 Intaractive Agency of the Yearの「バーバリ
アン・グループ」のやりかた)
・ディレクターの役割は、「チーム全体が活性化されているか」「トラ
ブルの匂いがしないか」「制作物のクオリティはどうか」のチェックだ
け。口出しは極力しない。
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現在における本当の消費者本位とは何かということを改めて考えさせられた。広告はしていないが、広くマーケティングや営業活動をする人にとっては一番重要なテーマが含まれていると感じた。
したがって、広告業界に携わる人だけでなく、営業全般に関わる人にとっては一読に値する本だと思う。
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消費者は、広告に注目しなくなっている。
TV、ラジオ、新聞、雑誌という4大マスメディアがもてはやされたのは今は昔。
ネット、ケータイ、フリーペーパー、ゲーム、口コミなどなど、巷に溢れかえる広告媒体。
いち一般人の僕が考えても、媒体の競争激化というか、TVや雑誌の影響力低下というか、ネット広告全盛時代というか、そんな混沌とした世界が容易に想像できてしまいます。
では、広告代理店の人たちはどんな想いでこんな状況に立ち向かっていっているんだろう?
この本、そういったメディアの影響力の変遷について、業界のスタープレーヤーの立場で、面白く分かりやすく語ってくれてます。
まあ、コアな内容は皆さんも本を読んでいただくとして、僕が一番いいなと思った一節は、著者佐藤さんが実際に携わったコミュニケーションプランニング秘話。
特に、スラムダンクの1億冊感謝記念キャンペーンの話は感動モノです。
熱い想いを持ったプランナー達が、こんな風に考え抜いて生み出したものなんだな〜と、読みながらすごいワクワクしてしまいました。
これまでのメディアの接し方と、これからのメディアの接し方。
ユーザー側の僕らの立場でも、学べることはいっぱいあるなと思います。
買って読むのが全然惜しくない一冊です。
っていうか、買うべき一冊です。
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この20年で広告を通じたメッセージを受け取って欲しい生活者は大きく変わった。
1.接触するメディアが種類・数量とも非常に多くなっており届けたい相手に広告が中々届かない
2.広告の発するメッセージに対しての興味・共感が著しく落ちている
3.広告のメッセージに対して非常に懐疑的(所詮、売り手の論理)になって来ている
4.情報が過多になりすぎているが故に、友人始めとした近しい人の口コミではなくネット口コミなどに評価・判断を委ねたりする
このように生活者側は大きく変化しているにもかかわらず、広告の作り手および広告主は、大量生産・大量消費時代を象徴する4マス『メディア』を活用することにより、広告という形での『メッセージ』をいかに効率的に多くの消費者に『届ける』かという従来のやり方から変わらなくてはならない、いい加減変わろうよ、という内容。
そのうえで、如何にターゲットの潜在顧客層にメッセージを届け、興味を持ってもらいそして購買につなげるかについて考える上で、もっとよく対象を見よう、コミュニケーションデザインの初動を徹底的に行うことについて力説している。
著者の手がけたスラムダンクのキャンペーン事例は、広告主である大手企業の宣伝部長たちにはわかりにくいかもしれず、例示としては不適切かも知れない。
一方で、自動車の事例でターゲット顧客をよく見ていないが故にその顧客層の嗜好・コンタクトポイントを誤っていた事例は大いなる教訓となる。是非、そのストラテジック・プランナーの女史と一緒に仕事をしたいものである。
最後に、この著書を読んでの感想は昨今流行の『ペルソナ』の重要性を再認識した。
残念だが当社宣伝部は、管理職がみなこの良書を読んだにもかかわらず、商品広告のテレビCMをやめて当社の販売チャネルのブランディングを語る『テレビCM』だ!って叫んでいます。
結局、変われないのね。
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コミュニケーションデザインについて書かれている。
キャンペーンやユーザー目線で考える広告。
ためになるヒントがたくさんあった。
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「消費者へのラブレター」が変わった!
広告が一世を風靡した時代は、娯楽が少なく、広告自体が消費者に渡りやすく、ちゃんと読んでくれた時代だった。
それがネットの進出で決定的な変化が起こった。
ネット=ラーの鏡(ドラゴンクエスト参照)
という、今よくいわれる広告界の話を、具体的に、イメージしやすいように書かれてます。
「テレビブーム再来」項はなるほど、と考えさせられました。
著者があの、スラダンの「あれから10日後」企画を作った人だったとは!!
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テレビ・新聞・ラジオ・雑誌という従来の主流であるマスメディア、
そしてWEBを使った広告の位置づけがすごいわかる本です。
消費者の広告に対しての感受性の変化など、これからの広告の仕方
に一石を投じるような本でとても参考になりました。
僕自身はWEBそしてニュースレターという媒体を通してお客様に接する
わけですが、そこにもいろんな工夫が必要だなあって改めて思いました。
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スラムダンクの一億冊ありがとうキャンペーンなどを手掛けた博報堂のクリエイティブディレクターの方が書かれた広告の現在と近未来についての考察。佐藤さんのブログを読んでいて、著書を出されることを知り、1ヶ月くらい前かな?出て早速読んでみました。
そしてこれはいい!!と思ったので色んな人に貸してたら手元に返ってきたのがつい最近。というわけでやっとレビューです。
テーマは、ずばり、「消費者は変わった。広告は変われるか。」
私は著者のようにいわゆる従来の(10年くらい前までの)広告時代を肌で知っているわけではないけれど、働き始めての5年前を振り返っても、あきらかにマーケットや消費者の消費行動はドラスティックに変わっていると感じる。ブログなんて、誰もやってなかったしね。mixiもしかり。その時代の変動感は『ウェブ時代をゆく』でも書いてある通り。
良くも悪くも『個』が発信力を持った時代。そして『個』同士が自由自在につながれる世界。こんな状況はまさに前代未聞。
そしてそんな時代、コミュニケーションデザイン、設計力とアイデアがものをいうと。
メディアの種類や広告/PRという手法論は単なるデザインスケッチ上の手段で、いかに今の消費者の「心を動かす」か。うーん、面白い時代です。
それとやっぱり発信する側の「伝えたい」という熱い想い。これって根本なんだけど、以外と欠如してたりするからなぁ現実は。。。と思ったり。(担当者にもよります。)
こういう基本は時代が変わっても変わらない。噛み砕いた内容で大切な基本を抑えつつ、広告人として、来る時代にmotivationを上げられる一冊でおススメです。
踏襲よりチャレンジを好む人にはいい時代なはず。
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『人生ピロピロ』のさとなおさんによる広告指南本。同じテレビ番組を見ながら、ネットで突っ込む‘ネオ茶の間’がどうなっていくのか注目です。‘チャンネルチャット’をもうけたメディアプレイヤーbrancoは2008年4月からサービス開始になったばかりです。図書館予約数は1(08/04/19現在)です。
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結構、消費者側から、
そうそう、そうなんだよね
って思いながら読める本。
スラムダンクのくだりは正直すごくうらやましい。
こんな大人もいるんだなって、なんか希望が持てる。
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とっかかりにどうぞ◎
こんな大人がうらやましい。
【追記】
概要
コウケンの上級生には物足りないかもしれないですが、消費者のすぐそばで広告を作ろう、という著者による、現場の視線から書かれてる。すぐ未来の明日の広告について、ふむふむしながらさくっと読めるかなと。ここ最近の広告の流れ(20年くらいの歴史的な)もさらりと理解することができる。
印象にのこってるとこ
「F1M1なんていう消費者はいない 」
広告を知ったフリしてF1層がうんぬん、とか言うのはやめようと思いました!
ひとこと
やはり、とっかかりにどうぞ的な。
かわいい1年生におすすめするのもいいかもね。
≪かたおか≫
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ネット出現後のブランドとは、「消費者の中に長く維持される愛」のことを呼ぶ。
コンタクトポイント
メディアニュートラル
初動に時間をかけることの大切さ
自分たちが「伝えたい相手」になってみること
商品は消費者のものであるという発想
相手が一番望んでいることをするという考え方
伝えたい相手にだけ伝えるというスタンス
相手を巻き込み、参加してもらうことの大切さ
消費者の心に何らかの価値変容を起こさないものを広告とは呼ばない
クレバーな仕組みの上にフールなクリエイティブを載せる。消費者は頭を働かせて広告なんか見てくれない。それどころか頭のスイッチをオフにしているときに偶然出会うのが広告なのである。そういうときに消費者の共感や感激を得るためには、スイッチをオフにした彼らでもわかるような、ハードルの低い表現で迫らなければいけない。
インフォメーションではいけない。価値変容を起こさないといけない。フールな表現でないといけない。認知に徹すること。よりプロモーショナルになること。ありのままの自分を出すこと。買ってくれた人をもてなすこと。買ってくれた人に参加してもらうこと。
コミュニケーションデザインは決して一人ではできない。チームでなければできない。であるならば、理解を求めるシートを作るとか、ひとりずつ理解者を増やしていくとか、少しずつ周りの環境を変えていくしかない。周りが変わるのを待ったり体制が変わるのを待っているのでは遅すぎる。
ネットは全てのコンタクトポイントを縦横無尽に結びつける体液みたいな役割を担う。
消費者の分析をしないでアイデア合戦になると初動をあやまるので、チームでまず消費者分析をしたあとで、その情報を含めてメールで流し、アイデアを募ってコミュニケーションデザインを決める。どんなメディアがどう伸びどう衰退していくかも、消費者本位に考えれば、実はそんなに大きな問題ではない。消費者にとっては「自分が使っているメディアがいいメディア」なだけである。彼らにとって魅力的なメディアは残るし、そうでないメディアは消える。送り手側の都合など消費者には関係ない。