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現在経営企画に身をおいているので、短期的な視点だけでなく、
中長期的な視点で事業を如何にドライブしていのかを、世の中の
動きと合わせて考えていかないといけないと思っており、
著者の最新作である本作品を手にしました。
世の中的には1700年代後半に起こった蒸気機関をベースに機械化が
進んだ第1次産業革命から第2次、第3次を経て、現在は第4次産業革命の
時代に入っている。
釈迦に説法ではあるが、IoT、ビッグデータ、AIといった新しい
テクノロジーをベースに産業構造の変化が起こりつつある。
技術革新が進む中、世の中の困っていることを改善する事ができる
ようになり、ものを作って、ものを売るというのではなく、
売りたい人と買いたい人をマッチングすることが容易になり、
且つグローバルに一気に浸透させることができる世の中。
但し、それも周到に準備しないとそうはうまくいかない。
クリティカルマスにどうやって達せられるか?
自分視点ではなく、顧客視点で必要としている、面倒だと思っている
ことを充足もしくは解消できるか。
実現したいことを、企業の視点に重きを置くときっとうまくいかない
ってことを言ってるんだろうなと理解。
ただ、資本力があるとクリティカルマスの到来まで待ち続けるという
戦略を取れるので、グローバルトップ企業が更に強くなる可能性も。
技術の進歩が早いのと、消費者が乗り換え易いサービスは特に
運転が難しいですね。世の中の動きを如何に本質として理解していくかが
重要であると考えます。
以下目次
■PART 1 経済学とテクノロジー
◎第1章 8時に4人の席を~マッチメイカーはいかにしてレストラン予約のフリクションを取り除いたか
◎第2章 「とにかく多くの人にリーチ」の誤謬
◎第3章 ターボ化~マッチメイカーを爆発的に成長させたテクノロジー
◎第4章 フリクションの戦士たち~マルチサイドプラットフォームはいかにして取引コストを発見・低減することで価値を創造するか
■PART2 マッチメイカーの構築、起爆、運営
◎第5章 起爆か、不発か
◎第6章 長距離輸送~価格バランスが導く価値と収益
◎第7章 城壁を超えて~プラットフォームとエコシステム
◎第8章 インテリアデザイン~活動と価値を最大化するプラットフォームの構築
◎第9章 偽物と詐欺師~プラットフォーム参加者の悪い行動を統治する
◎第10章 消える か 燃えるか
■PART3 創造、破壊、変革
◎第11章 現金の移動
◎第12章 行方不明
◎第13章 考えているより遅く早く
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同じ時期に出た「プラットフォーム革命」と同じく、ビジネスモデルとしてのマルチサイド・プラットフォームについて解説。
双方とも似たような事例や理論が出てくるので重複が多いが、それぞれ独自の視点や整理がある。
・整理の上手さ、見通しの良さは「プラットフォーム革命」に軍配。
・シングルサイドのビジネスとの対比は本書が優れている。
・関節ネットワーク効果については、本書の説明ほうが腹落ちしやすい(気がする)。
・マルチサイド・プラットフォームにおける価格決定の複雑さは、本書独自の議論。
・マルチサイド・プラットフォームの価値の源泉を、フリクション(摩擦)の削減のみで説明し(「プラットフォーム革命」では、フリクションの削減+イノベーションの促進で説明)
どちらか一方だけ、と言われれば「プラットフォーム革命」の方が面白かったけど、両方読んで補完するのがいいと思う。
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マルチサイドを持つプラットフォームが、間接ネットワーク効果によって大きな成功を収める事例が目につくが、成功者の影に、不発のまま終わったプラットフォームが幾つも存在している。その成功と失敗の違いは何によるものなのかを本書は考察し示唆してくれる。それは、取引のフリクションを低減させて価値を生むことであったり、参加者の交流促進やバランスであったり、ルールや基準であったりするが、実際に成功するプラットフォームになるための具体的な要素の獲得は、試行錯誤の連続であり、資金が尽きるまでに起爆できるかどうかが問題であるといったことが記されている。
いずれにせよ、主流のミクロ経済学が教えることとは異なるプラットフォームの経済学は、今後も経済学者の研究が行われていることであろうが、その研究のパイオニアによる成果を取りまとめた本書は、この分野の一つのマイルストーンと言える。
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マルチサイド・プラットフォームに関する書籍はそんなになかったので有用だった。特に助成サイドとマネーサイドの区分、ニワトリと卵問題の解決は興味深い。
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プラットフォーム戦略のお勉強。
①どんな場を作るのか?フリクションはあるか?
②ニワトリと卵問題はどの戦略で解決するか?
③交流を起こさせる施策は?
④プラットフォームの質の管理方法は?
⑤ビジネスモデルと価格設定は?
⑥進化する施策は?
⑦組織体制・人材は?
・プラットフォーム参加者の悪い行動を統治する
ホール・フーズ社のような伝統的ビジネスモデルの食料品店は、シングルサイド型だ。製品を買い入れ、それを顧客に再販する。ホール・フーズ社がグラノーラを買い、顧客はそれをホール・フーズから買う。顧客とグラノーラ製造者が直接に取引はしない。オープンテーブルのようなレストラン予約ビジネスは2サイド型であり、食事客とレストランを一堂に会して、相互に直接取引させる。その間の取引に、オープンテーブル自体は関与しないのである。
マッチメーカーがマルチサイドプラットフォームと呼ばれる理由は、それはしばしば異なる種類の顧客群が一堂に会するリアルなあるいはバーチャルな場を用意するからである。ナイトクラブは、男と女がたがいに好みの相手と出会うためのリアルな場である。オンライン出会い系サービスなら、同じ目的でバーチャルな場を用意する。男女はクラウド上のサーバーにインターネット経由で接続し、ソフトウェアが出会いを仲介する。
一方、マルチサイドビジネスは通常、すぐに「ニワトリと卵」問題に直面する。1998年のオープンテーブルのような、レストランと食事客のマッチメーカーは、その前方にクリアな一本道ではんく、霧深い茂みを見ただろう。まずは登録レストランの確保からはじめよう。レストランオーナーはそのアイデアを気に入ったが、ウェブサイトにはどれくらいのユーザーがいるのか、とたずねる。その返事が「ゼロ」あるいは「少し」であれば、レストランは見向きもしない。マッチメーカーは消費者をウェブサイトに誘導する。消費者はチョバーニヨーグルト同様、そのアイデアを気に入るが、サイトにはレストランがほんの数店舗か、あるいはまったく登録されていないことに気づく。たった1回の悪印象が、再びサイトを訪れる気をなくさせ、友達にも悪評をふりまく。これが「協調問題」と呼ばれるものだ。どのグループも、別のグループがサービスを利用することに同意するまで、動かないのだ。
・先駆者志望のマッチメーカーの起業家への6つの質問
①フリクションはなにか、どのくらい大きいか、解決することで誰が得をするか?
②プラットフォームのデザインはフリクションを減らすか、全サイドの参加者の関心のバランスは良いか?他の新規参入者よりも良いか?
③起爆問題はどのくらい難しいか?起業家はクリティカルマスを達成する手堅い計画を持っているか?
④プラットフォームが起爆点にたどりつき、成長してお金を生み出すような価格か?
⑤マッチメーカーはより広いエコシステムの他の人とどのように強調するか?関連するリスクに直面するか?リスクがあればうまく対処できるか?
⑥起業家はマーケットの反応に応じてすばやくデザインや起爆戦略を��正する準備ができているか?
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ああ、経済学者にありがちな、ハインドサイト、既視感、新鮮味のなさ、客観性(主観性のなさ)。経済ニュースをそこそこ追っている人なら学ぶことはあまりないです。
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プラットフォーム戦略のお勉強。
?どんな場を作るのか?フリクションはあるか?
?ニワトリと卵問題はどの戦略で解決するか?
?交流を起こさせる施策は?
?プラットフォームの質の管理方法は?
?ビジネスモデルと価格設定は?
?進化する施策は?
?組織体制・人材は?
・プラットフォーム参加者の悪い行動を統治する
ホール・フーズ社のような伝統的ビジネスモデルの食料品店は、シングルサイド型だ。製品を買い入れ、それを顧客に再販する。ホール・フーズ社がグラノーラを買い、顧客はそれをホール・フーズから買う。顧客とグラノーラ製造者が直接に取引はしない。オープンテーブルのようなレストラン予約ビジネスは2サイド型であり、食事客とレストランを一堂に会して、相互に直接取引させる。その間の取引に、オープンテーブル自体は関与しないのである。
マッチメーカーがマルチサイドプラットフォームと呼ばれる理由は、それはしばしば異なる種類の顧客群が一堂に会するリアルなあるいはバーチャルな場を用意するからである。ナイトクラブは、男と女がたがいに好みの相手と出会うためのリアルな場である。オンライン出会い系サービスなら、同じ目的でバーチャルな場を用意する。男女はクラウド上のサーバーにインターネット経由で接続し、ソフトウェアが出会いを仲介する。
一方、マルチサイドビジネスは通常、すぐに「ニワトリと卵」問題に直面する。1998年のオープンテーブルのような、レストランと食事客のマッチメーカーは、その前方にクリアな一本道ではんく、霧深い茂みを見ただろう。まずは登録レストランの確保からはじめよう。レストランオーナーはそのアイデアを気に入ったが、ウェブサイトにはどれくらいのユーザーがいるのか、とたずねる。その返事が「ゼロ」あるいは「少し」であれば、レストランは見向きもしない。マッチメーカーは消費者をウェブサイトに誘導する。消費者はチョバーニヨーグルト同様、そのアイデアを気に入るが、サイトにはレストランがほんの数店舗か、あるいはまったく登録されていないことに気づく。たった1回の悪印象が、再びサイトを訪れる気をなくさせ、友達にも悪評をふりまく。これが「協調問題」と呼ばれるものだ。どのグループも、別のグループがサービスを利用することに同意するまで、動かないのだ。
・先駆者志望のマッチメーカーの起業家への6つの質問
?フリクションはなにか、どのくらい大きいか、解決することで誰が得をするか?
?プラットフォームのデザインはフリクションを減らすか、全サイドの参加者の関心のバランスは良いか?他の新規参入者よりも良いか?
?起爆問題はどのくらい難しいか?起業家はクリティカルマスを達成する手堅い計画を持っているか?
?プラットフォームが起爆点にたどりつき、成長してお金を生み出すような価格か?
?マッチメーカーはより広いエコシステムの他の人とどのように強調するか?関連するリスクに直面するか?リスクがあればうまく対処できるか?
?起業家はマーケットの反応に応じてすばやくデザインや起爆戦略を修正する準備ができているか?
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1.フリクションはなにか、どのくらい大きいか、解決することで誰が得をするか?
2.プラットフォームのデザインはフリクションを減らすか、全サイドの参加者の関心のバランスは良いか?他の新規加入者よりも良いか?
3.起爆問題はどのくらい難しいか?起業家はクリティカルマスを達成する手堅い計画を持っているか?
4.プラットフォームが起爆点にたどりつき、成長してお金を生み出すような価格か?
5.マッチメイカーはより広いエコシステムの他の人とどのように協調するか?関連するリスクに直面するか?リスクがあればうまく対処できるか?
6.起業家はマーケットの反応に応じてすばやくデザインや起爆戦略を修正する準備ができているか?
マルチサイドプラットフォームビジネスでマッチメイカーとして成功できるかどうかの本質的な問い。この問いが本作のテーマ。
プラットフォームの考え方はまったく新しいものではなく、ただ、それがデジタルでマルチサイドでリアルタイムでどこでも可能になっただけ。
だって、駅のプラットフォームには、電車が来るから人が集まる。電車で人の行き来があるから迎えや見送りの人が集まる。それだけの話。
これまでは「場所」が支配的に重要だったけど、今はその場所が「端末上」になっただけ。つまり、どこでも良くなったことが本質的な変化。それだけが、分かれば後はビジネスマターを考えるだけ。