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2018061
山の怪談話ですが山好きならば、描写を読んだだけで楽しくなってきてしまう。怖いけれどホロリとするお話もあり。
乾燥室、霧幻魍魎なんかはグロテスクで本当に怖かったし、青いテント、三途のトロなんかはテントやツェルトの中からひとり異様な外の世界に恐怖する。
ポニーテールの女は面白い話だと思うし、櫛はホロッとする話。
舞台が丹沢や白馬、アルプスなど山好きとしては嬉しく思う一冊。怖いけど。
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山の霊異記三巻、このシリーズは主に人がかかわる山の怪異集だ。
戦前からの登山ブームは遭難者も多く出していたはずだ。
山の事故は一瞬の気の緩みで命をなくす。
もし、その一瞬で死んだ霊が、まだ自分が死んだことにも気が付かずに山を登り続けているとしたら。
山は異界だ。間違いなく。
今までに経験したのは、猪苗代の廃ロッジから伝わる異常な視線、南アルプスの沢筋でテント泊したときの深夜に響く鐘の音、と明らかな怪異には山で経験したこともある。
まだ、幸い死者には会ったことがない。
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著者の怪談を動画サイトで聴き、その語りの心地よさに惹かれて興味を持った。
この手の本を読んだのは初めてだが、程よい怖さを味わえた。一部動画で聴いたことのある話もあったが、文字で追うとまた違う感じがする。文章自体は簡潔で読みやすいが、自然の美しさなど、山登りの醍醐味を感じさせる描写もあり、ただ怖いだけの話になっていない点がよいと思う。ただ、自分に登山の経験がないためか、イメージしにくい描写もあった。
怪談を聴いた時、「いい人そうだな」と思ったが、本を読んでもその印象は変わらなかった。飾るところのない、素朴な”山ヤ”なんだろうなと。