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森岡氏の最新の著書。自分のやってきたことが間違っていないことがわかり、勇気が沸いた。
ビジネスを行う目的で編成される組織においては、主な機能はたった”4つ ”しかないと私は考えています。
…
その4つとは、マーケティング機能、ファイナンス機能、生産マネジメント機能、組織マネジメント機能です。
私の中では、会社業績という家の屋根を、後述の3つのシステム(「マーケティング・システム」「ファイナンス・システム」「生産マネジメント・システム」)が3本の大きな柱となって持ち上げて、最後の「組織マネジメント・システム」がそれら3本を土台として支えている。そのような構図になっています。
…では変化をいち早く察知するにはどうすれば良いのか?
私が強く勧めるのは、市場構造に変化をもたらす震源である”1点”をひたすらモニターすること。その1点とは市場構造を形づくっているDNAともいうべき存在、消費者の「プレファレンス」です。…
プレファレンスとは消費者のブランド選択における「相対的な好意度」のことです。購買行動の際に消費者の頭の中にいくつかあるブランドの相対的な購入確率のことを指します。市場における一人一人のプレファレンスを束にすると、市場シェア(売上個数別のシェア)に等しくなります。
経営資源を消費者のプレファレンスに集中するその能力、消費者プレファレンスを読み解いて会社を勝つ確率が高い焦点に集中させるその働きを、私は「マーケティング」と呼んでいます。マーケティングは、会社を市場(≒消費者)にフィットさせ、消費者の頭の中に”選ばれる必然”のことを「ブランド」と呼んでいます。ブランドには消費者の頭の中に存在して、その相対的な力関係でプレファレンスを決定しているのです。
実は「消費者」と「プロダクト」は双極性の関係にあります。双極性とは、北と南のようにお互いに相手がいないと成立しない関係のことです。プロダクト(消費者の欲求を満たす財やサービス)は技術を練り回したら出来上がるのではありません。「消費者」という存在がなければ、プロダクトは価値が定まらないので存在できないのです。
「森岡さんは性善説に立ちますか?それとも性悪説に立ちますか?」とよく聞かれます。その二択であれば、性悪説に立って組織はつくらねばならないと私は迷いなく答えます。マキアベリや韓非子とその点では同じ考えです。性悪説という言葉がネガティブな響きなのですが、本当は”悪”なのではなく、人間の本質がそのようにできているだけです。
上下関係や優劣で見てしまうと、主導権争いを始めて”内ゲバ”が起こります。…
それに比して、人体の「役割による共依存関係」は恐ろしいほどに上手くできています。本当に美しい!私は会社組織も何とか人体のようにならないかと模索してきました。共通の目的に向けて、それぞれの専門性を活かした明確な役割を設定し、上下関係ではなく、共依存関係で繋がり、内側は一致団結して外部環境の脅威に立ち向かうのです。
なんと��間の脳は、動物の本能として「変化を拒むようにできている」というのです。…
つまり緊張の正体は、脳が身体にかけるブレーキであり、「変化を拒む本能」だというのです。
では、組織を構成する最小単位である「人間の本質」とは何か?今までの実践と考察を踏まえた私の見解を申し述べますと、人間の本質は「自己保存」だと考えています。自己保存とは、自分の生存確率を最優先することです。
…
そんな人間が組織をつくって所属するのも、本質的な目的は自己保存です。…組織について明瞭に意識しておくべきことは、組織存続を最上位の目的に掲げているその組織を構成している最小単位は、本当は個々の自己保存を最上位の目的に掲げていることです。つまり組織と個人は利害相反の関係性にあることになります。
…意思決定システムの大事なことですが、幹事は会議のアクション・サマリーを24時間以内に全部出さなければなりません。…
アクション・サマリーの目的は「人を動かすこと」です。事細かな描写などは要りません。以下の4つの要素だけ入っていればOKです。
①その会議の目的が何だったのか?
②そして結論はどうだったのか?
③結論に至る議論された主な理由は何だったのか?
④結論に基づき、関係者が次に取るべきアクションの明示
(誰が、何を、いつまでにするのか?)
社内マーケティングのフレームワーク
①組織文脈の理解 まずはゲームのルールを理解する!
②目的 勝つ確率の高い戦いを設定する!
③WHO ターゲットは実は2つある!
④WHAT 便益も2つそれぞれを明確にする
⑤HOW 言いたいことを相手が聴きたいように話す!
人間は情緒の生物です。実利は大事ですが、人は実利だけで動くものではないのです。むしろ実利よりも重要だと思うのは、感情の領域に属する便益です。できるだけ単純な言葉で言うと、”やりがい”であり、”自分を必要とされること”です。相手がその提案を「自分の強みを発揮し、自分の存在価値を実感できる」と受け取れば、実利よりもずっと協力な便益となります。
小さなテクニックですが、しゃべり続ける相手を止めるためには、相手の名前を連呼することです。相手が自分の話に夢中になってしゃべり続ける時、「〇〇さん、〇〇さん、〇〇さん…」と相手の目を見てニコニコしながら呼び掛けてみて下さい。ふと、相手のしゃべりが止まります。驚くほど止まります。
人間は子供の時から”自分の名前”を最重要な音情報と認識してきましたから、自分の名前が連呼されると脳の意識がそちらに取られて、他のことを考え続けることができなくなるようです。…たいていの日本人ならイチコロで止められますし、インド人や中国人でも止めることができます。
鈴木 今セブンイレブンは、世界で6万店を超えるほどに成長していますが、結局重要なのは、過去の延長線上で物事を考えないことと、お客様の立場で考え抜くことなのです。
鈴木 ネットとリアル店舗の融合、すなわち「オムニチャネル」が新しい流通の形だと今でも思いますね。私が15年��本格稼働させた「オムニセブン」は、コンビニ、スーパー、百貨店などセブン&アイグループのあらゆる業態が扱う商品を24時間どこでも買えて、都合の良い場所や時間で受け取れるという世界でも類を見ない取り組みです。そして、その本質は、「商品開発」にある。よくアマゾンなどのネット通販と一緒にされたのですが、彼らは圧倒的に多くの商品を品ぞろえし、ユーザーが選んだ商品を迅速に届ける”物流会社”でしょう。それに対し、私が志向するオムニチャネルは、新しい商品を自ら生み出し、ネットとリアルの良さを生かしながらヒット商品に育てていく「ふ化装置」の役割を果たすもの。今、元気がある企業は、ニトリにしろユニクロにしろ、「製造小売業」の業態を取りながら、新しい発想で良いものを生み出している会社ですからね。
秋元 何かを発送する時に重要なのは、「最初から制限をつくらない」ことです。例えばテレビ番組を作る場合、この時間帯の視聴者はこんなものを望んでいるとか、マーケットを先に考えると予定調和に陥ります。また、「記憶に残る幕の内弁当はない」というのも持論。例えば僕が、特定の温度で焼いたハンバーグ弁当を作ろうと言うと、議論しているうちに健康に配慮して野菜や魚もいれましょうよなりがち。自分が面白いと思ったことを貫く勇気は必要です。1品でやればやるほど勝つ確率は上がると思うのです。さらに僕は、「あの何とか」と呼ばれるように「あの」の部分をつくることを毎回考えています。AKB48にしてみたら、グループ名は覚えていなくても、「秋葉原の何か劇場のアイドル」と言ってもらった時に勝ったと思うわけです。
佐藤 企業にとって全く特徴がないというのは一番まずい状態です。しかし、何十年も存続している会社でそういうケースはほとんどありませんよね。私が知っている御社はこうですが、そもそもどういう成り立ちなのか、どこに向かっているのかなど、経営者や社員の方々に延々と”問診”していくと、必ず「らしさ」に繋がるキーワードが見つかります。…結局ブランディングは、「どうすべきか」ではなくて、「どうしたいか」が最も重要で、そこを一緒に整理しましょうということです。
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USJをV字回復に導いたという実績を持つ著者なので、説得力がある。また、視点を社内に置き、改革のためのアクションが具体的であるため、イメージしやすく実感が伴う内容である。
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USJを復活に導いたことで有名な森岡さんの本。タイトルにマーケティングとあるけれど,もう一つのキーワード「組織革命」の方がメイン。組織のあり方と社内向けのマーケティングの方法を論じるとともに,各界の著名人との対談まで収録されていて盛りだくさんの一冊。骨太で読む方にも若干の気合が求められる。
個人的には評価制度や社内マーケティングについて書かれた日本の本はあまり読んでこなかったのでなかなか新鮮。社内向けのマーケティングの部分は,ノウハウレベルでも参考になる事が多い。このあたりはさすがマーケティングすることもされることも経験して成果を出してきたからなのだろう。
本人も自認しているようだけれど,かなり攻撃的な印象を文面からも感じる。とはいえ,実績を積んで成果を出しているだけあって,本質的で鋭い。ただ,完全に経営者側に立っての発言なので,そのスタンスを踏まえていないと辛く思うところもあるだろう。例えば,先に挙げた評価制度。相対評価を軸にしているのだけれど,絶対評価を満たしただけではNGになる場合があるのは辛い。それこそ人事の「(1つの)ボトルネックを解決した瞬間にボトルネックは移動してしまう」(p40)わけで,自分がぐるぐる回っているハムスターであることを痛感するしかないだろう(あるいは全員が目標に達しない場合でも誰かしら評価されるから良しとすべきか)。もちろん,冷静になれば、その格差は逆転可能になるように設計されているので,よく考え抜かれているので絶望的になる必要はない。
あとは読んでいてちょっと気になったのは余裕の話。「“人が緊張感なくラクに過ごせる組織”は遠からず滅びます」(p42)というのはそうなんだろうけれど,「目的が達成された時、最高の結果を出すということは、誰かが余力を残していてはダメ(p38)」というのはどうか。最初からこれを掲げるのは,「与えられたもの」だけに全力で取り組めば良い職場だけだろう。「与えられたもの」を超えた新しいものは超人では無い限り,余力がないと生まれにくいのではないか(カイゼンは先に含まれるだろうが,無駄を繰り返す必要のあるイノベーションは生まれにくいのではないか)。もちろん,そういう余力も含めて,つまり結果論的,終わった後で振り返って,そうであるということであれば,そのとおりだと思うのだが。
以上2点を例に上げたけれど,内容は正しいのだろうと感じるものの,自分に当てはめるとまだ受け入れ体制が整っていないように感じるところもある。とはいえ,組織をなんとかしていこうと思うのであれば,この本は読んで損はしないだろう。
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USJをV字回復させた盛岡さんの本。
人事的問題がある会社に勤めたことないので
後半は大変な会社もあるんだなという感想が大半を占めるも、前半は最高でした。
下記メモ。
組織の主な機能は4つ。
・マーケティング
・ファイナンス
・生産マネジメント
・組織マネジメント
プレファレンス(相対的な好意度)をあげるために
何をどう仕掛けるかが、マーケターのアプローチ。
消費者観点で全社連動させるカギは
マーケティング戦略下で商品開発を機能させることです。
組織づくりの本質とは
自己保存の本能を逆手に取ること。
自己保存のために変化を嫌うのが人間だが
生存確率を高めるためには、嫌いなんだけどこともあえて行う生き物でもある。
→アメとムチをつかって、組織にとって正しい行動をとることが、個人にとしての自己保存を実現する仕組みに評価等を変える。
→相対的人事評価面白い。意外とベクトルはその方式だったかも。
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ハウツー本とエッセイの中間だが学べる点は多い。
人を動かすためにはマーケティングの力が必要ということ。社外(消費者)だけでなく、社内の人間にもマーケティングが使える。ターゲティング→提供価値の検討→伝え方(従来のプロモーション)で解決できる。
すぐに実現するのは難しいが、これを知らずに経験だけを積むのと、念頭に置いた上で社内外の人とコミュニケーションを取るのでは、大きな差があると感じた。
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マーケティング目線からの組織改革。第二部の「社内マーケティングのススメ」は、これだけを1冊の本にしても十分な価値があると感じた。職場で企画立案に携わる人には、とても参考になる。
人間の本質が「自己保存」であることは、自分自身の経験でも痛感することが多く、激しく同意できた。
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マーケティングを販売プロモーションという位置付けに捉えがちだが、「市場価値を創造する仕事全般」と捉える事で、マーケティングは「どうやって売れるものをつくるか」がミッションである事に捉え直せた。
また組織を「人体」と置き換え、1つ1つの部門がそれぞれ大事な体の部位だったり、組織のコミュニケーションを、「神経伝達経路」と置き換える部分はしっくりきた。
人間の「自己保存」の本質を突いた、組織マネジメントシステムの3つのシステムも読めば読むほど勉強になった。
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◆理由
・森岡さんの考えをインストールする
◆気づき
・ほとんどの会社に当てはまる最優先の対策は、マーケティングシステム、意志決定システム、評価報酬システムの3本の釘
・評価報酬システムは、自分にとって行動を変えるメリットがあると信じられるかどうか?この一点が大切。日本企業は差をつけたがらない、なぜなら人に対して厳しいことを言わなければならないから。上司自身の甘さ。
・意志決定システム=会議=人を働かせるための儀式
・誰がどこで何を決めているかわからない組織は、誰もが公に恥をかかなくて済む仕掛けになっている
・その場で意志決定をする、最終責任者が決める
・アクションサマリーを24時間以内に共有(目的、結論、主な理由、アクション明示)
・アクションサマリーは関与者に正しい行動を早く取らせ浸透させるためのもの
◆やること
・MSミーティングサマリーの基本を作ろう
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前半7割くらいはかなり、冗長な表現が多い。後半の対談形式は学ぶことが多い。読みにくい文章が多い著者。
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元USJのCMO森岡さんの4冊目。マーケティングの話から組織の話まで。前半はかなり面白い。中盤は評価の話になる。
以下メモ。
●組織を変える個人技とは「提案を通すスキル」。
●マーケティングには消費者の購買行動を決定的に変える力がある。
●組織力=個人技とシステム(仕組み)の掛け算。
●商品開発もマーケティングシステムに含まれるべき重要機能。プロダクトはマーケティングの4Pの筆頭でもある。
●人が緊張感なくラクに過ごせる組織、は遠からず滅びる。
●プレファレンスとは消費者のブランド選択における「相対的な好意度」。購買行動の際に消費者の頭の中にいくつかあるブランドの相対的な購入確率のこと。
●マーケティングは会社を市場や消費者にフィットさせ、消費者の頭の中に「選ばれる必然」を構築し、売上を中長期的に獲得できるようにする。マーケターはその選ばれる必然のことを「ブランド」と呼ぶ。
●マーケティングは策を立てるより実行する方が難しい。
●「作る人のためのマーケター」も「売る人のためのマーケター」も狭義すぎて会社全体の利害を消費者視点でドライブするには役不足。
●プロダクトと消費者理解は双極性にも関わらず、組織構造として切り分けっぱなしの会社が多すぎる。商品開発部門のヘッドをCMOにしてマーケティング部門長をレポートさせるやり方は、CMOに要求されるブランド戦略を構築する高いマーケティング能力がなければ解決策にならない。
●多くの企業では新入社員として入った瞬間から「先輩の言うことは聞くべき」と言う刷り込みが始まる。先輩はそうやって強いられてきたので、前提として後輩は自分を敬うものだと思い込んでいる。そのせいで些細なことで後輩の行動に対して不必要に腹が立ったりする。本来腹を立てる必要はないはずなのに、腹をたてる理由、不必要なストレスを自ら作り出している「上下関係の害悪」。最初から対等だと考えていれば何のストレスもプレッシャーもない。
●多くの人が勘違いしているが自分が快適に過ごすことを目的に秘書がいるのではない。もしそうなら私設秘書として自分個人が秘書の給料を払うべき。
●ビジネス組織の文脈で性別による一般論を「個人レベル」に持ち込むことは不毛の極み。
●13%→34%→51%→ゴールの法則は組織改革の進捗を測定する際に重要なマイルストーン。
●会議とは「人を働かせるための儀式」
●USJでは報酬差を2倍や3倍どころではない何倍もの差をつけて最高評価者に報いていた。数割程度の差では人間のやる気を本当に掻き立てることができるのか不安。ただし意味のある差がないといけない。
●部下を持たない人は多くいても、上司を持たない人はほとんどいない。圧倒的大多数は「下の立場」で組織に向き合っている。
●変化の起点になりたい人は「打たれ強さ」は重要。
●自分の考えは正しいはずだからそれを理解できない上司や会社はダメな連中だということで、自分の考えを受けきれない相手を否定し、自分自身を肯定したい動機に支配されそうになる。
●その提案は誰にとって正しいの���。決定権限のある人の目的次第で判断がなされること。
●提案を通すことが苦手な人に共通するスキル不足は「自分の視点でしか物事を見ていないこと」。自分の言いたいことだけで頭がいっぱいになり、相手のアジェンダをほとんど意識して考えることをしない。なんとなく思いついたことを周到に武装もせずに相手に伝えて失敗している。下の立場から変えたい人には「スキル」が必要。
●自分の言いたいことを伝えるのではなく「自分の言いたいことを相手が買いたいものとして伝えられるか」ということ。すなわちマーケティング「顧客視点で考えること」。消費者はわかってくれない!とは言わない。会社や上司はわかってくれない!と憤る人はプロとしては実に幼稚でみっともない。会社はお金という給料を払って自分を買ってくれている顧客なのに何か勘違いしている。そういう勘違いの人は徹底的に修正。プロとして成功するために真っ先に必要なのは自分に矢印を向ける覚悟。自分の力が足りないからと認めること。
●意思決定は誰なのか。知りたいのは「個人名」。関係者間で擦り合わせて、というのはブラックボックス。
●提案の目的に大義はあるのか。確率の高い目的。
●営業現場は雑務が多いから事務仕事をする人を増員してほしい、という素朴な思いがあったとして「営業現場の煩雑事務を効率化すること」は目的にするのはマズイ。直接関係ない人には「どうでも良いこと」。自身のスキル不足による幼稚な自爆。営業現場を効率化することによって「上位組織まで何か良いことがあるのか」という視点が抜けている。部長にとって重要なのは売上の伸長。スタッフが増えることがどうして部全体の利益につながるのか「太いロジックを必死に考える必要」がある。
●困ってる人が自分目線でお願いするのは「提案ではなく」「陳情」。提案とは相手にメリットのある話を持っていくこと。上司に陳情しても通らない。
●意思決定者が重要と思ってくれなかったときは、提案そのものを売り込むのではなく、目的を売り込む。
●目的がスローガンになっているのは戦略がない証拠。
●意思決定者は誰か。合意形成の重心になる人は誰か。提案を潰せる人がいるとすると誰か。
●多くの人が提案を通すのが苦手なのはら魅力的な便益を見つけることができないから、ではなく。「実現可能性を明確に示すスキル」が不足しているから。夢を見つけて語ることはできても、どうすれば実現できるか説得力のある道筋を示せていない。
●コラボや低予算アイデアで稼ぐ→新ファミリーエリアで稼ぐ→ハリーポッターで稼ぐ→パークの多拠点展開で稼ぐ→アジア最大のエンターテイメントカンパニーになる。
●上司が悩んでいることを把握し、自分の提案がそれを解決するロジックを立てる。会話の中では、自分の提案の便益を「公の便益」から説明し、上司が気づいていないようであれば、悩んでることの解決策にも非常に有効です、と付け加えるくらいの説明をする。
●喋り続ける相手を止めるためには相手の名前を連呼する。
●敏文さんの話。前日にある商品が何十個も売れたデータが出てくると明日も同じように売れると考えがち。POSデータは「明日のお客様ニーズについて自分で立てた仮説を検証するた��に使うもの」。
●セブンのオムニチャネルは「商品開発」にあった。Amazonなどは、圧倒的な品揃えと迅速に届ける「物流会社」。
●秋元康「記憶に残る幕の内弁当はない」。議論してるうちに色々いれましょうよとなりがちだが、貫く勇気が必要。
●佐藤可士和「ブランディングはどうすべきか。ではなくて、どうしたいか、が最も重要」。
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「自己保存」という人間の本質を根底に上下左右の人を動かすための仕組み・テクニックを体系的にまとめられている。
対多数の組織づくりにおけるポイントと
対個人の社内マーケティングにおけるポイントの大きく2つに大別される。
著者もUSJ時代はマーケティング部長の立場からスタートしており、上には本部長・担当役員・社長がいるなかでハリーポッター構想を通している実績があり、ものすごく生きたノウハウが得られた。
ひさしぶりに心の底からビジネス人生のプラスになる本だった。
会社でいつでも見られるところにおいておき、定期的に自分の行動を振り返るために使っていきたい。
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個人の弱みを補い強みを足し合わせ、組織としての力が勝るような組織を作るべき。
人は変化を拒むので、変わるための必然の仕掛けを組み込む。
行動だけじゃなくて、ベースの考え方が、結構理詰めの実益ベース。日本的普通じゃないってわかりました。
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(以下、各章ごとのNote. 本筋と多少の違いがあるかもしれないが、自己解釈ということで。)
第一部 組織に熱を込めろ!-「ヒト」の力を活かす組織づくりの本質-
第1章 USJを劇的成長に導いた森岡メソッド
・組織の問題は「部位」(≒部門)ではなく「繋がり」を診る。
・生産性を妨げている「ボトルネック」を潰していくことで生産性が上がる。ボトルネックを潰すと、他のものがボトルネックになっている。見つける、潰す、見つける、潰すの繰り返しで成果が高くなる。場合によっては疲弊も見られるけれど、少しの緊張がなければ、結果なんて出てこない。
第2章 マーケティング革命とは「組織革命」である。
・市場競争で勝ち残るためには、市場変化に対応していくこと。おすすめは市場構造に変化をもたらす"震源"を継続してモニタリングしていくこと。"震源"とは消費者の「プレファレンス(preference)」
・プレファレンスとは、消費者のブランド選択における「相対的な好意度」
⇒絶対的でなはく、相対的なんだなぁ。つまり絶対的信頼によって選べれるのではなく、選択肢の中から確率論的に選ばれるものなのか。
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めちゃ良本!!何回か読み直す!!!
人の本質とは「自己保存」である。何も工夫しないと、基本的に、人は安きに流れるし、変化も拒む。
社会、組織、いろんなレベルでの所属の課題解決の促進、あるいは目的達成の流れに沿った「自己保存」をしていくような工夫・装置が必要。
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これは良本の部類だが、著者だから出来るのかな。推進力と言うか、実行力が凡人には真似できない。でも、参考になったな。