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2019.1.25
日本がどこかシニカルなのは愛国主義=軍国主義のイメージがあり、愛国主義者を名乗りづらいからかというようなことを感じた。
「繊細な良心 高機能の道徳センサー と高い知能をもつ者が、もっとも効果的に抜け駆けできる。」
ダブルスタンダードも使いようかなと。そうでない人なんてほとんどいない。
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橘節満載。面白い。
論点: 安倍政権の政策はリベラル政策。
世界は、急速にリベラル化している。今の保守層だって、その言動は、50年前の中間層よりもずっとリベラルより。
リベラルは、どの国の国内でも少数派だが、世界全体で見ると、他の国のリベラル層と連帯できるために多数派になる。保守層は、国内では多数は出会っても、ナショナリスト(自分たちの優位性を守りたい)であるために、他の国の保守層と連帯できず、国際的には少数派になる。
国内で保守層が強いのは、理論ではなく、感情に基づいた思想だから。人間の脳が進化の過程で獲得した性質が保守思想を生んでいる。
国内では、保守層に訴えかけ、国際的にはリベラルな政策をとっている安倍政権は、無敵。
きれいごとを言う人は、「道徳の勘定」効果により、自分のことになると道徳に反したことをすることに抵抗が少ない。このダブルスタンダードが批判される。
人の性格のかなりの部分(30%以上)は遺伝の影響を受けている(知能は、80%程度遺伝の影響)。
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https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20117
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もちろん、タイトルに釣られました(笑)。
ただ内容はタイトルから想像するような表層的なものではなく(著者も冒頭に断っていますが)、非常に深い。
現代日本の保守派とリベラル派の行動が逆転している現状を戦後から分析したうえで、世界的に考察を広げて深く保守派とリベラル派を深掘りしている。
橘玲さんの著作は好きで結構読む。こういう政治的な姿勢を深掘りした著作は必ずしも100%合うわけではないので賛同できない面もあるが、その豊富な知識と卓越した考察には毎回張り倒される。
不思議の国、日本を冷静に考えることができる一冊である。
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リベラルが世界の主流派なのに、なぜ日本のリベラルが信用されないのか、が良く分かりました。返す刀で日本のネトウヨの問題点も指摘しています。
筆者が戦後民主主義でもなく、ネトウヨでもない第三の道を行こうとしているのは理解できました。
ただ、途中の論旨がやや脱線気味で、少し冗長にも感じました。
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朝日の最終面接前に読んだ。面白かった。朝日新聞、変われるのかなあ。真にリベラルになれるのか。期待と一抹の不安、自分が変えるという気概を持って臨みたい。
・「朝日ぎらい」は、リベラル化とアイデンティティ化という現代社会の2つの大きな潮流から説明できる。
・社会において自己実現に失敗し「日本人であること」以外にアイデンティティを求められなくなった人がネトウヨの正体 → ネトウヨはびこる原因は社会全体のもっと深いところにあった。じゃあ今のネットの言論状況を変えるにはもっと根本的に社会の旧弊を打破し、どんな人にも居心地の良い社会を作っていかなくては。ネトウヨを救うのはリベラルでは?!
・かつての「リベラル」が既得権益層となり保守化している、若者はじつは「リベラル」であるという、リベラルと保守の逆転が起きているという見方に納得。
・安倍一強の秘密は4つの戦略の組み合わせ
①国際社会では「リベラル」
②若者に対しては「ネオリベ」
③既存の支持層に対しては「保守」
④日本人アイデンティティ主義者に対しては「ネトウヨ」
・どこかに「???」なところ(理解に苦しむ箇所)があったのだか見つけられない
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世界でも日本でもひとびとの価値観は確実にリベラルになっている。リベラルが退潮しているように見えるのは、朝日新聞に代表される日本のリベラリズム(戦後民主主義)がグローバルスタンダードから脱落しつつあるからだ。
朝日新聞出版が発行しているのは、とりあえずはえらいと思いました。由来は、戦後の非愛国リベラル教育+人口不均衡+男性支配、あたりか。
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ネトウヨ:日本人であること以外に誇るものがない日本人アイデンティティ主義者 とう言う定義腑に落ちる。国の経済力が落ちて、劣化が進む日本で、日本のリベラルに必要なのは、保守化した「リベラル高齢者」の既得権を破壊する勇気、すごく腹落ち感があって面白かった。これを書いている著者が60歳で、若くなく、この本を出した出版社が朝日新聞出版と言うのも面白かった。
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「安部政権はリベラル」だという主張にのっけからガツンとやられる。そして、その強さの秘密に納得。「リベラル」や「保守」というものを如何に理解していないか、単なるイメージでしか捉えていないんだな、ということを思い知らされた。
政治思想をもっとよく勉強しよう。
そして、橘玲氏は、やはり好きな書き手である。
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右派化が革新的で、左派の保守的な日本の奇妙な構図を、『「既得権にしがみつかないと生きて行けない世代」と「既得権を破壊しなければ希望のない世代」によって分断されている』と説明に納得。日本の政治やマスメディアの報道で感じる違和感や矛盾の正体が掴めたと思う。
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借りたもの。
題名が書籍の内容にそぐわない。しかし副題の通り現代の「リベラル」の行き詰り、その原因とこれからについて、考えさせられる内容の濃いものだった。
著者は「若者が右傾化している」という言説を否定する。
そこには「リベラル」の定義が曖昧になっている(ネオリベラルの登場により)こと、オールドリベラル(50代以上)がそれを「反動右翼」「ハシズム」として拒絶し、40代以下はオールドリベラルこそが「保守」と受け止められたためとする。
先の大戦からの復興で経済発展の余地がある世代(50代以上)と、それらがほぼ完了した世代(40代以下)の世代間対立、時代の変化による価値観の違いからの主観の相違ということらしい。
「保守」と思われている阿部政権が「リベラル」以外に政策の選択肢がなく、安倍政権に対抗するため本来「リベラル」であるはずの野党が「右」にならざるを得ないという、掲げている看板と逆転する事態になっている模様。
昔はもっと酷かった……人種差別、女性差別など人権問題から環境問題まで、リベラルは確かに世界を良くした。そのことで敗北する。
善悪がはっきりしている問題を解決した先に残っていたのは、簡単には善悪を決められないやっかいな問題ばかりが残っている。
TV報道における右傾化、ほぼ主義的な思想の支持が高まるのは何故か?
「右傾化」とは何か?
著者は「アイデンティティ」の問題と指摘。
それは知性ではなく、感情、快感によるものだった。
日本における「ネトウヨ」もトランプ大統領を生み出した「白人至上主義」も、主張は違えど根本的な考え方に共通するものがある。
どちらも「アイデンティティ」を(ネトウヨは中韓、白人至上主義は有色人種に)不当に侵害されていると思うことから起きているという。
人種差別と共通する部分もあるが、“他者が劣る”と思っている人種差別と“自分が劣っている(被害者)”という主観の違いから、話が噛み合わないそうだ。
リベラルに求められるスキル――すなわち“知性”――は、全ての人が平等に機会を与えられたとしても、全ての人が会得できるものではない。
リベラルという知識階層に対し、それに至らなかったことで“持たざるもの”であることで、リベラルにより不当に抑圧されるという考え方も絡む。
リベラル理論の閉塞と、そうした者への受け皿に、保守が成り立っている。
ポストモダンの問題点……
トランプ大統領という異形の大統領が立ったのも、新しい切り口からの差別化されたイメージがあったからこそ、と『宣伝会議 2019年8月号 NO.934』( https://booklog.jp/item/1/B07STGYCS2 )にもあった。
ページ毎の注釈にも様々な書籍が紹介されていたが、マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』( https://booklog.jp/item/1/4152091312 )に通じると思った。私は現時点で未読だけれど。
現代の思想の系譜と、日本においてその行き詰まりの原因を紐解いていく。
共同体主義、多元主義、多文化主義など、各々に相関・対立があり、複雑化して��る。
読書前、私はタイトルから、朝日新聞の誤報問題……リベラルを謳いながらただの反政権で、公平なマスメディアではないことを言及している本かと思った。違った。
朝日新聞を、リベラルな新聞の代名詞として著者は認識しているようだ。
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日本におけるリベラル志向の昨今の変遷が朝日嫌いの要因になっているとのこと。政治的な主義主張の予備知識がないとちょっと難解であった。
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タイトルが誤解を招きやすいが、朝日新聞を糾弾する本ではない。
日本のリベラルと称する勢力が、実はグローバルな視点からは既得権益にしがみつく保守層である、ということ整理してみせている。
p.232「今必要なのは、すべての労働者が身分や性別、国籍に関係なく「個人」として平等に扱われるグローバルスタンダードのリベラルな労働制度に変えていくことだ」との意見に賛同する。
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自分がリベラルであると自認するならば、論理的帰結はこうなるという事が示された本です。
最新の生物学、経済学の理論をベースに書かれており、非常に面白いです。
が同時に毒があります。
リベラルであるか、保守であるかは、遺伝学的に決まる部分があるのではないかという事を示唆しています。
遺伝学的な要素が自分の行動を決定する範囲が大きいという事は、部分的にはマーケティングでアプローチする層を特定できるかもしれない、という結論に至りそうです。
将来自分の遺伝子情報からマーケティングが行われているかもしれません。
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今まで疑問だった日本における「リベラル」と「保守」の立ち位置とその定義の矛盾が解けた気がする。”日本のリベラルに必要なのは、保守化したリベラル高齢者の既得権を破壊する勇気だ” 2020.4.17読了