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【この一冊で、エラリー・クイーン「X・Y・Zの悲劇」に挑戦!】聴力を失った時代劇の大スター片桐大三郎が、耳代わりの乃枝と共に、卓越した推理力で事件解決に奔走する最高に楽しいミステリー。
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元銀幕の大スター・片桐大三郎(現芸能プロ社長)の趣味は、犯罪捜査に首を突っ込むこと。その卓越した推理力と遠慮を知らない行動力、濃すぎる大きな顔面で事件の核心にぐいぐい迫る。聴力を失った大三郎の耳代わりを務めるのは若き付き人・野々瀬乃枝。この絶妙なコンビが大活躍する最高にコミカルで抱腹絶倒のミステリー!
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野々瀬乃絵は芸能事務所に勤めている。その芸能事務所は、かの有名な片桐大三郎が社長をしている。乃絵は、片桐の耳の代わりをしており常に一緒に行動をする。片桐のところには、頻繁にアドバイスを求めに警察がやってくる。彼らは事件が行き詰まったときに片桐に相談をし、事件の解決をお願いするのだ。
激混みの山手線の中で毒針で死んだ男、普段は使わない物置でウクレレで殴打され死んだ車椅子の画家、ベビーシッターが殺害され赤ん坊が誘拐されたお金持ちの夫婦、有名な映画監督の幻の原稿が盗まれた公民館。この片桐大三郎が全ての謎を解く!
すごい有名な俳優さん。現実世界ならあの人かな?この人かな?と想像しながら読んだ。そして、乃絵のタイピング力はすごいんだろうなと思ったりもした。会話を成り立たせるためには、早く正確に打たないといけないんだもん。私には無理かなぁと思ってみたり。
謎はどれもいいんだけど、誘拐事件の後味は最悪だった。もっと他にいい結末だってあったんじゃないの?と思ったり、8ヶ月の赤ん坊にそんなこと出来る? と思ってみたりした。だけど、最後の話は良かったなぁ。完全に騙された!
なんとなく、いつかは実写ドラマ化とかされなくもないお話だった。きっとドラマ化とかされたら見ちゃうんだろうな。片桐と乃絵、あと刑事2人組の配役気になって。
2018.11.12 読了
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このミス2016年版7位。三船敏郎っぽい大物俳優が安楽椅子探偵となって事件を解決する連作短編集。ミステリーとしての構想とトリックは秀逸。短編毎にトリックの小技が効いてるし、最後に大技もかかる。でも、文章がへたなのか、設定が大げさで不自然だし、三船と黒澤のエピソードっぽい話が長いし匿名なのでいまいち興味がわかない。なんかテンポ悪いのです。あと、短編毎の核となるトリックに突っ込みどころがあって、すんなりナルホドーってならない。最初のは、通勤途中で上着は脱がないでしょと思うし、刺されたのが満員ではないってだけで別に上着きてても成立するのでわざわざ服に穴をあけに戻ってきたのが犯人っていうの説得力なし。2番目のYの悲劇っぽいやつはずっと車いすで生活してた人がウクレレ発見したらいきなり創作意欲湧き出て歩き出しちゃったってのが不自然。3番目のは死んだ人の携帯使わなかったのがそっちが殺人の主要因だとばれるのを避けるためって、普通パスワードロックかかってるし。そいで最初から気になるのがノートパソコンを片手で話す速度で入力するってのがありえないでしょ。んで、ずーっとなんでこんなありえない設定してるのって思って読んでたら最後に大技かかってそれはそれでスゴーて思うんだけどそこまでの不自然さがやっぱり。なんか惜しい感じの小説でした。
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この読後感の明るい作風が倉知淳さんの真骨頂だと思っています。
推理小説っていうと(特に「本格」とか言われるものは)暗くて、仰々しくて、重厚なものが多いように思います。
個人的にはそういうものも大好きなんですが、こんなに単純に楽しめる本格推理小説ってなかなかないと思います。
とくに何か推理小説って小難しそうで、って敬遠しているような方にはぜひ読んでもらいたい。
ほんとに気楽に、かつ、存分に楽しませてくれる一冊でした。
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エラリー・クイーンの古典的名作「レーン四部作」のパロディですが、元ネタを知っていると、思わずニヤリとしてしまう伏線が散りばめられていて、どれも面白かったです。
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長かった!猫丸先輩シリーズが好きな作者さんでしたがこれは何とも言えません・・・。主人公の「片桐大三郎」はモデルがいそうな感じではありますが、あんまり魅力を感じませんでした。最初の短編も、注射針で刺すシーンがありますが、ちょっとご都合主義なような・・・再度刺した際に、まったく同じ個所に刺せますかね?? とは言え、そのうちドラマ化しそうです。片桐大三郎は市村正親か、北大路欣也さんあたりで脳内再生されました☆彡
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連作短編集でクイーンの悲劇をやろうとして、それはなかなか良かった。
そしてミステリとしていいなあって思う作品ばかりでした。
そして最後の仕掛けもなかなかいい。
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さっすが倉知淳。
クイーンの不朽の名作「悲劇四部作」への見事なオマージュでありながら、相変わらずの"倉知節"も健在。愉快なキャラクターたちが織りなすコミカルな物語でありながらもその中に見事なロジック、衝撃の結末が封入されている。
まずはXへのオマージュである「ぎゅうぎゅう詰めの殺意」。
満員電車ないで注射を射たれたら、コート、ワイシャツ、背中と一直線にはならないという矛盾を突いた見事な推理。
次はYへのオマージュである「極めて陽気で呑気な凶器」。
なぜウクレレを凶器に選んだか?
→ウクレレを持っていたから。そして周りに他に凶器になりそうなものがなかったから。
というあまりにも単純な論理。他の三つよりやや見劣りする感じはするが、悪くはない。
三つ目はZへのオマージュなのかはよく分からないが「途切れ途切れの誘拐」。
狂気的な凶器。"主"と"従"が反転する構図も面白いし、「田中田中」と選挙カーに連呼され、自分の名を名乗ってるように感じられて電話を中断したというのも笑ってしまうが、あまりにも凶器が...
そして"最後"の季節。
目次を見たときに時系列ずらしのトリックは気づいていたのだが、三つの短編を読んでいるうちに完全に忘れていた。
「オマージュの元ネタを知っているとより騙されやすい」という仕掛けが憎い。
読後感も良い。「良いものを読んだ」という感じがする。