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高野史緒の最新作。
基本的に寡作な人で、なかなか新刊が出ない……これでもう少しペースが上がってくれれば嬉しいのだが。
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17世紀のアムステルダムを舞台とした歴史ミステリ。ペストで死んだはずの宝石商人が蘇る、という不可解な謎が読みどころ。重厚な雰囲気でありながらそこそこ読みやすいのも魅力的。ただし……いや、時代背景とか舞台とかがそうだから仕方ないんだけれど。とにかく雰囲気がじめじめじくじくしていて気持ち悪い! 鬱陶しくなるなあ……あ、でもこれはリアリティがあるってことなのかしら。
思ったよりもレンブラントがメインではなかったなあ、という思いはあったけれど。最後の最後に見事にいいところ持って行っちゃったなあ、という印象。さすがレンブラント(笑)。
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1662年のアムステルダムでの怪奇現象を描いた作品。ミステリ。/ 肖像画から人が抜け出したという怪奇現象、過去を覚えていない主人公、ペストなど様々な出来事が細切れに描かれている。然してその出来事は全て伏線として回収される。ミステリ小説としては面白いのではあるが、コナンくんみたいな仕事をその人にやらせるの?ということを思ったりもした。よく考えると、この表紙(テュルプ博士の解剖学講義)もある種の伏線であると言える。
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17世紀のアムステルダムが舞台の歴史ミステリ。
ペストで死んで埋葬された男が生き返ったという謎に、レンブラントの息子と記憶喪失の男が迫る。
ペストと水没の恐怖にさらされる街が陰鬱な雰囲気でやるせないが、ストーリーもキャラもしっかりしていて面白かった。レンブラントの出番は少ないが、存在感あり。
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舞台となった1660年台のアムステルダムの雰囲気が伝わるいいミステリでした。あの人が探偵役とは。ぜひシリーズ化してほしいと安易に思ってしまいました。
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他のレビューにもある通りのオチだったので、凡作という意味から星3つとした。本作はミステリというより、奇想奇譚に類すべきものであろう。
素材はいい。
記憶を失った主人公。(ミステリアスだ……)
翼竜館で発生したペスト死。(当時としてはショッキングこの上ない!)
顔を見せない謎の医師。(さらにミステリアスな登場人物が!)
謎を呼ぶ宝石承認の復活。
レンブラントの絵から抜け出るという亡霊。(もしやこの話はオカルト方面にも?という期待が持てる)
この素材で、出力結果はなぜこうなった?
と、いささか疑問な部分が見受けられる。
・ダイヤモンドの話が細切れすぎて、後半再度語られるもまったく関係してないような印象がある。登場人物視点から語る文体なのだから、回想に一節いれておけばよかったのでは。
・謎解き役のレンブラントの登場が唐突すぎる。この話のキモがキモだけに、最後まで主人公と対面するわけにはいかなかったのかも知れないが、それでも息子を通じて何らかの存在感を示すわけにはいかなかったのか。
・ほかの重要キャラの登場も、唐突といえば唐突の感である。最初のプロットで、時間軸に沿った流れを作って固執したのかもしれない。
とにかく、伏線というものが全く『それらしくない』ため、機能不全に陥っている印象の凡作であった。
ディテール細切れにして、再構成したら江戸川乱歩の作品めいて面白かったんじゃないだろうか。
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確かに、観察力と物事の本質を見抜く力が名探偵の条件だというのなら、優れた画家が名探偵であるのは当然ともいえる。
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五日目の物語に入るころ、いくぶん退屈になってきてナンドの生い立ちに関わる描写がよく理解できなくなった。そのうち、物語全体の流れを見失いそうにもなったが、最後にレンブラントが丁寧にまとめてくれて救われた。ペストを装ったダイヤモンドの密輸をめぐる偽装殺人でいいのかな。その先に著者が伝えたい何かがあるはずなのに、読み取れていない。カルコーエンが一番けしからんと思うのだけれど、さしたる憎悪感が湧いてこない。ホーへフェーンの替玉死体にされたアフリカ人も得体がはっきりしないので、気の毒感が希薄だし。なんだかなぁってスッキリしない。
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歴史的な怪しい雰囲気は抜群に伝わってくるが、面白いかどうかと問われるとそこに手が届いていない。幻想的な雰囲気も謎解きもどこか中途半端という印象が拭えなかった。
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アムステルダム市庁舎に飾ってある
レンブラントが描いた絵から
夜な夜な王が抜け出してさまよう
という噂が広まっていた。
レンブラントの息子ティトゥスは
そのせいで困っているさなか
かつて肖像画を描いたことのある
町で高名な宝石商人
ホーヘフェーン宅に呼び出される。
だが、面会中に苦しみだした富豪は
そのまま不可解な死をとげた。
ところが、翌日もういちど
屋敷を訪れたティトゥスが見たのは
生き返った彼の姿だった。
噂通り、レンブラントが描いた人間は
絵から甦るのだろうか?
レンブラント好きの私にはたまらん
歴史ミステリでしたわ。
息子ティトゥスに協力するのは
ふとしたきっかけで知り合った
記憶のない旅人ナンド。
事件は合理的な解決をみるけど
ちょっと不思議な味付けも。
ティトゥスがね〜(T_T)
若くして病死しちゃうのは知ってるんで
ここに描かれた線の細そうなキャラが
読んでる最中も心配で、心配で。
ちなみに最後の謎解き探偵は
なんとレンブラントその人です。
ずっとこもって絵を描いていたくせに
安楽椅子探偵のようにズバッと
犯人を言い当てちゃうんですよ〜( ^∀^)