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100年の間、外部に様子が伝えられたことのない宮殿より取材許可を得て、伝説の島を訪れたサエバ・ミチルとウォーカロンのロイディ。伝説の島で起きた事件に2人は巻き込まれていきます。
百年シリーズ第2作。生とは何か、人間とは何かを問う物語。
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文字通り、睡魔と迷宮に突き落とされ沈められた気分。
ひとつの躰に、ふたつの独立した精神がある。
理解と同時にじわじわとゾッとした。多重の人格の意味、そしてそれは、実験。
結局、頭脳だけを抜き取られた状態では半永久的に死ぬことがない?wシリーズがこの先の未来であるのなら人類はすべて、ゆるやかな自殺を強いられていて、例え実行したところで結局死ぬことがない。みんながみんな、夢の中にいる。
頭脳を生かすために躰は存在している。
人間が機械になるのでなく、機械が人間になり得るということ。
「人間としての誇りを持ちなさい」と繰り返すメグツシュカ。
機械が人間になるのが怖いのではなく、人間という名前の椅子取りゲームに敗北する恐怖。共存ではなく、淘汰される存在になるのか。
それにしても「人間として認識できなかった」から攻撃された、というのは背筋を這いのぼる寒気を感じるな…。人間という定義を徐々に人がはみ出しているのか、ウォーカロンと人の区別がつかなくなっているのか。ただ純粋なバグか。浦沢直樹のPLUTOでいう「機械が人に近づき過ぎた」のか。
人間、機械、クローン、ウォーカロン。
クローンの定義が掴めなくて、終盤に向かうにつれて大混乱。
やっぱり名前が共通してたことには意味があったのか
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220703*読了
メグツシュカ様、シキ様!!
百年シリーズを読む前に Wシリーズを読破してしまったのだけれど、今作でその二つが繋がりを見せて、テンションが上がりました。
島の機構がダイナミックすぎる。これもマガタ・シキのなせる技。
メグツシュカ(シキ)様が束の間滞在し、実験を行なっていた、その島での出来事。
密室殺人が起きるのだけれど、それが霞んでしまうくらいのことが起きてしまう。
ミチルがロイディの視点になるシーンは、私が読んできた小説の中でも経験したことがない表現。
でも、それに違和感を感じさせず惹きこませるのが森博嗣先生の力。ひれ伏したい。
Wシリーズでのウォーカロン、クローンの先駆けとなる実験をしているシキ様。
ミチルとメグツシュカのやり取りはただの会話とは思えなくて、事実、親子の会話でもあるわけで。
そこに漂う想い、天才のシキ様はどう感じているのかと予想してみても、きっとその予想は当たらない。
私は先にWシリーズを読んでいるから、そちらでのロイディを引き取る場面が何度もよぎりました。
あのシーンにどう繋がっていくのか。ああ、気になる。
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再読。数年前に訪れたモンサンミッシェルを思い出しながら読みました。人が首を斬られて死んだりしてるのに、幻想的でなぜかロマンチックな世界観になるのがさすが森ワールド。ロイディがとてもとても愛らしい。
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女王は繋がりあって、遡るとどこにたどり着くのしょうか。四季じゃないかな、だったらいいな、と思っています。
殺人に動機がないのは森ミステリィの王道ですが、今作では合理性がありました。よくこんなこと思いつくなと関心しきりでした。