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第5部完結。
ついにこの『天子蒙塵』4巻目にして、満州国建国。
なんて言ったらいいんだろう…。
なんとも言い難い…。
最後の青空の表現にたまらなくなった。
蒼穹と同じ意味なのに、青い大空なのに、こんなに受け止め方が違うなんて…。
シリーズ中、いちばん辛いかもしれない。
ここまで時代が進んだら、物語を書くには色々と難しくなるのかなぁと思っているんだけど、でも番外編を挟んで第6部で完結になるのではないかと予想している。
肝心の龍玉の行方や史実ではない部分が収束していないし。
待ってますからね!
これで終わり、完結は絶対に嫌ですよ!!
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シリーズ第5部、完結。
あちこちに広がった話を、どう収束するのか。と思いつつ読んでいました。
結局、まだ決着がつかないというか、これからどうなるのだろう・・という登場人物達が多々いるので、終わった感がないですね。
終盤には“蒼穹の昴シリーズ”を読んできた読者への、ご褒美のようなシーンがあって、思わず目頭が熱くなりました。
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蒼穹の昴シリーズ第5部の第4巻完結巻です。
第5部は蒙塵していた天子=溥儀が満州国皇帝になるまでの話でした。
さすがストーリーテラーだけにどのエピソードも面白いのですが、これだけ長いシリーズとなると実在/架空の登場人物も多くなり、その人物の以前のエピソードをさっと思い出せないのが難点です。
とはいえ、各エピソードが中途半端に終わっているので、第5部は終わってもシリーズはまだまだ完結しないでしょうね。
次回は短編か中編で南京事件とか扱われて、その後に完結の長編になると期待したいです。
特に架空の登場人物たちの行先が気になります。
もちろんラストは文秀と春雲が蒼穹の下で亡くなるのではないかと思っています。
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本シリーズもいよいよ完結。色んな人たちの複雑な思いの中、まやかしの満州国誕生。そして、その手に贈与されたのもやはりまやかりの玉。張学良の物語かと思いきや、意外に彼の出番も少なかったですね。シリーズ5作目の本作は、これまでと比べてちょっと印象が散漫な気もしたけど、それは単行本発売毎にちょっとずつ読んだせいか。相変わらず凄いシリーズには違いないけど。
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「蒼穹の昴」から続く大河ストーリー。
最初からもう一度読みたくなる。
登場人物の一人一人忘れかけてはいるが読み進めるうちにすぐ思い出せる。これを一気に読めるのならどっぷり浸れるだろうなぁ(と、遠い目をしてうっとりしてしまう)
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春児との出会いから長い歳月が経ち、彼を通してつづられてきた清朝末期から満州国建国にかけての大陸物語は、これで締め括られたのだろうか。西太后、張作霖、張学良、溥儀ら実在の人物が繰り広げる中国史を背景に、李春雲、梁文秀、李春雷ら架空の人物が満人、いや中国人の心を、魂を伝えてくれる。龍玉という仮構さえも天命の行方に関わり、揺れ動く人心を表す。船戸与一さんが遺してくれた『満州国演義』とともに併読し、近代日本と中国の暗澹たる関係を知ることができた。そういえば、演義の敷島次郎と中原の李春雷とが被ったこともあったっけ。馬賊の総攬把に憧れた。
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最後は溥儀の即位。愛すべき梁文秀と李春雲とのやりとりで終わる。これだけ不幸な天子もいなかろうと最後は泣きながら読み進めました。
関東軍は(大日本帝国?)は中華に手を出すべきではなかったのに、なんてことをしたのだろうと、思わずにはいられない。後半に「日本と支那は本気で戦争などできまいと、志津はしみじみ思った。同じ肌の色をし、同じ顔かたちをしている。漢字の姓名を持ち、三度の飯を箸で食う。中略。よほど個人的な恨みでもあるならともかく、国ぐるみで憎しみ合うことなどできるはずはない」という一節があるが、現在の日本と中国は旧交温める関係になく、発端は関東軍の暴走からきているとしか思えず、残念でならない。
張学良や馬占山はどうなったのだろう。田宮少年や正太はどうなったのだろう。溥儀が梁文秀と李春雲でしめくくられるのは腑に落ちつつ、まだ終わらぬ面々からの物語も読んでみたいと思った。
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蒼穹の昴シリーズ完結。しかし最近の作品では登場人物やエピソードが広がりすぎて散漫な内容に。冷厳な歴史的事実を改編することは出来ないから途中で終わるのはしょうがないとしても、中華皇帝の証である龍玉がどうなったかだけは決着して欲しかった。最近の浅田次郎は泣けない…
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蒼穹の昴の春児と文秀
珍妃の井戸の珍妃
中原の虹の張作霖、学良父子
マンチュリアンレポートでの張作霖爆死
そして満州国皇帝溥儀の即位まで、これ以上続けることはあるだろうか?という長いシリーズとなったお話の恐らくは最終章。
長きにわたり楽しませてもらいました。
お話の終わりはお話で終わります。
いいお話を、一流の物書きの筆で楽しませてもらいました。
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4巻綴の最終巻。救いようのない悲しい話。龍玉の行方も分からず終いではあるが、安直に毛沢東が天下を取る話にもならないのが、却って良いのかもしれない。
振り返ってみると、「蒼穹の昴」の西太后や李鴻章、「中原の虹」の張作霖と言った千両役者はすでにない。希望の張学良はアヘン漬けと、いいところはまったくない。天子蒙塵の名にふさわしい。
梁文秀と李春雲、玲玲、雷哥の4人がお話に出てくるところは中原の虹の幕切れに対応したものか。没法子と言ってはならない、の言葉が胸に染みる。
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いよいよ溥儀が「満洲国皇帝」に即位する場面で物語は終わる。中国3000年の最後の皇帝としての意識、そして「蒼穹の昴」の主要人物である春児・玲玲兄妹と梁文秀らがそれを見守る。物語は溥儀と日本人たちが入れ替わり登場し、まとまりが無い印象は否めない。真ん中あたりで陸軍軍務局長の永田鉄山と石原莞爾及び吉永将大佐なる人物の3人が、満州事変の原因について語る場面が弩迫力だった。それぞれの勝手な思惑で15年戦争へと大きな歴史が動いていったことを痛感する本だった。
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「蒼穹の昴」シリーズの第五シリーズ。張作霖が爆殺されたその後の世界が描かれている。
満州国を作ろうとしている関東軍の手中にある宣統帝溥儀や、父を失った張学良の苦悩、強引な満州国建国を良しとしない大日本帝国軍人たちの思いなどが交錯しながら、溥儀の満州国皇帝即位式が行われる。
様々な人物が描かれている群像劇で、視点もかなり変わるが、どの人物の立場で描かれていても物語に入れるのが素晴らしい。
独白や語りかけのような文体が特に心地よく読めるのが大きいのではないかと思う。
シリーズ通しての主要キャラも重要な局面で登場する。
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清王朝最後の皇帝 溥儀 の哀しい運命
さて龍玉は、中華人民共和国の何処に。ひょっとして習近平の手か?
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静 な巻なのでやや難しく退屈に感じた。
私は~と語る人物が溥儀なのか、張学良なのか、はたまた日本の軍人なのか、一般人なのか。
皆悩んでいるがどうしようもできない。
そんな中で即位しなければいけない溥儀の心はどのようなものだったのか。
ラストの春児の没法子、メイファーヅと言ってはいけない、というお話。
『でも、没法子とさえ言わなければ、人間は存外まともに生きてゆけるものです。鳥や獣をごらんなさい。雨が降れば宿り、風のゆくえを読み、暑さ寒さをうまく凌いで生きているではありませんか。
ならば万物の霊長たる人間が、「どうしようもない」などというのは贅沢な話です。
嘆く暇があるなら、どうにかするのですよ。』
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蒼穹の昴シリーズ、完結かと思ってたんですが、まだ続くようですね。
地味ながら、なかなか渋い味のある巻でした。
何か派手な出来事があるわけではないんだけも、地味に地味にどんどん逃げ場のないどん詰まりに追い詰められていく感じが、すごく伝わってくるのがすごいです。
2019.5.26
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