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秘密組織について知ることができる、と思いきやほぼ取材苦労話だったのには辟易した。この本は、ジャーナリストを目指している人が読むと為になるのかもしれない。ただ、それを筆者が狙っているのならタイトルは変更すべきだろう(もっとも、タイトルは筆者の自由にならないと聞いたことがある。)
読んでよかったという感覚はない。
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陸軍中野学校のイズムを引き継ぐ、闇のスパイ組織が未だに自衛隊の中に現存している、という話を共同通信のライター(著者)が暴いていく。(本作はその経緯のドキュメンタリーでもある)
完全な闇組織であり、総理大臣も、防衛省長官も認識していないという意味で、完全にシビリアンコントロールを逸脱する上に、別班が収集した情報も出所不明扱いになるため信憑性がなくなんの役にも立たないという。完全なる暴走状態。
日本は公式に、真面目にスパイ組織(インテリジェンス)を作ったほうが良いのでは。
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別班:陸幕の情報部に設けられた対外情報活動班 をレポートしたのが本書です。
実際にあるのかどうかはわかりませんが、海外邦人の保護、脱出、敵地潜入、攻撃対象の特定など、安全保障上の組織存在のニーズはあると思います。ただ法的に保障されていないだけ、シビリアンコントロールの支配下にはないことが本書の骨子です。
筆者の執拗な取材の中から、浮かび上がっていく不気味な組織といった印象をうけました。
その対象は、ロシア、中国、朝鮮(含む韓国)であり、海外に拠点を設けている。
シビリアンコントロールの外にあり、防衛相、首相にもレポートされていない。
血税を使われているにもかかわらず、入手した情報については、非合法であるために、日本の政策に反映されていない。
別班の長は、中野学校などの流れを汲み、小平学校心理戦防護課程出身者の幹部で占められている。
海外での邦人救出などを意図する特殊作戦群という精鋭部隊を海外で展開するために情報収集するために、別班を一体運用しようと検討されていた。
著者の石井氏、および、所属していた共同通信が、この”事実”を発表する前に、防衛庁に4日前に事前通知をしていたことには驚きました。
その意図は海外の別班のメンバーを国内へ保護する時間を確保するため。
このことが逆に、別班の存在を示唆しているようにも感じられました。
別班のメンバーは、情報のプロとして、各省庁のメンバーとして派遣されていて、何かあった場合のために、公務員としての身分保障がされている。
陸だけなく、海にも、空にも同様の組織はあるとのこと、そしてそれらは、米軍の施設内にあって米軍とは緊密な関係という。
ひょっとして、米軍の下部組織としても、活動しているため、日本の国策には組み入れられず、独自の動きをしているのではと、疑ってしまいます。
・別班は三島由紀夫の「盾の会」と通じていた
・ムサシ機関=小金井機関、背後に日米軍事情報特別訓練の協定等、米軍とも密接な関係がある
・小平学校の校長ですら入れない部屋が小平にはある。
・防諜の対象が、ロシア、中国、朝鮮に集中していて、CISに向けられている
・統合幕僚長や、情報本部長にはレポートされていたが、副幕僚長や、情報課長にはレポートされていない。なぜなら、公表されたときに組織全体を崩壊を防ぐため、サブが生き残れるようにしている。
・三矢研究:朝鮮有事の際のシミュレーションの現代版が、特殊作戦群との一体運用。PKO派遣などでの最悪のシナリオを自衛隊としては用意する必要があった
目次は以下です。
はじめに
第1章 別班の輪郭
第2章 別班の掟
第3章 最高幹部経験者の告白
第4章 自衛隊制服組の独走
おわりに
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自衛隊の別班と呼ばれる闇の情報組織について追った記者の話。
組織そのものの説明より、取材の経緯の方が多く、若干中だるみ感はある。
記者によると、別班は大臣も知らない所で情報収集している文民統制がきいていない組織だという。
もしこのような組織が本当にあるのだとすれば、文中で佐藤氏が言う通り、政策決定に生かされないような情報を集める自己満の組織でしかない気がするし、存在意義が謎である。
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●いやほんとにこんな隠れた組織があるのかという疑念は尽きないが、まあ軍事組織とか国にはありがちなのかとも思ったり…
●とはいえ、CIAみたいな公然の組織にしてベールを隠す方がまだ健全な在り方のような気はする。何より従事する職員が気の毒すぎる。ある意味性善説で成り立っている組織だ。
●非公然ならそこから上げられる情報も活かしにくいという意見は最もだし、やはり改善が必要だろう。
●非公然ながら、ここまで取材できたということは、それだけ内情を漏らす内部告発者がいたわけで、そんなにバンバン内部告発が出るのはやはりそもそも組織として危ういと言わざるをえない。
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1、ドラマ「VIVANT」を観てるなら、なお理解が深まる。
2、別班は海外で情報活動をしているか、否かが争点。
3、内容が内容なだけに重苦しさが読む前はあるが、凄く読みやすく、テンポも良い。普通に面白い
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どこの国でも秘密情報を収集する組織がある。私の知る限りでも米国のCIA、韓国中央情報局、ロシアのKGB、日本の内調(内閣調査室)などである。
しかし、このたび石井暁氏の取材による「別班」なる
自衛隊の非公然闇組織が存在することを知った。
軍事組織の闇部隊であるから、その存在やオペレーションの詳細が総理大臣や防衛大臣にすら知らされていないという。完全に文民統制を逸脱した憲法違反の存在である。しかし、権力側はその存在を完全否定しているので、「別班」なるものは公的には存在しないことになる。秘密文書であれ、秘密情報であれ、権力にとってその存在が明るみになることが不都合な場合、権力は黒を白と言いくるめても隠蔽・改竄・捏造を繰り返す。許し難いことであるが、それが権力の本質である。本書は、身の危険を犯して地道な取材を重ね、我々に自衛隊の闇組織を明らかにしてくれた石井暁というジャーナリストに敬意を表する。
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vivantで話題になっていたので、積ん読から引っ張り出した。
取材ルポをまとめた内容。別班の歴史とかはわかるものの、実際にどんなことをしているかはまだまだ見えない。
歴史的には陸軍中野学校の流れを汲んでいる点とか特殊作戦群のはなしとかも出てくるので、そういうの好きな人は面白いかも。
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事実なのか陰謀論の類なのか、つかみどころが全く見えてこない様々な証言は確たるファクトに辿り着けぬ不毛な取材に終わるかと思いきや、当該記事が公表されてからの防衛大臣や陸上幕僚長との質疑応答が展開される終盤が面白い。そこからさらにメスを入れていく調査報道を期待する。国防という果てなき自尊心へ向かう横暴はもはや和平を目的としていないのではないか、疑念だけが募るばかりである。
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自衛隊に存在するとされるヒューミント組織、別班を丹念に追った共同通信の石井記者の取材記録
。
陸軍中野学校から受け継いだ日本のヒューミント組織、別班・青桐と言われるチームについての過去の文献調査やヒアリングから始まり、それが今現存するのか、どういう活動をしているかを取材によって迫っていく。
現場関係者の証言から朧げな輪郭を手繰り寄せ、最後は元陸上幕僚長や元情報本部長から決定的な証言をえる。記事化の努力の中、身の危険を知らせる内部協力者からの連絡も来る。そうした中で、現役の事務次官や陸上幕僚長に仁義を切った上で記事を発表。しかし、政府の答弁は過去も今も存在しないという堅いガードにあってしまう。
個人的には国家の耳としてヒューミント能力は必要だと思う(自衛隊が持つべきかは別の議論)。しかしながら、具体的活動内容を秘匿することは当然とは言え、その存在そのものが否定されることはあってはならないと思う。他の行政機能と同様に国民の税金を持って運営される以上、存在はきちんと政治や予算によるコントロールを受けるべきであり、武力組織である自衛隊に置くのであれば、当然に文民統制の下に置かれるべきものである。また、本書にもあるように非公然組織はその構成員の精神をも蝕んでしまう。文民統制を前提として、政治の議論を経てヒューミント組織を作り、別班なる存在が本当にあるのであれば、それを解体してあらたな機構として生まれ変わらせるのが適切だろうと思う。
思想信条の面では作者と隔たりを感じるが、5年以上に渡る、孤独かつ危険な取材活動の上で、問題点を鋭く指摘する調査報道を行った作者の努力にただただ敬服するばかりである。
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内容が内容なのでぼかして書かれてる部分があるのは否めないが、それでも懸命で地道な取材を微かながらしれなと思う。日本はまだ「大日本帝国」の亡霊に憑かれているのだと思うと恐ろしい。
「茶番」のような無くてもいい情報を得るために税金が使われているなら、国民の立場から是非とも無くしてほしい組織だと思った。
ドラマで見る分はワクワクするが実在し、存在を隠され、そのくせ税金はしっかり使っているのは話が別。現実ではしっかりしてほしいと思う。
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話題のドラマ「VIVANT」の参考文献。自衛隊の秘密組織「別班」の存在を巡る、記者と防衛省の攻防。まさに、命をかけて取材である。読み応えあるノンフィクションだ。
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時間をかけ、難しい素材に挑んだノンフィクション。
自衛隊の諜報防諜機関、「別班」。その任務の特殊性から存在すら公式に認められなかった組織。
首相や防衛大臣すらその存在を知らず、しかも海外においても諜報防諜活動をしている。
同種の組織は各国にあるが、日本の場合、「シビリアンコントロール」原則に明らかに反する。
報道できる質量充分な情報をどのように集めるのか。現役の自衛官に聞いても、OBに聞いても、「知らない」「答えられない」。
最後、「報道するときは48時間前に報せてくれ。あなたを死なせないようにするため、護衛をつけるから」とまで言われた上での報道となった。
労作。
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取材がんばりました!というだけの本。もう少し解像度高い情報があるのだと思っていたが、期待外れ。同じ話が使いまわされていたり、記者会見や新聞記事コピペで枚数を稼いでいるが、それでも200ページに至らず。速攻メルカリ案件。
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すみません、学がないのか私には事の重大さが分かりませんでした。
ただ全く自分事と捉えていなかった特定秘密保護法の危うさは少しだけ分かった気がしました。一方で適法なヒューミント部隊は備えるべきとも考えます。
なお、私は例のドラマは拝見しておらず、全くの純粋な興味から本書を読みました。