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新薬の副作用による患者の死亡。そこから始まる「事件」が思いもよらない方向と大きさへと広がっていく。事件の裏にあるであろう大きな組織的隠ぺいの全容が気になって引きずられるように読んだ。けれど登場人物が多くて読みながら少し混乱。人間関係もわかりにくかったり…
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なかなか面白かった。
話が転がる感じとか犯人の心情とか面白かったけど、最後が中途半端かなぁ。
巨悪と謳ってるけど、その先は?という感じ。
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5年の時を経て繰り返される連続殺人の謎を追う警察ミステリ。事件の謎もさながら、警察側の面子だの誇りだのという部分が、恐ろしかったりかっこよかったり。事実の隠蔽という部分にはもちろん腹が立つけれど、それに従わざるを得ない現場の人間の怒りもまた、やりきれない気がします。
連続殺人の端緒となる薬害事件など、読み心地は重厚で硬いのですが。最後にたどり着いた真相は……まさかここまでシンプルな個人の感情が核になっていただなんて。巨悪だのなんだのというより、こちらの方がぞくっとさせられました。なんだかもう、誰もかれもがやり切れません。
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マトリョーシカの置かれた連続殺人と、背景にある薬害事件との関連を刑事たちが追う警察小説。
ぼんぼんの若手刑事と優秀だが癖のある刑事とのコンビ、さらには単独で地道に捜査を進める刑事の、2つの視点から捜査が進んでいく。
警察同士の確執や組織内での圧力、薬害や誤審など、話はどんどん広がり複雑に。謎の解明が楽しみで読み進めたのだが、真相が二転三転し驚かされるものの、終わってみればあれこれ盛り込みすぎて片付け切れなかった部分も。真相を探り当てた刑事たちのその後が知りたい。
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犯罪による犯罪のアリバイ作り。
前代未聞の偽装冤罪・・
十重二十重に絡まって行く謎。
しっかり整理しながら読んで行かないと謎解きが楽しめない。
二つの殺人の間に横たわる時間が、より複雑さを増幅させる。
容疑者・共犯者がクルクルと入れ替わり、捜査員・上司さえも・・敵か・・味方か・・。
読み応えガッツリでした。
1本の110番通報から発見された白骨遺体、
そして傍に置かれた血塗られたマトリョーシカ。通報者Xに告げられた遺体の身元は、かつて彦宮が神奈川県警ぐるみで隠蔽した失踪事件の対象者・香取富士夫(東雲病院内科部長)だった。
失態とその隠蔽。事実が明るみになる可能性に震撼する彦坂と春日は、五年前に口を封じた相談者・林美帆を必死で捜すが、そんな折再びXからの通報で第二の遺体が見つかる。
遺体は、7年前の抗癌剤・サファリを巡る連続患者死亡事件・ムラナカ事件当時の厚労省・課長職・弓削浩二だった。
そしてその遺体の傍には、再びマトリョーシカが・・
第一のマトリョーシカには透明な液体。そして第二のマトリョーシカにはDVテープが納められていた。
完全に結びつく二つの殺人事件とM事件。
そんな中、容疑者にムラナカ事件の被害者遺族の一人・生森敬が浮かび上がるが、DVテープによって確定された香取殺しの当日、臼杵志保という女の監禁・暴行の最中だったという驚愕のアリバイがあった。
ムラナカ事件の背景、殺人ビジネス、インサイダー・・
そこに渦巻く巨大な悪の欲望が警察機構をも呑み込んで蠢く。
◯彦坂誠一・・神奈川県警捜一・強行犯係班長。健一という難病の息子を持つ。
◯春日・・神奈川県警捜一課長。5年前隠蔽を決定した上司。
◯辰巳・・ 元公安の警視庁・警部補。
六條とともに事件の核心に迫る。
◯六條・・大企業経営者の次男坊。ボンボン刑事。辰巳とコンビに。
◯栃村・・東雲病院のM事件以前のブラックビジネスを探る記者。自殺した事に。
◯林美帆・・五年前香取の愛人として香取の保護を依頼に来た女。
◯生森敬・・愛娘・真菜をM事件で失い、復讐を誓う。最重要容疑者となるが決定的なアリバイが
◯臼杵志保・・五年前、生森に監禁・暴行された被害者。 だが・・
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12月-4。3.0点。
薬害問題の加害者が、殺害される。しかも「5年前に殺害した」と通報が。第二の殺人も発生。最初の被害者の殺害画像が。
有力容疑者は、刑務所を出所したばかりだが、最初の殺人時はアリバイが。女性を監禁していた。
神奈川県警の主人公も、5年前の殺害の件で、内密にしていたことが。
県警と警視庁の縄張り争いと、2転3転する物語。
うーん、結構時間がかかった。エンジンかかったのは後半。
警察官の苦悩に時間を掛けすぎていたかな。
次作に期待。
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力作ではあるが、複数主人公的な内容の為会話の主が分かりにくいし、最後の犯人の動機落とし所に無理がある。盛り上がりに欠けた。
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真相を知った時にちょっとどうなんだと思ったけど、関わった刑事の辰巳と六絛と彦坂のキャラクターは好きなので続篇が出るなら読むと思う。
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20190112-4伏線がややこしいけど、最後で真相が犯人から語られるのはどうかと。最期の決着まで読みたかった。
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匿名の電話により山中に死体が発見される。傍らにはマトリョーシカ。被害者は、5年前に行方不明となっていた男性、神奈川県警刑事はその男性を知っていた。隠蔽した事件の男だったのだ。警視庁、県警、そして組織の闇、事件の真相は…。
神奈川県警と警視庁の鍔迫り合い、事件の仕組みなど深く読めるが、登場人物が多く最初混乱したし、刑事のキャラ(特に主要な二人、県警・彦坂、警視庁・六條)が弱いというかいまいち惹きつけない。ストーリーも詰め込みすぎ感あり。
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ぐいぐい引き込まれる感じで先も気になるしどんどん読んだけど,真相にはえー,という感想。途中から映像化が意識されてるのかなとか斜に構えた感想を抱くようにもなってしまった。ぐいぐい引き込まれる感は好きなので,横山秀夫みたいな最後までぐいっと来る話を書いてほしいなと思う。
人の名前とキャラが頭に入ってこなくて,冒頭に人物紹介を付けて欲しいけど想定されてる読者には要らないという判断なのかなと思ったけど,他の人のレビューを読んでやっぱりあった方が良いのではと思った。
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白骨死体と一緒に埋められていたマトリョーシカ。続いて同じ種類のマトリョーシカが残された惨殺死体が発見される…。被害者に対し5年前の隠蔽に関連して思いのある神奈川県警彦坂。そして捜一の坊ちゃん刑事六條と公安出の辰巳のコンビ、二つの視点で追いかける事件の影にあるのは死亡者4名を出した新薬による薬害事件で、これは本当に腹立たしく悲しいものでした。久しぶりの男くさいバリバリの警察小説は、三人のキャラがしっかり立っていて、最後がちょっと期待と違いましたが、楽しかったです。涙目のマトリョーシカは可愛いより怖いですね。
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スタイリッシュに整理したら、もう少し読みやすくなるはずだが、それで魅力が増すかというと、さてどうか。
東京と神奈川の刑事達が、ゴールへ辿り着けないからこその魅力ととらえた方が良いのだろう。
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「警視庁vs神奈川県警」「冤罪」「警察組織の隠蔽体質」「内部の人間模様」など、警察小説ではありきたりなガジェットですが、一歩一歩核心に近づくもなかなか辿り着けないジリジリした展開、意外な真相、後を引く結末などが相俟ってなかなかの読み応えでした。
しかし、回収していない伏線があり、広げた風呂敷を畳みきれていない印象が拭えません。彦坂巡査部長らはその後どうなったのかも気になります。
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読後感は虚脱。
入り組んだストーリーは読み応え抜群。
だけど、本当に警察って、世間って、こんなんなのかな?
いや、もしマジだったらこの物語は日の目をみないはずだろうし、しかし実際にある(ありそう)だから書けるのでは、とも思ったり。
謎を撒き散らす前半、それぞれを刈り取りつつ二転三転させる後半。
重たい内容の中に、軽く読める巧みな筆さばき。
チラチラとのぞく作者の言葉選びの上手さに、思わず顔がほころぶ。
特に中心になる、含みをもつ3人の刑事たちが興味をそそる。
シリーズとして掘り下げて書いて欲しいなぁ。
しかし、巧妙に謎を仕込んで組み立てて壊して、その上、登場人物までしっかりと設定して動かす……作家のアタマの中って、一体どうなってるんでしょうね?