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9月-15。3.0点。
短編集。いずれも荻原浩らしく、ホロッとさせる。
「ボクと彼女と牛男のレシピ」、シングルマザーとバーテンの物語、「人生はパイナップル」、戦争経験の祖父と野球を習った孫の物語。
とくにこの二作が秀逸だった。
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七つの短編集。
久しぶりに荻原さん作品を読んだが、やはり良い。
一番好きだったのは「僕と彼女と牛男のレシピ」。
若いバーテンダーと年上のシングルマザーとの関係を温かく描く。
近頃よく聞く、母親の交際相手による子供の虐待ニュース。でもこうやって少しずつ、懸命に歩み寄っている親子だって沢山いるはず。
カクテルのレシピと絡めながら三人の関係が変化していく様を描くのが上手い。
次に好きだったのは「君を守るために、」。
主人公の女性がマイペース型で苦手なタイプだなと思っていたが、その彼女と部屋に現れた幽霊とのやり取りが面白かった。
浴槽や冷蔵庫に下着一枚の裸の男の幽霊が丸まっているなんて、描き方によっては立派なホラーになるのだが、荻原さんならではのユーモアで笑える作品になっている。
最終話の「人生はパイナップル」。どんな例え話かと思ったら、意外にも戦時中の台湾を舞台にした話だった。
他にも荻原さんらしく、いわゆる勝ち組ではない人たちのもがきをシリアスとユーモアを上手く交えつつ描いていて楽しめた。
読み終えてタイトルの「それでも空は青い」が胸に響く。
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「非家族」がテーマ。
7話からなる短編集。
親子、恋人
形は違っても皆、どこかで繋がっている。
SFあり、ユーモアたっぷりの話しあり
次はどんな展開かな?
そんなワクワクがずっと続く。
おもちゃ箱を開けた時のように
読書の楽しさを思い出させてくれた。
「君を守るために、」「あなたによく似た機械」が
特におもしろかった。
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さらりと読める。ドラマや漫画でよく見るいかにも主人公然とした人間は登場しない。等身大の人物が気さくな文章で綴られる。今日隣であれこれ繰り広げられている人生の一幕を切り取って紹介されたようで、時々居たたまれないくらい物悲しく、ほんのり嬉しく、共感しては胸に染みる。「スピードキング」で野球を追いかけた旧友の誘いを、表向き配偶者にかこつけて断った主人公の感情の機微は、誰しもどこかで感じたものではないかと思う。
哀切が持ち味と書評にあるけれど、この人のクスッと笑えて前向きになれる話がとてもいい。その意味で「僕と彼女と牛男のレシピ」は自信をもって人にオススメできる。
「君を守るために、」「ダブルトラブルギャンブル」一読の価値あり。
前向きなのに切ない「人生はパイナップル」が一番心に食い込む作品だった。「わかりやすい言葉に踊らされる奴は、自分の頭で考えることができない馬鹿だ」って、じいちゃんの言葉が刺さる。万人に認められる人物じゃなくたって、周りからどう言われていたって、人は必ず誰かにとって掛け値無しの一人だと思い出させてくれる。
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世にも奇妙な物語 の優しいバージョンみたいなお話だった
どんなに空が青くても人は死ぬ
当たり前のことだけど 当たり前では無いこと
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どの物語も読み終わるとタイトルの奥深さが分かる、面白い1冊だった。想像を上回る変化球のような展開が多くて、次はどんな物語なのか、読み進めるにつれてワクワクしてました。男の人が主人公の恋愛ストーリーは、感情がピュアで微笑ましい。そして、自分自身との共通点が多い点にも惹かれた。本との巡り合わせと、読んだタイミングにご縁を感じてしまいました。
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どれも印象深い短編集。
スピードキングと人生はパイナップルはどちらも野球の話だけど、人生パイナップルは、主人公とおじいちゃんの関係が良かったし、主人公がおじいちゃんのおかげで、良い方向へ行くのが良かった。
この、嘘つきな人だけど、実はそうじゃないところに触れるとグッとくるのは何だろう。
君を守るために、は、怖い話かと思いきや、幽霊ハートフルな感じが面白かった。
一番切ないのはあなたによく似た機械かな。
世にも奇妙な物語とかにありそう。
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荻原さんは裏切らない、、いや、いい意味でで裏切ってくれた!
あなたによく似た機械ではまさかのオチ
最初と中間と最後は野球がテーマ
特に気に入ったのは、『僕と彼女と牛男のレシピ』と最後の『人生はパイナップル』
それぞれ完璧じゃなくても、何か大切な物を残して繋がって行くっていいなあと思わせてくれた作品
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短編集。
とても面白い話がいっぱい入ってた。
「あなたによく似た機械」と「君を守るために、」が好きで、「人生はパイナップル」でボロ泣きしたのは私の人生の問題だな。
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短編集。面白かったが、少し現実離れした話もあり、それほど入り込めなかった。「スピードキング」子供が実は娘だった、というあたりは、えっ!と思わせる小気味良いどんでん返しで良かった。
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七つの短編集。
少し不思議で切なく心が温かくなる。
荻原浩さんだあなと思わせる。
最近、朝のジョギングを始めた。
ランニングではなくあくまでジョギング。
談笑できるくらいのスピードで、
ゆっくり走るのがポイントだ。
おじいちゃんやおばあちゃんが、
ラジオ体操前のウォーキングしているのと、
そんなに変わらない速さだ。
中には健脚で後ろから追い抜かしていく人もいる。
それでも我慢してゆっくりをキープすると、
身体の中がじわりと温まり汗が滲み出てくる。
もうちょっと早く走りたい、
その気持ちをぐっとこらえ足を運び続けると、
精神的にも心地良くなってくる。
外からまとわりつく不快な暑さと異なり、
身体の内側から湧き出る熱は
なんだか爽快さを感じさせる。
荻原浩さんの物語はジョギングに似てる。
派手なドタバタ劇はないけれど、
静かに物語が展開する。
じわじわと心が温められ、
読む前と読んだ後で心情が変わる。
それでいて口当たりがいいだけではない。
心をざらり波立たせるものもある。
素朴で不格好に見せて、
さらりとした会話や言葉が
お洒落だなあとも思う。
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短編集だが、どれも面白く強く印象に残る物語だった。読みやすく読み進めたら止まらなくなった。
現実的な話かと思いきや、自分がロボットだったり、幽霊が家に住み着いていたり、発想が面白く引き込まれた。
特に、あなたによく似た機械、僕と彼女と牛男のレシピがすごく好き。
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まだ読んでなかった荻原作品。
ほっこりくる物語や、しっとりする物語が
詰まった短編。
みんな誰かに守られ、支えられて生きている。
そんなメッセージを感じる。
いい日も悪い日も
いいことも悪いことも
人生いろいろあるけど
どうにかなる。
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短編集。
荻原浩さんの作品はとても読みやすく、また、心がほっと温まるものが多いように感じる。
さまざまな立場の人間の、さまざまな生活、感情、事件。
人生は色々ある。
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荻原浩さん、すき。
世にも奇妙な物語、みたいな神秘さもありながら、どれものほほんとしてあたたかい。
最後にどんでん返しをもってくるところも、おもしろい。
夜寝る前に1.2、短編を読み進めて楽しんだ。