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日本人の仏像の見方として、宗教的な祈りに関する見方と美術的な造形に関する見方の二つがある。ただ後者は近代になってから生まれた見方であり、その見方が生まれた背景を探っていく図書。仏像の博覧会で外国がら評価され、日本の文化のアピールとして美術的な要素が強調されていく流れを知った。現在では寺よりも博物館に仏像の主導権があるという分析はまぁ、その通りだなと…
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著者もあとがきで述べているが、たしかに現在数多くある仏像の本のなかで、このように日本人と仏像の関係をテーマにしたものはわたしは読んだことがなかった。
とても興味深く、また読みやすい本でした。
仏像を取り巻く歴史や環境、人々の思いはさまざまに変わっていくのに、仏像は変わることなくそこにあり続け、受け止めてくれる…そんなところもたくさんの人を惹きつける魅力のひとつなんでしょうね。
(ひとつだけツッコミを入れるなら、坂口安吾の写真w なぜその写真使った…)
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寺や仏像との関わりの変化を通して、この国の宗教と美のかたちが見えてくる。仏像ブームの思わぬ裏側と歴史的背景がここに。
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登録漏れ。購入日不明だが、19/11/02に読了。
仏像の芸術的側面と信仰対象としての側面について、弁証法的に検討されている。対立の昇華、浸透、アウフヘーベン(笑)だ。
登場人物もすごいのだ。明治初期の文化政策から始まり、和辻、亀井勝一郎の巡礼を検討し、写真家の土門拳、入江泰吉らの仏像への向き合い方に深く寄り添い、さらに白洲正子を取り上げ、『見仏記』に至る!
なんかやられたっ!て感じ。
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●仏像が美術品と見なされるようになったのは近代になってからである。本書では、どのような過程で仏像が美術品と見なされるにいたったのかを解説している。
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<目次>
序章 仏像巡りの基層
第1章 日本美術史の構築と仏教~明治期
第2章 教養と古寺巡礼~大正期
第3章 戦時下の宗教復興~昭和戦前期
第4章 仏像写真の時代~昭和戦後期①
第5章 観光と宗教の交錯~昭和戦後期②
終章 仏像巡りの現在
<内容>
「仏像」と銘打っているが、どちらかと言えば、仏像巡りや観光と宗教観の変遷の近現代史、と言ったところか?フェノロサ、小川一真、和辻哲郎、亀井勝一郎、土門拳や入江泰吉、最後はみうらじゅんといとうせいこうが登場する。自分は「観光」に特化して、仏像好きなのだが、そこに神々しさを見つけるくらいでいいと思っている。著者とはちょっと違うかな?