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堂シリーズ最新作。本書から講談社文庫より書き下ろしに変更された(こうなると講談社ノベルズの将来が不安になるが、それはまた別の話)。
シリーズは2019年に刊行予定の最終巻を残すのみ、そして前作でかなり急展開……という、否応なしに期待してしまう中で出た最新作であるが、予想以上に面白かった。最終巻が待ち遠しい。というか、最終巻が出るまで寝かしておかなかったことを後悔している。このまま年明けの刊行まで待つしかないって辛い……。
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2018年147冊目。前作から間が空いているので、細かい点はいまいち覚えておらず。文庫のみ発売になったのもノベルスで揃えてた身としては些か不満。鏡面堂の構造自体はなかなか魅力的だった。次で綺麗に終わることを願ってます。
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クライマックスに向けて盛り上がっているな。建物のトリックについては少し無理があるようにも思うが、それがメインの主題ではないと思えばよし。
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館ミステリに数学を組み合わせた本格ミステリシリーズが続くと思いきや、とんでもない展開になり、前作では言葉を失う衝撃が。そして本作。思ったのは、沼四郎はさる芸術家がモデルな気もする。見通せないと思える真相をいつの間にか掴んでいる藤衛。さて、どのような大団円を見せるのか。
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【あらすじ】
異形の建築家が手掛けた初めての館、鏡面堂。すべての館の原型たる建物を訪れた百合子に、ある手記が手渡される。そこには、かつてここで起きたふたつの惨劇が記されていた。無明の闇に閉ざされた密室と消えた凶器。館に張り巡らされた罠とWHO、WHY、HOWの謎。原点の殺人は最後の事件へ繋がっていく!
【感想】
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堂シリーズ6巻目、5巻目からだいぶ間が空いてしまったから前巻までの内容が頭から抜け落ちてた。
このシリーズは当初の主役は数学者、十和田。
そして刑事の宮司司に代わり、彼の死によって妹の百合子と語り手が代わっていく。
しかし、ミステリーの主役はあくまで堂の名を持つ建築物なのだ。
今作では神から招かれた百合子が森の奥で出会ったのは、朽ちた堂。
鏡面堂と呼ばれた半楕球のドームで起きた過去の殺人事件を追体験し、謎を解く。
今回も建築物の平面図が提示される。
鏡面の性質と、ドームの形状を使ったトリックとは。
次巻最終話。
絶海の孤島で起きた大量殺人の真相について。
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どんどんと意外な展開が続き、この先どうなるのか気になって仕方ない堂シリーズ。本作は堂内のクローズドサークル、そして密室での殺人と本格ミステリの王道っちゃ王道。個人的には密室の理由がなぁ。もうちょっとなぁ。でもまあ楽しかった。
次がいよいよラスト。どのような最後を迎えるのかとても楽しみ。
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堂シリーズの六作目。次回作で完結する事が予告されている。
前作があまりにも理不尽な終わり方で、読後感も悪かったのでもう読むまいと思っていたが、新刊が出たら気になって手に取ってしまった。タイトルが鏡だし、ドーム型(半球形)の建物見取り図があったので、ある程度トリックの予想は付いたが、ここまでとは思わなかった。作者のトリックメーカーとしての力量は大したものだと思う。
だけど、今作も溢れる程あった物理学の理論や方法論が、どうしても頭に入ってこない。私、学生の時、物理で赤点取ったんだよなあ(+o+)。
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クライマックスの直前に挟まれる過去回想。
全てはここから始まった。
しかしまぁ藤衛は本当に得体のしれない人物ですね。
沼四郎には同情しますわ……。
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ー 光…それは、空間と時間を超越した存在。過去、現在、未来、すべての時間を超え、すべての空間と相互に干渉しながら、すべてを照らし出す…
まさしくこれは、数学そのものよ。その定理は宇宙のどこにいても普遍的なものとして存在し、現在も、未来も、そして過去のどの時代においても…宇宙の開闢以前でさえも、あまねく在り続ける。
だから、誰かが数学を発見したなんていうのは幻想、ただのまやかしよ。ましてや発見者が特別の存在だなんてことも、超越することもない。超越しているのはただ、数学そのものなの。発見者が超越するはずがない…自らが、神なのだということもね ー
“堂シリーズ”6作目。これは『眼球堂の殺人』で感動した人たちのためだけの作品と言っても過言ではない。
今回は、王道の展開で挑戦状付き。…と見せかけて、トンデモナイ真相。これは分かるわけない。
次でラストなので楽しみだ。
それにしても、森博嗣の『すべてがFになる』から始まるS&Mシリーズや綾辻行人の『十角館の殺人』から始まる館シリーズと比較されがちで、犀川創平&西之園萌絵&真賀田四季ほどのキャラ萌え要素もなく、島田潔と建築家・中村青司ほどの深い世界観を構築出来ていないようにも思えるが、最後でなんとかして欲しい。
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「わたし」が書いた手記を読んで、過去に鏡面堂で起こった殺人事件の謎を解く。
ただ、トリックとか状況設定ありきっぽく感じさせる人物設定はやや残念。
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■すべての事件【ものがたり】はここから始まった。
謎は原点【ゼロ】に収束する――鏡の館が写す過去と現在。
異形の建築家が手掛けた初めての館、鏡面堂。すべての館の原型たる建物を訪れた百合子に、ある手記が手渡される。そこには、かつてここで起きたふたつの惨劇が記されていた。無明の闇に閉ざされた密室と消えた凶器。館に張り巡らされた罠とWHO、WHY、HOWの謎。原点の殺人は最後の事件へ繋がっていく!
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堂シリーズ、第6弾。
今回は、シリーズ共通のワケの分からないストーリーと並行に、作中作のような事件の謎解きがメインだったので、比較的読みやすかった。
善知鳥神、宮司百合子、十和田只人絡みのストーリーは、ワケが分からないままです…。
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よくこんな「堂」を考えるなぁと感心しきり。やっぱり図面好きとしては、こんなトリック分かるわけないと思いつつもつい楽しく読んでしまう…
数学的要素も頭がこんがらがりつつ、だんだん慣れてきて面白くなってきた。
でも登場人物はもう完全神の領域(1人は本当に神だけど)。最終巻読むのが楽しみ。
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○ 総合評価
シリーズ6作目。あとがきによると5作目の教会堂の殺人を書いたあと,しばらく続編が出ず,3年半近くの期間があいてこの作品が出たとのこと。時間軸でいうと,眼球堂の殺人よりはるか前。シリーズの重要人物である建築家の沼四郎が,黒幕である藤衛に挑戦した事件という位置付けとなっている。
物語の構造としては,沼四郎が数学者の久須川剛太郎と料理人である村岡幸秀の二人を協力者として,藤衛に殺人劇で挑戦をしようとしていた。沼四郎が鏡面堂に仕掛けたトリックは,焦点の合わないスコープをコンタクトレンズを利用して使えるようにするというもの,楕球が2つの焦点を持つという性質を利用して,光を集めて照明にしたというもの,ほぼ常温で液体になるというガリウムという金属で床を作り,ガリウムを利用して凶器にするというもの。更に中心部分の壁を回転させることで,弾道を確保するというもの。
沼四郎は鏡面堂に用意したこれらのトリックを駆使した殺人劇で藤衛に挑戦しようと思ったが,藤衛は,トリックを見抜いて,これらの仕掛けを利用して実際に久須川と村岡を殺害してしまう。かなり無茶な展開だが,こういった無茶なスジが周木律の個性とも思える。
実行犯は手記を書いていた宮司潔。宮司潔を裏で操っていたのが藤衛であった。
トリックの無茶さも,荒唐無稽なスジも周木律らしさ。バカミスとも思えるようなトリックであり,教会堂の殺人では少し逸脱していたが,バカミス的な本格ミステリというシリーズの原点に戻った作品だといえる。これだけのトリックを用意し,整理するのに時間が掛かったということだろう。
こういう現実感がないバカミス的な本格ミステリは,個人的には結構好みの作風である。とはいえ,世間的には批判が多そう。沼四郎が殺人劇で藤衛に挑戦するために,こんな屋敷を作ったというのは,リアリティが全くない。その上,その殺人劇の仕掛けを瞬時に見抜いた藤衛が,そのトリックを利用して二人の人間を殺害するという展開はむちゃくちゃ。トリックありきの小説を成立させるために無茶なストーリーを描いている。
そのトリックも楕球の焦点が2つあることを利用した照明と館の回転,ガリウムという金属を利用した凶器とかなりバカミスチックなもの。確かに,これらのトリックでリアリティのある話を書くことは難しそう。そうであれば,いっそ,この物語のようなむちゃくちゃな話の方が合っている。
ガリウムという金属を利用した凶器や,楕球に2つの焦点があるという図形的な性質を利用したトリックなど,正直,ある程度の知識がないと見抜くことはできない。やられたという驚きより,ふーんと感じてしまう。現実的ではないけど,まぁ,面白いトリックだなと思う程度。サプライズはあまりない。
スジとしては,手記を書いていたのが宮司司と宮司百合子の父であるということは推測できてしまう。ここにあまり驚きはない。館の構造そのものを利用したトリックなので,犯行に沼四郎が関わっているのは明らか。沼四郎の物語内での行動を見る限りでは,沼四郎が藤衛に挑戦をしたというところまでは,なんとなく分かる。藤衛がそのトリッ��を利用して2人を殺害するというのもそれしかあり得ない感じで,サプライズはそれほどでもない。
総合評価としてはどうだろう。こういった荒唐無稽なスジでバカミス的トリックの作品は嫌いではない。しかし,ここまで無茶な筋書きなら,素直に驚ける作品にしてほしかったところ。★3で。
○ サプライズ ★★☆☆☆
基本的にはハウダニットの話。そこまでの驚きはない。手記の書き手が宮司司と宮司百合子の父だったというのも読めてしまう。スジにもサプライズはない。これだけ無茶な展開の作品なのにサプライズがあまりないのが残念
○ 熱中度 ★★★☆☆
面白くないわけではないけど,鏡面堂での殺人を描いた手記を読むパートと,現実の鏡面堂に善知鳥神,宮司百合子,十和田只人が来るパートが交互にあり,やや没入感に欠ける。そこまでの熱中度はない。
○ インパクト ★★★☆☆
シリーズの立ち位置としては,沼四郎が藤衛に殺人劇で挑戦するというもので,それなりのインパクトはある。トリックも,ガリウムという金属の性質を使っていたり,楕球の性質を使っていた理とそれなりのインパクトはある。でも,それなり程度か。
○ キャラクター ★★☆☆☆
シリーズ6作目ということもあって,各キャラクターの個性はこれまで描かれたとおり。十和田只人のキャラクターがかなりブレているように感じる。それなりに魅力的なキャラクターだったのだが…。
○ 読後感 ★★★☆☆
シリーズの途中の作品。藤衛がひどいやつという印象るが,人間が書けていないため,そこまで深くは感じない。読後感は良くも悪くもない。