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日頃何気なく愉しむ「一杯の珈琲」には、“現在”の“普通”へ通じるまでに至った夥しい人達の営みが凝縮されている…凄く考えさせられる内容だった!!或いは「珈琲カップを手に語る世界史」とでも呼ぶべき内容でお勧めだ!!
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コーヒーの期限、歴史も興味深いが、時折作者がビジネス上の真理を端的に書ききる所が面白い。実際にビジネスマンとして商売に関わった事は無いはずだが。。。。引用しておく。
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コーヒーと世界史の組み合わせに、興味を引き付けられて購入。
アラビアで生まれたコーヒーは宗教と溶け込み、ヨーロッパでは、喫茶店の様なコーヒーハウスが政治的、社会的な議論の場となる。イギリスで、コーヒーではなく、紅茶が流行ったのは、女性に受け入れられなかったからとか。
嗜好品としてのコーヒーから日常のコーヒーへ。当たり前のようにコーヒが飲める世の中は、平和の象徴みたいなものなんですね。
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夜遅くまで眠気を消しての礼拝のために
コーヒーは広まった。
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教関係なく全て。
コーヒーは、初めはアルコールの入っていない嗜好品として
喜ばれたが、手間がかかる割にたくさん生産できない。
コーヒーを商業化するために、ヨーロッパでは色々なアプローチもされた。付随するように、カフェ文化が生じ、各種革命の息吹も生まれる。コーヒーや砂糖は国力のぶつかり合いにも、作戦としてその輸出にも思惑として武器として使われ、国民性の特殊性までその素因に関係している。
たかがコーヒーと言うなかれ。怖い物語があるのだ!
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コーヒーの起源から始まり、コーヒーと激動の世界の中におけるコーヒーの持った役割、影響を述べる。
コーヒーと世界史を結びつけた点が面白かった。
コーヒーという嗜好品から見るヨーロッパと世界の関係史という意味合いが強い。
西洋諸国の都合により、生産地はどんどん人工的に拡散していき、世界の資本主義に翻弄されていくコーヒー。
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1992年刊行。著者は東京大学教養学部教授。◆コーヒー。イスラム・アラブ原産のそれは、西欧に渡り、カフェの形成に寄与し、ひいては、各種革命の原動力たる「世論」形成に寄与した。この実相を英仏独三様の異同を踏まえつつ解説する。また、その商品・経済産品としての意義、プランテーション形成に伴う南米・アフリカにおける西洋文明の浸透とその不都合性をも。コーヒーは紅茶ほどアジアとの関連性は大きくないので、アジアの状況はほぼ触れられない。英仏独による商品作物栽培あるいはその販売、植民地経営の意味合いを知るには好適の書か。
アジアを除く各地(中心は英仏独だが)のコーヒー関連史を、新書サイズで、広く、縦横無尽に叙述するのには感嘆。なお、アルコールならまだしも、この黒い液体が、多くの時代において、時に革命に寄与する価値を持っていたのは意外の感もあるが…。
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欧州中心の歴史に加え、コーヒー誕生のストーリーが著者の粋な文章で、楽しく読めた。たださすがに歴史を理解するのは難しいので、欧州の歴史についてもっと知りたい。
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仕事でコーヒーに関わるようになったこと、もともとコーヒー好き、さらに歴史好きなことから手に取ってみたこの本。コーヒーの起源から、コーヒーと共に動いた歴史を面白く紹介している。
まず、コーヒーはイスラム教徒であるスーフィーが「眠気」と戦うために飲み始めたのが起源で、この不思議な「黒い液体」は聖水として重宝された。
やがてコーヒーはヨーロッパへと伝播し、生産地もジャワへ、ブラジルへと広まっていく。ヨーロッパでは、イギリスやフランスでカフェ文化として花開き、特にフランスでは「カフェ・プロコプ(1689)」など、政治的議論が活発なカフェが誕生し、やがてフランス革命へ。
ドイツの独立、第一次世界大戦下でのドイツとコーヒーの関わり、やブラジル等植民地のコーヒー生産事情にも詳しい。
この本を読んで、嗜好品であるコーヒーがここまで世界で親しまれている理由がわかる気がした。一方、嗜好品であるがゆえに、コーヒーを生産し輸出する国々が、輸入国に対して強い立場で交渉に臨めないというのも分かった。必需品じゃないから。
仕事でコーヒーにかかわることが増えたので、このような予備知識も生かして日々頑張りたいと思った。
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普段何気なくとっているこの黒い不思議な飲み物。
そのルーツはイスラムの世界からでした。
ただしこの飲料が定着するには
数多くの困難と、数多くの革命、
歴史を変える出来事、
さらに負の歴史が重なっていました。
負の歴史に関しては…今もでしょう。
そう、そういうところの国は今でも
決して恵まれた環境ではないのですから。
で、かの国は…
2回も過ちを犯していたとは!!
(ある名前を言ってはいけないあの方状態の人が
出てきます)
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だいたい、コーヒーというのは奇体な飲み物である。そもそも体に悪い。飲むと興奮する。眠れない。食欲がなくなる。痩せる。しかしそのコーヒーのネガティブな特性を丸ごとポジティヴに受け入れて、世界への伝播に力を貸したのがスーフィーたちであった。
(p.14)
海外活動は危険が伴う。保険が必要だ。しかしこれもない。どこかで始めなければならない。コーヒー・ハウス。正確かつ迅速な情報と遠隔地交易にまつわる事故の補償とは時代の要請であった。
(p.62)
プロイセンは男らしい国であった 。その昔、マールブルクのエリーザベト教会のステンド・グラスに変描いたアダムとイヴの絵で、アダムを誘惑するイヴが女であったという事実に耐えられず、イヴまで男として描いたドイツ騎士団以来の強引な男っぽさが魅力であった。その中でもひときわ男らしく、大王の名に値する傑物がフリードリッヒ大王である。男の中の男といっても並ではない。女人統治時代の男の中の男である。
(p.146)
しかし、たまに密輸品のコーヒーが市場に現れたとしても、フリードリッヒ大王の昔と同じようにふたたび庶民には手の出ない高値をつけていた。庶民の手元に残ったのはふたたび、あの「君たちがいなくても、健康に、豊かに」とまるで負け惜しみの権化が国家ピューリタニズムを着飾ったような「ドイツのコーヒー」だったのである。なんでもいい。一つとして持続的に飲まれない以上、次から次へ発明と開発の手が加えられた。キク芋、ダリヤの球根、タンポポの根、ゴボウ、菊の種、アーモンド、エンドウ豆、ヒヨコ豆、カラスノエンドウ、イナゴ豆、トチの実、アスパラガスの種と茎、シダ、小判草の根、飼料用カブラ、トショウの実、アシの根、レンズ豆、ヨシの穂軸、野生のスモモ、ナナカマドの実。まだまだある。ヘビノボラズ、サンザシの実、クワの実、西洋ヒイラギの実、焼いてみて多少、褐色の焦げ目がつけば何でもいい。文字通り焼け糞である。カボチャの種、きゅうりの本体、ひまわりの種。これですべてではない。しかしもういいであろう。いかにもドイツらしいのを一つだけ付け加えておけば、ビールのホップからコーヒーを作る試みもある 。大地の糧が、というよりは、大地そのものがコーヒーを名乗りかねないような勢いである。 ドイツ語ではこうした代用コーヒーを「 ムッケフック(Muckefuck)」といい、おおよその語源的意味は「朽ち果てた褐色の大地」である。赤面したくなる。しかし赤面してはいけない。この程度で赤面していては、この国と付き合ってはいけないのだ。
(p.151-152)
作者がノリノリで書いた本は、多少筆が滑っていたとしても総じて読み物として面白い。
第一章では比較的抑揚をおさえた文章も、頁を重ねるにつれてどんどん饒舌になっていく。
ドライブ感のある講義を聞かされているようで、最後まで持っていかれました。
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自分の大好きな飲み物について書いてある1冊
コーヒーという摩訶不思議な飲み物は何故イスラム社会
だからこそ大ヒットした。
すこし面白かった
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生徒にコーヒーを教えようと単純に読んだ本。
非常に勉強になった。
近代市民社会の中に大きく入っていくコーヒーという嗜好品が戦争にまで関与するとは…
一度は読んで欲しい著作。
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山羊飼いカルディて有名、東アフリカ原産。
アルコールが禁じられているアラビアのイスラム教アラビアで発展しイエメンモカ産に対抗するため
蘭ジャワ、仏ハイチ植民地で栽培が主な産業に。
コーヒーハウスは英国ではロイズ保険誕生させ
仏では革命の舞台に。
独ではナポレオンの輸入制限を受けその後
国民は本物志向へ、
そしてポルトガル植民地ブラジルは独立して
コーヒー世界市場制覇したが
大恐慌によりSL燃料として廃棄活用
コーヒー豆を巡る歴史はなかなかに黒かったです。
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中公新書で、私の大好きな「食べて飲んで世界を知る」シリーズの1巻。今まで、茶、ジャガイモ、チョコレートと読み、「コーヒー」まで来ました。本書はイエメンで15世紀に生まれたコーヒーが世界史の中で、どんな役割を果たして来たかを描きます。カフェイン中毒者の私には楽しい本でした。
近東で、イスラム修行者が禁欲的生活を送る上で、「飲むと眠れなくなる」コーヒーが流行りました。人々が眠っているときに祈りを捧げることが美徳とされていたからです。しかし、コーヒーの語源である「カフワ」はイスラム教の中では白ワインも意味していて、神学論争を引き起こします。結局、コーヒーは認められ、近東に「コーヒーの家」が乱立し、コーヒーは爆発的な勢いで普及します。これが英国に伝わって、自由闊達な議論の場を提供し、近代市民社会の土台を作り、パリで発生したカフェでは「自由・平等・博愛」の思想が生まれます。
著者の臼井隆一郎さんはドイツ語学の研究者。そのためか、かなりのページ数を使いドイツの東アフリカ植民地経営の失敗を述べています。その失敗はドイツに人種差別という癒し難い禍根を残し、ナチズム発生の要因となってしまいました。
コーヒーの世界史への関わりを豊富な逸話、資料を用いて描いた面白い本。ただし、文章は格調高く、趣味に合わない人は読みにくいかもしれません。
「ドイツが東アフリカ植民地に傾けた努力は結局、第一次世界大戦の結果、無に帰した。しかし、人の世の営みの一切が時とともに水泡に帰し、虚空に切々と諸行無常の響きでも鳴り渡らせるならば、この世はむしろ安泰かもしれない」
この本は、まとまった時間が取れた日に喫茶店で読むのに相応しい味わい深い本と思います。私みたいに毎日4杯コーヒーを飲む人間には必読です。
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初めて読んだのは大学の時。
日常的に何となく飲んでいるものを入り口として世界史が学べる、という驚きと感動を感じた本だった。
その後も近代について考えを巡らせるときには何となく読み返すようになっている。