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【「警察」と「検察」という権力機関が、市民によって選ばれ、市政を担う市長を、その職から引きずりおろそうとしたのが今回の事件であった。そのような権力に、美濃加茂市民は屈することなく、一貫して市長の潔白・無実を信じ、支持・支援を続けた】(文中より引用)
当選当時には最年少市長の誕生として注目を集めながらも、事前収賄などの罪に問われ、2017年には最高裁において有罪と刑が確定した藤井浩人・元美濃加茂市長。同元市長の無実を訴え続けてきた弁護人が、事件の経過について解説を加えるとともに、司法システムの問題点を指摘した作品です。著者は、本事件の弁護人を務め、コンプライアンスに関する第一人者としても知られる郷原信郎。
逮捕が大々的に報じられたにもかかわらず、藤井元市長に対する市民の支持は引き続き強いというニュースを目にしたことがあったのですが、それも宜なるかなと思わせる内容。本書で描かれるのは現実の出来事なんですが、どこかカフカのシュールな小説を思い起こさせるものがありました。
弁護人による手記ということを踏まえても☆5つ