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20170808リクエスト
とても楽しみにしていた桜木紫乃作品。
いつものような、どよーんとした感じとは違う。救いどころのない設定や状況が多いけど、これは前を向いていけそうな、イメージ。
つまらない訳じゃないけど、期待していた感じとは違う。時間をおいてまた読み返したい。
2021/01/19再読
今回は、前回より刺さるものがあった。
P122
正直、柊さんは妻としても女としても人間としても、最低だった。料理も掃除も洗濯も全て手抜きだった。ぼくにも一人の人間としての価値があることを認めようとしなかった。
P123
こんなひどいことができる人に、毎日を大切に生きている人間の気持ちが分かるわけないと思います。柊さんは僕達夫婦にとって悪魔です。
不貞で離婚、慰謝料を値切り、挙句にこのセリフを言う男。元オット。
こんなことを言われたら、どうして私が、と思うが、ここでもっと言って、書くから、と思う作者魂がすごい。
最後に話していた、官能短編、女性編集者と男性の書き手の組み合わせ、を読んでみたい。
実現するといいのにな。
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柊令央は、ビストロ勤務で得る数万円の月収と、元夫から振り込まれる慰謝料で細々と暮らしていた。
いつか作家になりたい。そう思ってきたものの、夢に近づく日はこないまま、気づけば四十代に突入していた。
ある日、令央の前に一人の編集者が現れる。
「あなた今後、なにがしたいんですか」
責めるように問う小川乙三との出会いは、他人任せだった令央のこれまでを直視する日々の始まりとなる。
今は亡き母ミオ、戸籍上は妹だけど実は娘の実利、小説を書き始めたことで変わっていく人間関係の行方はー?
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虚構。主体性。厳しい編集者に応える作家志望の女性。書くことにとらわれる姿。一つの作品を作り出す苦悩、努力。淡々とした主人公だが、『砂上』を書き切ることで母を知り家族ともうまくいく感じに。編集者に繋がれたのはラッキーだったね。
これもまた、女の生き様を書いたものでした、良かった。よく味わいたく、時間をおいてまたゆっくり読んでみます。
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作家志望の中年女性のお話。優秀な女性編集者に出会い物語を創っていく過程がリアルに描かれて楽しめた。自分の過去に向き合いながら小説という虚構を創造する過酷さと醍醐味。主人公と母娘とのお話も良かった。
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江別駅の前の広場に雪が降り降りる光景から
どんどんと桜木紫乃さんの作り出す世界に浸っていく
まっすぐ目を向けたくない、できれば通り過ぎたい
関わりたくない、忘れたいようなことが
容赦無く襲ってくるが、いつの間にか強くなっていく
清々として、でもなんだか引っかかったまま読み終わった
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あくまでも主人公は地味な女性作家なのだが、でも際立つのは主人公に小説を書かせていく女性編集者。文芸編集者ってそうとう切れないとできない職業なのだとつくづく実感。本書と文中の小説とどちらも舵を取っているのは、この編集者なんだ。すばらしい。主人公女性も徐々に自分を見出し強くなっていく。とても気持ちがよかった。私は強い女性の話がやっぱり好きなんだな。ひとつ、夫が不貞を犯して離婚に至ったのだから貰える物は貰って当然と思う。ここに負い目を感じていたがそうじゃない。成り上がって行く様がぞくぞくするほどかっこいい。
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う~ん、この作品「砂上」と、作中で令央が書く作中作「砂上」が交錯して、わけがわからなくなる。
見たくないことも含めて事実を直視しないことには、そこから虚構を作り出すことはできないということが、桜木さんの小説を書くということへの回答でもあるのかなと思った。
令央よりも、女性編集者の乙三を表に出した小説を書いて欲しいと思ったのは私だけかな・・・
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先が気になって,一気読みしました。
私は,主人公の母が,主人公を産むことを決意するところが一番印象に残りました。
小説を書くということの厳しさとそれを克服しようとする姿,書くことによって母・自分・妹(実は娘)の人生について納得していく姿に,物語の展開は明るい方向へと思ったら,珠子さんの言動で冷水を浴びせられたようで,珠子さんがいい人だと思っていただけに,個人的には辛かったです。
定期収入を失うことで,主人公は小説家という茨の道に不退転の覚悟で臨むことになったという点では,必要なエピソードであったのでしょうが…。
私は,直木賞の「ホテル ローヤル」よりは本書の方がよかったです。
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ランチから休憩をはさみディナー後の閉店まで働いて、月収が6万円。時給が安すぎる。LINEがある時代の物語なのに。
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図書館で借りた本。小説家になりたい中年女性が作家デビューするまでの話で、女性編集者のアドバイスを通じて自分の生き様、母や妹との関係を題材にして小説を書き上げる。心には響かない話だった。
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作家になるために、自らの生活を素材にして、
それまでの母や妹との関係を振り返っていく。
作家の世界の見方と、自分の過去と現実を見る目が変わっていく様が興味深かった。
母親のことを認められない
主体性がない
元夫に対しても冷静で情が一切沸かない
そんな指摘を受けるような主人公が、本を1冊出すまでに少しは自分を肯定して行く
気持ちの変化がとてもリアルで、途中から作品に入り込んでしまった。
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作家である著者が、作家(になろうとする者、になっていく者)を描くという、いつもとは少し趣が異なる一冊だったけど、やはり"空虚"を描く力が巧みだなぁと思う。
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今まで同様、北海道の痛いほど冷えた空気、薄暗い景色が思い浮かぶ情景の中、女の人たちのそれぞれの生き方が描かれている。
最後がストンと落ちなかったけれど…
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柊令央は、ビストロでのバイト代と元夫からの慰謝料を生活費にし、母の残した家でぎりぎりの生活を送っていた。ある日、令央のもとに投稿作品を読んだ女性編集者が訪ねてくる。主体性なく生きてきた令央だったが、何度駄目だしをされても小説を書き続けるように。。。
令央が小説を書きつつ、自らの人生を見直す過程が面白かった。桜木さんは、女性の情念のようなものを描くのが本当にうまい。ミステリーにもなりそうなネタではあったかな。
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ジャンルにもよるかもしれないけど
作家って本当に壮絶な職業なのね
改めて身を削るってことが分かる。
これは私には無理、神経がもたないわ。