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最初のうちは、砂井がちょっと毒のある困った警察官
かと思ったら、だんだん。。。
まさかのラストに驚愕。
中盤までの方が私の好みだったかな。
そこまでは、ちょっとにやりの面白さだった。
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辛夷ガ丘市警察署生活安全課の砂井三琴、辛夷ガ丘の住民たちによる6つの連作短編集。
のどかな町、辛夷ヶ丘で起こる事件を警察官の三琴が解決するのかと思いきや・・・かなりプラっク。
面白かった、
(図書館)
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架空の警察署・辛夷ヶ丘警察署の生活安全課・砂井三琴を中心とした連作短編集。
三琴目線で描かれる前半と、その他の関係者目線で描かれ、三琴が絡む展開となる後半に分かれる。
いずれの作品も若竹ワールド満載で、最初は善人だと思っていた人物も、実は全員悪者と言う、何とも読後感が悪い作品が満載。
登場人物も全員悪者で、ここまで徹底していると、読んでいて清々しいぐらい。
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若竹七海さんの警察物といえば、御子柴くんシリーズが思い浮かぶ。くすっと笑えないこともない御子柴くんシリーズに対し、本作はコージーを通り越して、全然笑えねえ。こんな警察嫌だ。こんな町嫌だ。突き抜けたか若竹七海。
舞台は東京都郊外の辛夷ヶ丘(こぶしがおか)市。辛夷ヶ丘署に勤務する砂井三琴巡査によると、ここは警視庁の吹き溜まりだという。暇を持て余しつつ、現実を受け入れ生活をエンジョイしていた三琴。そんな場末の所轄でも、事件は起きる。
「ゴブリンシャークの目」。地元の名家の女性当主が引ったくりに遭った。金はあるだけに、色々な人間が寄ってくる。高齢者ばかりの寂れた郊外都市で、名家を維持するのも並大抵のことではない。ある意味、渡りに船だったのだろうか…。
「丘の上の死神」。こんな市でも市長選がある。保身のために現職を支持し、対立候補を逮捕しろと言う無茶苦茶な課長。地方の選挙とはドロドロしがちではあるが…。本作中では一服の清涼剤と言える「黒い袖」。警察関係者の結婚式って大変そうね。
「きれいごとじゃない」。地域密着の清掃業者。現場にしれっと紛れ込んだのは…。表向きは捜査のためだが、最初から目的はそっちだろ。それにしてもこのオチ。パートの経験がこんな形で役に立つとは。まさか、ここまで計算していた?
「葬儀の裏で」。子どもの頃は、葬式が楽しかった。という一文で始まるが、盆などで本家に親戚一同が集まった時代を、懐かしむ気持ちはわかる気がする。時代は流れても、本家を中心とした結束は不変だった。彼にはそれがわからなかった…。
最後の表題作「殺人鬼がもう一人」。20年ほど前、この町を騒がせ、未解決になっていた連続殺人事件。犯人が再び動き出した。同情する余地があるような因果応報なような…。三琴がどう処理したかは、読んでください。笑えるかこんなもん。
左遷されたはずが、実は水を得た魚のような三琴。彼女を辛夷ヶ丘署に飛ばした警視庁幹部は、英断だったと言えるだろう。三琴は三琴で好きにやる。この現代日本の縮図のような都市の治安は、ある意味安泰かもしれない。
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内容(「BOOK」データベースより)
都心まで一時間半の寂れたベッドタウン・辛夷ヶ丘。20年ほど前に“ハッピーデー・キラー”と呼ばれた連続殺人事件があったきり、事件らしい事件もないのどかな町だ。それがどうしたことか二週間前に放火殺人が発生、空き巣被害の訴えも続いて、辛夷ヶ丘署はてんてこまい。そんななか町で一番の名家、箕作一族の最後の生き残り・箕作ハツエがひったくりにあうという町にとっての大事件が起き、生活安全課の捜査員・砂井三琴が捜査を命じられたのだが…。(「ゴブリンシャークの目」)アクの強い住人たちが暮らす町を舞台にした連作ミステリー。著者の真骨頂!!
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【収録作品】ゴブリンシャークの目/丘の上の死神/黒い袖/きれいごとじゃない/葬儀の裏で/殺人鬼がもう一人
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なにその素敵な不労所得。税金もかかってないとか最高じゃない。
正直、この辛夷ヶ丘には絶対住みたくない。なんなのその訳ありのひとしかいなさそうな町。警察もひでーなと思ってたら住人もとんでもねーわ。
若竹らしいユーモアにあふれた連作ミステリ。ユーモアっていってもブラックユーモア。いつもよりブラックさが増してる。短編が六本入ってるんだけど、少しずつ微妙に重なってるところがあって、最終的に砂井さん最強ですね、っていうオチでした。かっこいいわ、砂井さん。
全体的に女性が強いのがいいよね。「黒い袖」のお姉ちゃんも好きです。おお、こわ、なむなむ。「葬儀の裏で」のサクラさんもいいね。ミナミちゃんの今後も気になるところ。
さっくり読めて面白かったです。
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「ゴブリンシャークの目」「丘の上の死神」「黒い袖」「きれいごとじゃない」「葬儀の裏で」「殺人鬼がもう一人」を収録。
東京都下の辛夷ヶ丘市を舞台としたイヤミス短編シリーズ。
最初のうちはブラックユーモアと言えなくもなかったが、話を重ねるにつれ、それを超えて、ひたすらイヤ~な感じに。こんな町には住みたくない。
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なかなかの悪徳警官が出てくる連作短編集。わりと毒が効いててあまり救いがない感じ。この作風自体は若竹七海らしい感じだけど、個人的には同じ作者でももうちょっとポップなタイプの作品の方が好み。
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東京都下の辛夷ヶ丘市を舞台とした連作。
ブラックでダーティ。
こういうの書いたら本当うまいよな!好き!!!
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都心まで一時間半の寂れたベッドタウン・辛夷ヶ丘。20年ほど前に“ハッピーデー・キラー”と呼ばれた連続殺人事件があったきり、事件らしい事件もないのどかな町だ。それがどうしたことか二週間前に放火殺人が発生、空き巣被害の訴えも続いて、辛夷ヶ丘署はてんてこまい。そんななか町で一番の名家、箕作一族の最後の生き残り・箕作ハツエがひったくりにあうという町にとっての大事件が起き、生活安全課の捜査員・砂井三琴が捜査を命じられたのだが…。(「ゴブリンシャークの目」)アクの強い住人たちが暮らす町を舞台にした連作ミステリー。著者の真骨頂!!
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ラストにどんでん返しが待ち構えている、と言えばそうなのだが、そのどんでん返しぶりが、ちょっと普通ではない。というか、予想の斜め上を行く感じで、はぐらかされたようでもあり、まんまとしてやられたようであり、病みつきになりそうである。ガラッと視点が変わってすっきりするかと言えばそうとも言い切れないこともあり、その辺りが絶妙で、もやもや感を残しつつ、次に惹き寄せられてしまうようで、妙な魅力がある一冊なのである。もっと読みたい。
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事件も事故もない取り残された街。辛夷ヶ丘の警察官・砂井三琴。街はのどかだけれど、砂井は悪? ブラックでユーモアある連作短編ミステリ。
今回は隠れた毒ばかり。砂井の悪さ加減が絶妙に描かれている、描き加減が上手い。怖いぞ、砂井! 圧倒的なものではなく、ユーモアの中にそろりとのぞかせる悪だ。また新しいシリーズの登場か? 砂井をまた見てみたい、悪具合をね。
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辛夷ヶ丘で起こる数々の事件を描いた連作ミステリ。とにかくシニカル。とにかくブラック。登場人物どいつもこいつもろくな人間じゃない。悪徳警察官がもう素晴らしく酷いのだけれど、そのほかの住人もかなり酷いわ。おそらく、最も住みたくない町・辛夷ヶ丘。……でも物語として読む分にはとんでもなく面白いんだよね。
お気に入りは表題作「殺人鬼がもう一人」。嫌だ、一人で充分なのに! という心境。最後のどんでん返しにもやられたけれど。嫌な話なのに嫌さもここまで突き抜けていると、読後を爽快に感じてしまいます。おそらく、誰にも同情できないからかもしれない。
「黒い袖」も、とにかくいろんなことが次から次へと起こるのに振り回されて、あの部分にはまーったく及びもつきませんでした。ああそういえば伏線いっぱいあった! にしても大変すぎるなあ。
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奥多摩辛夷(こぶし)ヶ丘市を舞台とする短編集。
警視庁の吹き溜まり辛夷ヶ丘署の生活安全課に所属する男女2人の捜査員が主要登場人物だが、編により主人公は異なる。
登場するのはどれも倫理観に欠けた人殺しも厭わない人々ばかりなのだが、不思議と悲壮感や暗さを感じない。
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生活安全課の大女、砂井三琴が行うダーティーな捜査のブラック感が笑える連作ミステリー。この毒はたまりませんな!