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「多くの資料の紹介や引用を通して描きたかったのは」「彼らに見えていた現実の認識地図」というあとがきがまさにこの本を表すに相応しい。
文学さえも政治の俎上にのせられていく中で、ギリギリの戦略をめぐらせたり大っぴらに戦ったり。
文豪として名前だけを知っていた幾人かへのイメージが変わった。
やっぱりいつの時代にもこういうアホな保守はいるのねとか。
「図書館戦争」で描かれたような世界。
こういうこと調べて書いたんだろうなあの小説は。
今の世にもわりと他人事じゃない。
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[ 内容 ]
関東大震災、治安維持法、普通選挙、拡張するマスメディアと出版界…大正から昭和へと時代が移り変わる激動のさなか、検閲の嵐が文学を直撃する。
そして謎に満ちた一九二六、二七年の筆禍―。
当時の総合雑誌ではもっとも頻繁に検閲処分を受けた『改造』を中心に、円本(文学全集)誕生の経緯も交えながら、文学者、編集者、出版社が織り成す苦闘のドラマを活写する。
[ 目次 ]
第1章 検閲へのアプローチ
第2章 出版法と新聞紙法
第3章 山本實彦と雑誌『改造』創刊
第4章 「内閲」という慣行
第5章 二つの戯曲―藤森成吉「犠牲」と倉田百三「赤い霊魂」
第6章 一九二六年七月のミステリー
第7章 文藝家協会と発売禁止防止期成同盟
第8章 抗議運動の亀裂と円本の登場
第9章 中里介山「夢殿」と切取り削除
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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大正から昭和へと時代が移り変わる激動のさなか、検閲の嵐が文学を直撃する。頻繁に検閲処分を受けた『改造』を中心に、文学者・編集者・出版社が織り成す苦闘のドラマを活写。
「図書館戦争」シリーズで検閲に対し興味を持ったので読んでみた。意外とあんまり本が出てなくて、探すのに苦労したよ・・・。1920年代の文学界の様子や、検閲する側・される側の考え方を示す文書等をかなり丁寧に取り扱っていて、どのように時代が移り変わっていったのか理解できました。テーマじゃないので仕方ないと思うけど、できれば現在につながるものがあるはずなので、今の出版に関わる検閲絡みのことを詳しく述べてくれればなお良かった。
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2/18
文学作品の入れ物について。知っているけどよくはわかっていない「検閲」について、法制度のことから作家や出版社の対応まで丁寧に書かれている。