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青春小説の傑作中の傑作。
和田誠さん原作の映画もよかったです。
が、やはり原作の小説は偉大です。
僕の青春はこの本とともにあったと言っても過言ではありません。
僕の人生に与えたであろう影響も計り知れません。
人間は泣きながら裸で生まれてきて
一人静かに孤独に死んでゆく生き物です。
しかし、そのはかない人生の中で
血沸き肉踊るような激しい世界を生きずして
どうして死ねようか、そんな本です。
最初に手にとってから20年30年と経ち
僕自身のほぼ半分が過ぎました。
ところが今読んでも、やっぱりドキドキします。
心の奥深くが揺さぶられます。
魂の本です。
こんな小説を書いた阿佐田さん(色川さん)にたいして
畏敬の念を抱かずにいられません。
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先にマンガを読んでしまっているので、知っている話も多いが、生のパワーをビリビリと感じる。たとえ、雀士ならずとも。
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ピカレスク‐しょうせつ【-小説】
召使や詐欺師など下層階級出身の主人公がさまざまな社会や事件に出会った経験をのべる小説。諷刺・ユーモアの要素が多い。16世紀スペインの「ラサリーリョ=デ=トルメスの生涯」に始まり、17世紀に流行。悪者小説。悪漢小説。悪党小説。
<「広辞苑 第4版」より>
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主人公「私」、坊や(=主人公?)が戦後からギャンブラアとして生きていくようになり、他のバイニン(玄人)と互角に戦っていく。飯を食っていく為のギャンブラアとは、またその哲学とは。こんな時代が本当にあったのか。
ただし後半は主にドサ健を中心とした話であり、主人公はサブキャラクターであるように描かれている。キャラクターは皆かっこ悪く生きているのである。
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太平洋戦争終結直後から復興期にかけての世相を背景にした、麻雀小説の金字塔。
第一巻青春編は、まだ幼顔の残る少年、私こと坊や哲が、戦禍の跡も生々しい東京を舞台にプロのゴト師を志し、個性豊かな打ち手たちとの出会いを通して、挫折を乗り越えながら独り立ちしていくという、さながらビルドゥングス・ロマンのような、本格の香りたかい作品となっています。
戦争で家を失い、仕事を失い、牙を折られた人々が、やり場のない闘争本能を賭博で発散している感があり、全編が暗い迫力に満ちています。
主人公の哲ちゃんも、旧制中学を出ていながら、戦争のために進路が狂ってしまい、弱冠16歳にして、一家の生計を一人で背負わなければならない、なのに仕事がない。
切羽詰まった状況で、ついバクチに手を出す、というところから話が始まります。
深刻な話の一方で、大の男たちが、知恵も財産も何もかも、持てる力のすべてを賭して打ち込んでいるのが、吹けば転がるよな麻雀牌という脱力感。
生死を賭けた凄絶な勝負に、からからと乾いたユーモアの風が吹くのが、この作品の真骨頂でしょう。
筋金入りのゴト師のくせして、安定収入に憧れ、麻雀を正業にしようと、土台無理なアイデアに奔走する、ドタ健の硬軟入り混じったキャラクターはこのシリーズの象徴ともいうべき傑作です。
敗者からは文字通り身ぐるみ剥いでしまうような、情け容赦のない世界の中に漂う、奇妙な仲間意識と互いへの敬意は、矛盾だらけでありながら、何か納得させられるところがあって可笑しい。
単純に色分けすることのできない人間の複雑さ。
しぶといのに繊細。頭がいいのにバカ。悪人だけどお人よし。冷酷なのに優しい。
くだらないけど、何だかしらんがいろいろと、たいしたもんだという感動があります。
ニヒリズム、なのですが、それだけでもない。
それからもちろん、この本のリアリティの基礎である、麻雀の部分が非常によく出来ています。よく出来すぎていて、素人には、一読では何のことだかわからないくらいです。
ゴト師の技術は、おそらく作者が実際に見聞きしたものが大部分と思われますが、いやもう、インチキもここまでやれば立派!というレベルで、感嘆するほかありません。
初版刊行時は、今のように写植やコンピュータのない時代ですから、わざわざ牌活字を作ったんだそうです。組版も校正もさぞかし大変だったでしょう。
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購入者:吉田治
阿佐田哲也プロの実話とフィクションの混合
戦後、高度成長期前の日本が舞台となっている、
麻雀の知らない人は読みにくいかも知れませんが女衒の世界も
勉強できます。
返却2012、11、20
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「坊や哲」というのをどこかで聞いて「なんだろう」と思っていたけれど、ここが出典だったのか。
ギャンブルの世界は深いですな。家族麻雀をする程度だけど、なかなか面白かった。
天和とか一度でいいからやってみたいよ。
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阿佐田哲也氏の名作!本当に素晴らしい小説だと思う。坊や哲が繰りなす人間模様...ドサ健、出目徳、上州虎、など個性あふれる男たちの物語。黙祷。。。
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青春小説。
現代ではカイジとかが究極の状況を用意して、近い作品を作ってますが、アレ系は無理矢理な舞台を作り出して極限状況の心理戦をやってます。
しかし焼け跡バラックで行われる麻雀放浪記は、自然に極限下で戦っております。負けたら裸にされて死にます。それが自然。そんなやつらがウヨウヨ生きてきた時代をカイジの会長とか、アカギのワシズとかが勝ち残ってきたのだとしたら、現代の緩みっぷりに耐えきれないんでしょう。そのときの焦燥が忘れられない亡霊となって、興奮させてくれる舞台を作り続けるのではないか、と。
作者の実体験がかなり含まれてるらしい。出て来るやつはゴトしかしない。二の二の天保とか本当にやってたらしいがよく殺されなかったもんだ、と思います。
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麻雀のルールがさっぱりわからないくせに、何故これを読んだのかと言われそうですが、おもしろい。わからなくてもそれなりに読める。
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映画やマンガにもなっている有名作品。原作は未読だったが、たしかにすごい作品だ。
ひりひりとした緊張感、博打にしか生を感じることができない男たち、そして男に翻弄されながらも力強く生きる女たち。戦後のロマンだ。
意外にも映画がほぼ原作に忠実だったこと。いい映画化だったのだと再評価した。
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いやぁ面白い。しかし麻雀だったのか?男がいかにだらしがないかっていつもの話じゃないか。くだらない生き物ほど必死になるってね、そりゃぁ生きているだけめっけもん。クズみたいなもんだから必死に燃やそうとする。それが熱くないわけないものな。
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映画を久しぶりに見て、面白かったので原作を紐解く。映像そのままの展開で、麻雀好きにはたまらないストーリーだね。
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大学時代繰り返しページを開いた本。講義のテキストなんかは殆どが未読、新品、未開封。
当時の学生の必須教科はなんといってもマージャン。リーチマージャンが完成形に出来上がった時代。
それ以前はブーマンっていって細かい点符計算が必要だった。イチニニイヨンヨンパアクンロクって計算をして点棒のやり取り。フリーマージャンの卓にもよく通ったがブーマンは経験が一番の強み。貧乏学生のシロートが入ると露骨にいやな顔されて怒られながらそれでもヘラヘラしながら通った。そのベースがあってリーチマージャンに変わると腕の強弱は別にして瞬時に計算だけはできた。そんな時にこの本が出た。言わないでも全員が読んでた。卓越した魅力的なキャラ設定。作者自身を主人公にしたピカレスクロマンの最高傑作。坊や哲。ドサ健。デメトク。その他キャラコターモロモロ実名虚名入り混ぜ全員が活字の中をいや上をハネ回っていた。
ゴステのイースー、ペンチャンよりカンチャン等の定石もこのシリーズの牌譜の説明(ユニークでシンプルな図入り)で学んだ。
アウトローの悪党どもがヒツジから獲物をぶんどる。殺し以外なら、いや殺してでも分捕る。ギトギトで陰惨な内容も全体に漂う品のいいユーモア感。地獄で意識せず人間生き抜いていくのはイチイチ悲観してたらきりが無い。薄笑いしながら生きていくのが最良の方法だな。自分だけの心意気、心構え、生きていく法律、全てそれぞれのアウトローが持っている。これこそ格好イイってやつ。
暇あればエンタメかわりに本記載の牌譜を眺めてああくればこう切るってイメージトレもした。一時期マアジャンに全てのめりこんでた何年かを形成したのに大いに役立ってくれた。
徹マン繰り返しては今日もアサダテツヤだって言うのが口癖だった。
後年この人の色川武大名義の作品を読み、実力を知りイロイロ読み漁り新作をいつも楽しみにしてた。残念だが亡くなられた。
まだ60歳くらいだった。
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図書館で。
私が子供の頃はそういえば駅前に雀荘、結構あったなあ… 今もあるのかもしれませんがパチンコとかしか目立たなくなったな。
賭け事、賭博は麻薬的魅力があると思ってます。自分は意志が弱いのでそう言う方面には極力関わらないようにしているのですが…ハマったら本当にすごそうですね。下手な倫理観とか吹っ飛んじゃいそう。というわけでどうなのかなぁとは思うけどまあこういう生き方もアリなんだろうなあなんて思いながら読みました。ただ麻雀打てないので続きを読むかは微妙な所です。