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未解決の事件をモチーフにしている事もあり、着地点について、どうなるか気になっていた。その視点も着手しており、物語の記者もその答えを探しながら、話が進んでいく。非常に面白い。
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グリコ・森永事件を題材としたミステリ。
作り物のミステリであれば犯人には犯罪の大きさに比例しただけの動機があり、証拠と動機が揃ったときその犯行が暴かれる。しかし、現実は人間一人のように小さくて他愛ないモノだ。傲慢で浅はかな人間が起こした自己満足が多くの人を巻き込んでいく。
読後感が悪いことがよりリアルであると評価すべきなのだろう。
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何の感情からくるものかは分からないけれど涙が止まらない。
溢れ出るこの気持ちは何なのだろう。
言葉が上手く出てこなくてもどかしい。
言葉にならない何かを吐き出したくてたまらないのに。
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実際の事件をもとに書かれた物語。物凄く読むのに時間がかかった。
映画化されるらしいので映画も観てみようかな。
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好きな脚本家の手によって映画化されると聞き、また塩田さんの最近の作品は既読だったので、これを機に読んでみました。
犯罪に、望まないかたちで関わった子供達にはその後も長い人生があったはず、という視点がよかった。架空のものと思ってたら、実際にあったグリコ・森永事件がモデル?だったとは。
親や親戚の罪をどう子供が消化し、未来へ歩むのかというのも、最後まで結末が分からず、ドキドキしながら読んだ。
特に曽根と阿久津がはじめてクロスした瞬間は、どうなるのだろうと震える思いで読み進めた。
最後、思わぬ形で母と子、という存在が大きくなってくる。身内や愛する人を守るために、語らず、心に秘め続けるという、もっとも苦しくて残酷な道を選んだ人たちが、病や老いに直面しているのを見ると、気持ちが身体を蝕んでいった結末を見たようで、とても心が苦しくなった。だから再会のシーンはもう涙止まらず…。会えて良かった、ほんとうに。
阿久津や曽根の旅路に読者が寄り添っていく、長い旅だったけど、読めてほんとうによかった。映像化もとても楽しみにしてます。
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戦後最大の未解決事件と言われる「グリコ・森永事件」をモデルにした話。
想像の世界なのだろうけど、読むとその世界にはまり、本当に事件の裏を垣間見たような気になる。
まだ小学生だった頃の事件で、鮮明には覚えていないけれど、あの時代だから未解決となったのだろうという気もする。
一方、どうして捕まらなかったのかという思いもある。
ただ、この作品のような悲劇が裏にあってほしくはない。
2020.5.29
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なかなか骨太な一冊。
実際にあった事件が元になっているからか、時系列やら場所やら登場人物がごちゃ混ぜになって少し読みにくい所があったので、中盤くらいまでは慎重に読んだが後半は一気!
真実を明らかにしたい記者の阿久津と、事実を知りたい曽根の話が交互に語られるんですが、この2人のキャラが似てるのでどっちが誰に話を聞いたか分からなくなる事もしばしばでした。
その2人が交差した時、やっぱり記者嫌いだわーと思いました。自分が特ダネつかみたいだけのくせに大義名分を盾に人の生活にズカズカ土足で入ってかき回していく。
最後は無理矢理感動話みたいにして取材に意味を持たせてたけど、なんかビミョーでした。
曽根が、生島家を追いかけるのを辞めた瞬間とか、阿久津がイギリスで真実を聞いてガッカリした描写とか、細かい心情がリアルでいいなーと思った。
作者の方が本当に、のめり込んで書かれてるんだなーと。
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グリコ・森永事件を題材にして、罪を犯した者の身内、あるいは知らずに犯罪に加担してしまった者の苦悩を描いている。
理不尽に罪を着せられた人間の社会に対する復讐ははたして正義なのか。冤罪についても考えさせられる。
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子供のころの自分の声が脅迫事件に使われていた。普通の家庭に育ったと思っていた自分と家族の真実を求める一人の男。それほど熱心に仕事をしているわけでもない新聞記者が、昔の未解決事件を追って取材を進める。二人が出会ったからこそ見えてくる事実がある。
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やや小説としてのバランスや読みやすさを損ねかねないほどに、ディテールを構成して書ききっている力作という印象。現実のグリコ森永事件を下敷きに、「何を」小説として描くのか、ということをギリギリ考えた結果なのだろうと思う。
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『グリコ・森永事件』をモチーフにした話題作が文庫化。
話題になるだけあって面白く、特に中盤〜後半にかけては殆ど一気読みだった。『ギン萬事件』と固有名詞だけは変えられているが、事件の内容は出来るだけ判明している事実に忠実に描かれているだけあって、『ひょっとすると本当にこれが真相だったのかも?』と思わせる説得力があった。
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怖すぎる。こんな本書いていいの?ってくらい怖い。
フィクションではあるけど、どこまで事実なんだろう。
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面白かったが、自分には設定が不自然に感じた。もう少しハラハラさせて欲しかった。
ヨークでの阿久津の台詞は流暢すぎて不自然に感じた。
映画は見るか微妙。
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巻き込まれたこども達の現実に涙。そうか、こいつらが犯人なんやな?ってつい現実と勘違いする説得力。この濃い内容をどうやって映画の時間内におさめるのかちょっと気になる(笑)
「本物」のこども達は、犯人は、今なにしてんだろうか。
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新聞記者として事件を追う男の視点
テープに利用された過去を持つ男の視点
新聞記者として倫理観を持ち合わせ過ぎていて、理想のジャーナリストになり過ぎてしまっていたのでは、と思わなくもない。
それぞれが事件を追いながら交差する様子や、犯人たちの素顔が徐々に明かされて行くところは読んでいて気持ちが高ぶっていく場面もあった。
しかし、犯人たちの素顔が明かされてしまった後は動機や金の行方が肩透かしというより、しょうもない。
ただ、数十年前の事件に迫りながら、いかにして事件の全貌を明かしていくのかがメインなのかもしれない。
事実は小説より奇なり、ではなく事実はやはり奇ならずを描き切ってしまった感がある。