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2010 9/21読了。有隣堂で購入。
友人が飲み会で面白い研究をしている先生の本、と薦めていたので買ってみた本。読んだらめちゃめちゃ面白かった。
著者がこれまでの研究と開発してきたロボットを紹介しながら、その過程で同時に考えることになる人間とは何か、という疑問についても言及していく本。
引用にもあげた最初の1行のインパクトが凄い。でもすとんと落ちてくる。
研究自体も面白いし疑問点も明確で、読みやすい。
開発されているロボット自体はYouTubeで映像見たらけっこう不気味な動きをしているように見えたが・・・本文中でもリアルで見た人はまた違う反応を返すとあったので、その点についての判断は保留することにする。
業績の凄さに目がくらみつつも、研究に関する考え方は似ている部分もあって、そこは少し心強く思ったりもした。
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読みやすい、わかりやすい、ワクワクするの三拍子でした。特に、これまでのインターネットを人間の情報伝達のツールとして捉え、ロボットも同じように進化し発展していくだろうという見解に共感できました。しかし、技術的にはそうであっても、経済の観点からはなかなか難しいのではという疑問をいだいてしまいました。ビジネス書ではないわけですし、アンドロイドをつくる目的を知り、人間とはなんであるかという哲学をする本としては最適ではないかと思います。
この本を通して個人的に得ることの出来た一番のことは、ロボットに性を与えることが実は重要なことなのではないかということです。他にも、心に限らずのことですが、周りの人間がそう思うことによって自分を認識しているのが人間ではないだろうかという説は、自分の持っている考えを後押しするような形になってくれました。
ロボットを知りたいという理系の人にも、人間とはなんだろうと考えている哲学する人にも、今後どんな新しいものが出てくるのだろうと感じている経済人にも、それぞれ得るものがある本であると思います。
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[ 内容 ]
英国コンサルティング会社SYNECTICSの「生きている天才100人」調査で日本人最高位の26位に選出(2007年)。
石黒研究室が参加する「Team OSAKA」は、「ロボカップ世界大会」サッカー競技ヒューマノイドクラスで4連覇を達成(2004~2007年)。
自身のアンドロイド「ジェミノイド」とともに、欧州最大のメディアアートの祭典「アルスエレクトニカ2009」でフィーチャードアーティストとして展示を行う(2009年)。
[ 目次 ]
プロローグ ロボットは人の心の鏡
第1章 なぜ人間型ロボットを作るのか
第2章 人間とロボットの基本問題
第3章 子供と女性のアンドロイド
第4章 自分のアンドロイドを作る
第5章 ジェミノイドに人々はどう反応し、適応したか
第6章 「ロボット演劇」
第7章 ロボットと情動
第8章 発達する子供ロボットと生体の原理
第9章 ロボットと人間の未来
エピローグ ロボット研究者の悩み
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ロボットを通じて人間の存在について考えさせられた。心があるかないかは表面的なことからしか分からない。。
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大学で哲学の教授に薦められて読みましたが、面白かったです。「人間と何か」「心とは何か」といった哲学的な問いを、ロボットを用いた実験と観察という伝統的な自然科学の手法を通して考察する石黒氏の研究の一部を垣間見ることができます。人間探求の新しい手法に触れた思いでした。
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<poka>
ロボットを通して人間や自分を考えさせられる。
<だいこんまる>
私もロボットだったりして…。
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人類の科学史・哲学史を変えるくらいのインパクトを持った一冊。「人間とは何か」という昔から哲学者達を悩ませてきた問題に対し、「ロボットとは何か」という双対問題から解釈を与えようとしている点が非常に面白い。
特に印象に残ったのはロボット演劇のエピソードで、演劇にロボットを出演させ、ロボットが、完全に決められたタイミングで、決められた動作やセリフを言うという実験だが、この演劇を見た人の大半はロボットに心があると感じたという。この結果から、筆者は、心というのは、「人に心はなく、人は互いに心を持っていると信じているだけ」で、「ロボットでも十分に心を再現することができる」としている。哲学的な言い方ではあるけれど、科学的な面からもとても面白いと思っていて、「人間とは何か」をこのように解明していくことによって、例えば、人間の感覚を騙すようなアプローチも可能になってくる。
また、研究という行為の意義についても考えさせられる。筆者は、元々コンピュータービジョンの研究をしていたが、そのうちにロボットを研究するようになり、さらにロボットを研究するうちに、「人間とは何か」という問題に興味が移ってきているという。「人間とは何かを知りたい」という非常に根源的な欲求が、筆者のモチベーションとなっており、次の研究に向かわせている。表層的な問題ばかりを見ていると、研究の一貫性がなかったり、モチベーションが持続しなかったりすることがあると思うが、筆者の在り方は、まさに理想的な研究者としての生き方だと思う。
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サイボーグ論との関連で友人にすすめられて読んだのですが、
やはり実践的であるという面で、非常に興味深かったです。
単なるメタファーでも机上の空論でもないというのは非常に強力な論拠になりますからね。
ただ、筆者の「意見」の部分には論理矛盾も見られたように思います。
筆者の言葉通り「心=相互的なもの」と考えるなら、
ロボットが人間に心を認めないかぎり、「ロボット自身が心を有するだろう」とはいえないのでは、という疑念がわきました。
しかし、それを除しても本当に面白かったです。
研究に限らず、新たな視点を取り入れたいという人におすすめです。
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2009年までのロボット技術の今が語られた本。出来ることと出来ないことが明確に分かっておもしろい。ロボット≠人間、片方を知ることでもう一方の輪郭が見えてくる。
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石黒先生のロボットに関する2009年の新書。といっても石黒先生の開発するロボットの話なのでだいぶ偏っています。人口知能カテゴリにいれちゃいましたが、人口知能というよりはどっちかっていうと、石黒先生にとってのロボット研究は「人間とは何か」なのである意味哲学より。
科学なので実験してますが。
一見気持ち悪いロボットの数々をつくることがなぜ必要か。
そこには「気持ち悪い」と思うことに鍵がある。
人間とロボットの違いは?その間の「不気味の谷」にウキウキできる人には、語り口も一文が短くわかりやすく(わからないということがわかりやすいともいう)、かつ石黒先生の情熱(見方をかえれば失礼ながら変態かもしれないが……)も伝わってくるので本当にオススメです。
初の☆5つ。
いい悪いは別にして単純に好きで相当楽しく読んだからです。
読んだのは今年の夏。だな。多分。
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ロボットを通じて、「人」を研究する。そのためには誤解や多くのタブーも存在する事を改めて実感。哲学的な部分も多いが、ロボット研究の最近の状況も知ることが出来る。
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石黒教授の開発してきたロボットについて概説されており,研究の動機もよく分かる。なかなか面白かった。
2012/02/11図書館から借用; 2/15夕方から読み始め;16日で読了
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≪目次≫
プロローグ ロボットは人の心の鏡
第1章 なぜ人間型ロボットを作るのか
第2章 人間とロボットの基本問題
第3章 子供と女性のアンドロイドー人間らしい見かけと仕草
第4章 自分のアンドロイドを作るー(人間らしい存在)とは
第5章 ジェノミノイドに人々はどう反応し、適応したか
-心と体の分離
第6章 「ロボット演劇」-人間らしい心
第7章 ロボットと情動
第8章 発達する子供ロボットと生体の原理
第9章 ロボットと人間の未来
エピローグ ロボット研究者の悩み
≪内容≫
人間型ロボット(アンドロイド・ジェノミノイド)の第一人者のもの。
ロボットを研究することで何がわかるか…わかるのは人間。そして、
今までのさまざまな学問・研究は、実は人間について何も分かって
いなかったこと。特に「心」の問題は、興味津々の内容。また、
子供ロボットが人間の子供と同じように、覚えながらロボットになっていく
(?)くだりは、小説よりも面白かった。
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タイトルは「人間とは何か」という命題に換言できる。
石黒氏の著書『どうすれば「人」を創れるか』を哲学的とするならば、こちらはより写実的といえる。タブー視される性衝動が本来人間の根源てあること(芸術ならば許容される)、定義できない知能や心の存在に対して疑問を呈している点など、筆者の豊かで刺激的な主張が冴えている。
本書はロボット自体より研究者として筆者の思想に焦点が当てられているため、石黒氏を知るにはまず『どうすれば「人」を創れるか』を読んでから本書を読むことをお薦めする。
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ロボット研究の第一人者による新書。2009年刊。
より“人間らしい”ロボットを模索するうちに、「人間とは何か」という根源的な問いを意識するにいたった著者の、研究と思索が 明快に詰め込まれた書。
なぜ人間は、人型のロボットに対して飽くなき探求を続けるのか。そこには、技術開発を通じた“人間理解”への欲求があるのだと氏は論ずる。
ロボット研究における人間らしさ(特に見た目や動作を中心として、知覚・感情・発達といった部分まで)を追求する取り組みが興味深い。→ジェミノイド(人間もどき)、ロボット演劇、ロボット化社会予想
・体を持たないコンピュータに真の認識が可能か
・なぜ人間型ロボットなのか
・人間らしさとは何か(ロボット研究における切り口)
・感覚と体のつながりとは
・ロボットは人間を支配するか