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中国史上もっとも暗い事件、文化大革命についての本。
人を中心に書かれているので、時系列でない分頭の中が整理しきれないが、
筆者の視点を通して人となりを浮き上がらせる。
四人組の江青など、名前のみしか知らないキャラクターについて、
理解が深まった。
毛沢東の強烈な情報統制の中で、何も発言できない、かつ何もしていなくても有罪になるかもしれない恐怖。
毛沢東独裁のとてつもない力が働いているのが感じられる。
なかなか勉強する機会のないテーマだけに、勉強になった。
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現代中国史において文革は避けて通れない事件ではある
多くは語れないが、本当にあの時代はトチ狂っていたんだなあと思える
あまりいいたくないが、中国流の狂気は、そこいらの都市伝説よりコワイ
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文化大革命についての本。
文革について、私には教科書程度の知識しかないため、正直内容はよくわからなかった。
ただ文革のような政治的混乱がなかったら、
今の中国の様な急激な経済成長はもっと早く来てたんだろうなと思った。
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古本で購入。
「文化大革命」とは何であったか。
この一種途方もない問いから、中国の「失われた10年」を総括しようというのが本書。
一般的に(僕もだけど)、文革というのは
「大躍進・人民公社政策の失敗によって低下した権威を回復しようと毛沢東が引き起こした権力闘争」
というイメージが持たれている。著者はそれも事実であるとしながら、
「共産党の官僚主義化に対する危機感」
という分析をしている。
大衆路線を忘れ官僚主義化した特権を握る高級幹部(いわゆる「実権派」)こそ、文革における打倒対象であった。
しかし結局、毛沢東の「空想的社会主義」によって中国の経済は破綻し、農村は荒廃した。
文革の尖兵となった紅衛兵は毛沢東の制御を離れ、残虐なる迫害・弾圧の徒と化し、大衆テロに堕した。
事実上の「内乱」となった文革において、犠牲者は1000万人を超えると言われている(中国政府の見解は2000万人。この他3600万人説、7000万人説など諸説あるが、どれも異常な数字だ)。
教育の中断や青年の下放による人的資源の喪失も甚だしかった。
古い物の否定という価値基準の下、多数の文化財が破壊され、失われた。
文化大革命は失敗した。
毛沢東が打倒を目指した実権派は、文革以前と同様の、特権を行使する階級へと返り咲いた。
1981年6月の「歴史決議」において、中国政府は文革を
「指導者が誤って発動し、反革命集団に利用され、党、国家や各族人民に重大な災難をもたらした内乱」
「わが党が犯した最大の過ち」
とコメントしている。
建国20年に満たない中国で起きたこの狂気の一幕がいったい何であったのか。
現在も総括・清算のできていない重大事である。
それは文革時代に下放によって農村に送り込まれて上海市民権を失った人々が、その回復を求めていることからも明らかだ。その他にも社会のあらゆる部分へ爪痕を残していることだろう。
現代中国を知る上で、文革を知ることは欠かせない。
ざっとしたあらましを知っていないと少々わかりづらいが、簡潔で読みやすい本だと思う。
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中国人の名前の区別がつかないこちらにも問題はあるが、しかしまあわかりにくかった。時代も行ったり来たり。
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この本の時代(1990年前後)の延長が、今の中国というのが信じられない。
歴史を否定しないと大国には成り得ないのか。
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表現も構成も何ともわかりにくい。特殊な「文革用語」がポンポン出てきて、その度に引っかかる。自分のような予備知識のない者には不向き。
事前に持っていた文革のイメージは紅衛兵による文化財の襲撃くらいだったが、実はそれは文革のごく一部分であり、実態は『毛沢東が考えた最良の社会主義』建設を人民に強制する政変である。理想や動機は正しかったのかも知れないが、所詮出来もしないことを無理やり追い求めた結果があの結末である。
また六四天安門事件も、太子党で下放世代である習近平が現在進行形で進めている権力集中も、文革を踏まえて捉えると理解しやすいのは新たな気付きだった。その意味では今も文革は続いている。